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64話 乙女の気持ち

遊びに来てくれてありがとうございます!


少しの間、短編で更新していこうと考えています。


お付き合い下さると嬉しいです。



 俺の黄金(ゴールドフィンガー)の手がアイリちゃんに反応している!


 間違いない。過去に何回も同じ現象があったからもう分かるぞ。これはアイリちゃんが完全に俺に心を打ち解けてくれた証だ。



 思えば始めて話したときは「ちっ」とか俺と話すのもイヤそうに舌打ちしてたあのアイリちゃんが。


 徐々にだったが、ちゃんと話をしてくれるようになって、冗談も言い合えるようになって。


 少しずつだけど、打ち解けていって。 そして念願の告白までしてくれて。


 告白なんて人生で初めてされたよ。 マジでこんな経験出来るなんて夢みたいだ。


 本当に長かった。


 だから嬉しい。


 本当に嬉しい……。



  内心は俺の事を、一人の仲間として見てるだけと思いこんでいたから、ちゃんと異性としても見てくれてたった事が何より嬉しい。


 元、アイリちゃんと一緒のメンバーだった金色(こんじき)の翼のガイア! 俺は遂にアイリちゃんを振り向かす事に成功したぞ!


 心の中で強くガッツポーズをした後、ユウキは返事をするかのように優しくアイリを抱き締め返した。


「ん……っ……」


 テレるようにアイリも返事をする。


 そうだよな。


 他の二人とはまた違う。 魔法使いだからか。 性格に似合わない程、やっぱり華奢な身体だ。


 アイリちゃんだけかもしれないが、この世界では不釣り合いな程に弱々しい存在なんだよな。


 だが、それが逆に守ってあげたくなる。



 抱き締めたくなるほど小動物なように可愛く。 少し口は悪いけどツンデレな性格も愛おしい。


 すると、それを見ていた3人は言葉を残しその場を立ち去ろうとしていた。


「あー、日中からお暑いことで……。 これ以上この場所が熱くなったら私達本当に死んじゃうかもしれないから先に馬車まで帰ってるよ。 それにちょっと羨ましいから見たくないかもだし!」

「ガルルルゥ」


「そうじゃな。 ここまできたら後は契約するだけじゃろ? 悪い結果にもなりそうもないことじゃし、邪魔なワチ達は馬車まで戻って結果を待つだけにするか」


「はい……。 ユウキ様、私達は先に馬車まで戻り、帰りをお待ちしておりますので、 あまり暑いので長くならないように………」


 ダラダラと帰っていくシャルルちゃんとその肩に乗って帰るキラ様。 それに少し遅れてニーアちゃんはペコリと頭を少し下げてこの場から去っていった。


 なんか気を使わせちゃったな。


 後でいい契約が出来たと返事が出来るように俺も頑張ろう。


「イフリート。 その契約少しだけ待ってくれ」


 俺はアイリちゃんを抱き締めたまま、イフリートに問いかける。


「何故? 待って何か変わるとでも?」


 イフリートも状況が分からず少し困惑した様子だが、マグマの中でずっとボッチ生活だった事を考えたら、数十分の時間くらい待つのなんて何てこともないだろう。


「こっちで先に今から儀式を交わすから、その後にイフリートと契約の儀式をしてほしいんだ」


 事情を察してくれたのか素直に応じてくれるイフリート。


「ふむ。 承知しましたぞ。 では少しの間、待つ事に致しましょう」


 少し二人とは距離を取り、イフリートは再びユウキに声を掛けられるのを待つ事にした。



「アイリちゃん。 今から俺の特殊スキルをアイリちゃんに使いたいんだ。 前に言ったことあるけど黄金(ゴールドフィンガー)の手ってやつ」


 俺は知らないアイリちゃんに黄金の手の事を説明した。

 すると説明を聞いている途中からアイリちゃんの顔がどんどん真っ赤に染まっていく。


 ニーアちゃんもシャルルちゃんも、勿論黄金(ゴールドフィンガー)の手を使ったあの時が初体験だったが、アイリちゃんはそれ以前の話だった。


 全く男慣れしていないのだ。


 異性と話すのも距離を置いてしか、下手したら近付くことすらしてこなかったアイリには、ゴールドフィンガーを受け止めるという行為はかなりハードルが高い行動だったのだ。


「いやいやいやいやいや! ちょっ……ちょっと待って! いきなり……そんなこと心の準備が………」


 目に涙を溜めながら顔を火照らしたアイリはイヤイヤ星人になっていた。








読んで頂きありがとうございます!


少しでもよかったと思われた方はブクマ登録と評価をして頂けると大変嬉しいです。


レビューもお待ちしてますので是非宜しくお願いします。

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