56話 初ステージ
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煉獄谷に向かう前に俺達はナチュカの街でキラキラサーカス団の公演をしようとしていた。
遊び人の性なのか、人を楽しませたいと思う気持ちがこの職業になってからずっとある。
それどころか強くなるにつれて比例するように思いも強くなっている。
当初、道化師世界一になる夢を立てたのだから当然と言えば当然なのだが。
後は、手っ取り早く言えば俺達の資金源の調達だ。
ライオネス討伐時にハンス国王から報酬はたんまりと貰っていたが、無計画に使っていけばあっという間にお金もなくなっていく。
俺はハンター業で生計を立てようとはこれっぽっちも思っていなかったからだ。
シャルルちゃんもアイリちゃんも、入った後にその説明を受けてビックリしていたが、それがキラキラサーカス団のルールだから従って貰うしかない。
俺は安全に、尚且つ高額なお金を貰えるサーカスの方がハンターより向いてるし好きだった。
それに俺の夢、道化師で世界一になりたいと思っている。
調べていったらこの世界ではマジックの世界一を決める大会はないと聞いた。
剣術などの大会はあちこちで開かれているみたいだけど。
少しテンションは下がったが、魔物が溢れる時代に考えてみたらないかもしれない。
だが、諦めた訳じゃない。 いざとなったら世界一を決める大会を自分で作ってしまえばいい。
ないのだったら俺がこの世界の先駆者として変えていけばいいだけのこと。マジックでなら誰にも負けない自信があるからな。
だけど、ここに来て予想外の事が起きた。
それはライオネス討伐でキラキラサーカス団の名前が一気に広まったのだろう。
桁違いに観客が多いのだ。
今迄も公演を何回もして大成功を納めてきた。
だけど、今回はそんな人数の比較にならない。
ナチュカの住人全てが集まって来たのではないかと思うほどの人数だ。
「今までで一番凄い人数だな…………」
「こりゃ、想像以上じゃ………」
「これもユウキ様の貢献のおかげでしょうね」
「スゴーい! ワクワクしちゃうわねタイガっ!」
「ガルル!!」
「た、大した事ないわっ」
各自の想いを巡らせ公演が始まる。
こんなにいれば公演もこれから1回もやれば充分だろう。
俺はマジックをし観客を驚かせ、助手のニーアちゃんが色気ムンムンのバニーガール姿で、更に食い込んだ女尻で男供を魅了した。
最近、男の喜ばせ方覚えてきたのか? 扱いに研きがかかったような気がする。
シャルルちゃんは派手な水着姿でタイガを操り、火の輪を上手く潜らせていく。
健康的な身体から反比例したダイナマイトな乙パイは、それだけで男の目を釘付けにする。
本当にシャルルちゃんの乙パイは破壊力が凄まじい。男の目が乙パイにしかいっていないぞ。
アイリちゃんもゴスロリの格好をして器用に魔法を使い観客を湧かせていた。アイドルのように可愛いアイリちゃんは他の二人と違い魅せる身体がないと思っていたのだが、時折魔法発動時に見せる黒の可愛いパンチラが、男供を熱狂させた。
歓声の中、公演は大盛況に終わり、無事にシャルルちゃんとアイリちゃんは初ステージを失敗なく終わらせた。
終わった後に、誰も何も言っていないのに何故か勝手に握手会が始った。
人気順に行列が出来たが、一番はバニーガールのニーアちゃんだった。やはり悩殺女尻は恐ろしい。誰もがこの姿を見たら魅了されてしまうだろう。
2番目が水着姿のシャルルちゃんとタイガペア。 シャルルちゃんのダイナマイトな乙パイに釘付けになりファンになった奴も多いだろう。
僅差でゴスロリ衣装のアイリちゃんといったところだった。 でもアイドル級に可愛いアイリちゃんも負けてはいない。 熱狂的なファンも付いて最後は何処から持ってきた分からない杖を持って激しく踊っていた奴もいた。
俺とキラ様? そんなの決まってるだろ。
当然一番人気………………がなかったんだよ!
くそったれぇぇぇ!!!
もっとチヤホヤさせてくれよぉぉぉぉ!!
爺ちゃん、婆ちゃんには人気があったよ。そりゃ嬉しいよ。 でも、何だろう。 心に穴が空いてる感じ。
違うんだよ! 本当はもっと可愛い子に俺は握手しに来てほしかったんだよぉぉぉ!!!
願いも空しく、ユウキは空回りで終わったのだった。
そして公演が終わった後、俺達はギルド長のボルボに呼ばれ夕方ギルドに向かったのだった。




