66話 新たな力
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光のカーテンが効力をなくし徐々に光が失われていく中から、ゆっくりと二人はイフリートの前に再び姿を現した。
「これが………私の新しい力? 信じられないくらい魔力が溢れてる」
アイリは自分に起きている新しい感覚に戸惑っていた。 これほどまでに魔力が満ち溢れたことなどなかったからだ。
「そう。 これが俺の特殊スキル黄金の手の力、限界突破さ。 この力のお陰でこれからはアイリちゃんも聖気が使えるし、焔の欠片も使えるようになったよ」
「そうだったわ……。あまりにユウキの力が凄すぎて肝心な事を忘れてしまうとこだったわ。 これで私も賢者と同じように焔の欠片を使えるのね……」
歴代の賢者達と同じように焔の欠片を使える事実に、アイリは自分も大魔道士になれたのではないかと錯覚するほどだった。
すると隣にいたユウキがアリイの頭を優しく撫でてきた。
「ほんと、よく頑張ったねアイリちゃん」
「うぅ……。 うるさいっ……。 思い出させないでよ…… 」
思いだし、恥ずかしそうに答えるアイリちゃんは、今まででより少し丸くなったように見え、今だけかもしれないが可愛いらしい女のコに見えた。
そうだよ。俺が欲しかったのはこの反応だよ!
照れたり、一緒に笑ったり、たまにはケンカしたり。 恋人同士みたいにイチャイチャするようなやり取りが俺はしたかったんだよ。
まぁ、アイリちゃんの性格上イチャイチャがこの先も出来るとは到底思えないけどさ……。
でも結びを交わした事には、絶対後悔はさせたりしないようにしないとな。
これでニーアちゃん、シャルルちゃん、アイリちゃんの三人と結びを交わした事になる。
全員全然似たタイプじゃないけど、絶対に誰も悲しませたりさせないし、泣かせたりしない。全員を平等に俺は愛す!
ユウキはこの先、誰も悲しませたりしないようにと自分で心に誓いを立てた。
「うっし……」
誓いを立てた後、少し離れて待機してくれていたイフリートにユウキは声を掛けた。
「イフリート。待たせたね。 それじゃあ契約を交わそうか」
完全に一人蚊帳の外を食らっていたイフリートは、やっと来た出番に少し嬉しそうな顔をして二人に答えた。
「フム……。 承知しましたぞ」
ゆっくりと二人の前にイフリートは近づいて来たがアイリの前でピタリと動きが止まった。それはアイリが別人のような魔力を帯びていたからだ。しかも、
「汝は確かに先程までは聖気を使えなかったはず……。 何故使えるようになっている? あの光の中で何が起きたというのだ?」
当然だよな。 俺のチート能力の一つだからな。 いつも皆同じような反応をするが、やっぱりイフリートも例外じゃないんだな。
精霊王でも、同じ反応をすることに、ユウキはこの能力はこの世界での理を無視した能力だと気付き始めていた。
「まあ、俺の能力を少しアイリちゃんに分けただけだよ。 それよりも契約の話だけど……」
すると隣で聞いていたアイリがユウキに割って入り、イフリートに質問した。
「お願いがあるのイフリート」
「なんだ……? 願いと言っても我は神ではない。 契約以外の話なら我にその力はないぞ……」
「勿論契約の話よ。 貴方は最初ユウキの聖なる気を使い自分を召喚出来るようにすると言ったわよね?」
「そうだ……。 それは選定者である主が世界を救う為の聖なる力を充分に自身に宿していたからだ。 我々精霊王は土地神のように自由に世界を行来出来ない。 それを主の力を借りて召喚することによって一時的に自由に力を貸すことが出来るようになるのだ」
「だったら私はユウキとは今後離れたりしない。 だから私の聖なる気を使って召喚するようにしてほしいの」
アイリちゃんが言い出したのはあくまで自分の力を使って召喚出来るようにしたいという願いだった。
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