36話 命燃え尽きるその時まで
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ドドドドドォォォォォォォォンンンンン!!!!!
二人の渾身の一撃がライオネスにまともに炸裂した。
「ハァハァ! どうじゃ! これをまともに食らってはアヤツとて終しまいじゃろぅ!!」
「ハァ……流石にこれ以上は身体が………」
二人も限界に刻々と近付いていた。
「グァァァァァァァァァァォォ!!!!!」
雄叫びと共にライオネスは崩れ落ちる。
「ガァ………。 貴様らなん……ぞ、万全であれば……」
そう言って悔しそうに立ち上がろうとするが全身に力が入らずその場に膝をついたまま起き上がれない。
「こん……な、小娘達に…俺様が……」
核に致命的なダメージを負わされ、終わりを迎えようとしていたのだ。
肉体が徐々に消失していく。魂と共に天界へと運ばれるのだ。
「罪人はこの世に魂は勿論、肉体も残す事も出来ん。 オヌシは地獄送りじゃろぅ」
凶悪な犯罪者の肉体は肉体事天界へと送られる。それはクローンやその肉体を借りて他の者が肉体改造などの悪さを出来なくさせる為でもあった。
「流石のオヌシもこうなってしまえば終わりじゃライオネス。 核は壊れた。 もう助からん。 地獄でしっかりと反省でもするんじゃなぁ」
その言葉を聞いてライオネスは最後の力を振り絞り立ち上がる。
もうそんな体力など残っていないはずなのに、再び構えた拳からは鋭い爪を伸ばし、口からは業火の炎を吐き始める。
「ウソじゃろぅ。 アヤツまだ戦う気でおるのか!?」
三人は構え直す。完全に意表をつかれてしまう。
「俺様は……まだ……戦え………る…………」
そう言葉を残して、眼から光を失っていく。
そして、それがライオネスの最後だった。消失していった肉体は跡形もなくなり消え去った。
「はぁ。 びっくりさせないで欲しいですよ……」
「終わったな……。 戦闘狂のあやつらしい死に様じゃったな……。 にしても地獄へ行っても暴れる気じゃなかろうな……」
命が燃え尽きるその最後まで戦おうとするライオネスの気迫に三人は畏怖の念を抱いた。
命乞いもせず、戦いにだけに純粋に身をおいた戦闘狂ライオネス。形は違えど強さだけを追い求めた者。行き方を間違わなければ英雄になって世界に名を残したかもしれない。
三人で立ち向かわなければ全員が殺られていたのかもしれない。
それほどにライオネスは強敵だった。
しかし、その脅威は取り去った。
「ニーア! 皆のものに早く伝えるのじゃ!!」
「は、はいっ!」
ニーアは剣を高々と上げ言い放つ。
「 獣王ライオネスを討ち取りましたっ!!! 」
その衝撃は戦場に瞬く間に広がる。
「「 なっ!!! 」」
「「「なん……だとぉ!!! 」」」
狂戦士達が動きを止める。
ライオネスが常勝無敗を続けてきたのを間近で見続けてきた狂戦士達は、ボスが討ち取られるとは思ってもいなかったからだ。
喚声と同時に士気が一気に高まる。ローソンから最後の指示が出る
「ライオネスは討ち取られた!! ここさえしのげば我々の勝利だぁ!!!! 全力で押しきるんだ!!!!」
「「「 うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!! 」」」
ハイエナ兄弟もここまで士気の落ちた狂戦士達を引き連れて、この戦に勝ち目はないことを悟る。
後の事を考えると道化師ユウキを討っておく事をしておきたかったが、直ぐにライオネスを討ったと思われる女戦士達も戻って来たらこちらの身が危うい。
「撤退だ!!! お前らぁ!! 撤退するんだぁ!!!」
狂戦士達が、あの殺戮集団がライオネスを討ち取られて撤退していく。
その様子を見て騎士団、ハンター達は喜びに奮える。
「や……やった。 勝った………。 勝ったぞぉっ!!!!」
ローソンが全軍に知らせる。涙を浮かべ、声を震わせながら。
「わ……我々の……勝利だぁ!!!!!」
「「「 うぉぉぉぉぉぉぉぉぁぉぉ!!!! 」」」
ロザリア王国は多くの騎士団、ハンターを失った。ライオネスの驚異的な強さに、誰しもが絶望した。
しかし、3人の女戦士達の手によってライオネスは討ち取られ、狂戦士達も退く事ができた。
全ての戦った者達は喜びに奮え、生きて帰れた事を泣いて喜んだ。
こうしてユウキもローソン達の騎士団、ハンターの必死の防衛によりなんとか無事に済み、ロザリア王国を救う事ができたのだった………。
そして、ユウキは三日間眠り続けた。
そして……………
「ん………。 あれ……ここは?」
ユウキは目を覚ますと知らないベットの上に寝ていた。ずいぶんと寝ていたような気がする。
そんな頭が回らない中で状況を思い返していく。
「……そうだ! みんなは!?」
慌てて起き上がろうとすると、声がかかる。
「慌てんでいいぞぃ。 もう全て終わっとる」
横を見ると、いつもの小さくなったキラ様がくつろいでいた。
「キラ様っ! 皆は!?」
「安心せい。 皆無事じゃ。 ニーアは宿屋におるし、シャルルは実家に戻っておる。 よく寝ておったな。 三日間も寝続けておったぞ」
「そんなに!? あぁ。 通りで身体が重いのか。 それでここは?」
そうキラ様に質問するとコンコンと扉にノックがかかる。
「ん?」
「入っていいぞぃ」
その返事を聞きて扉がゆっくりと開く。
「失礼する……」
すると入って来たの騎士団、獣人隊長のローソンだった。




