3話 キラ様なのじゃ!
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いきなりの説明で俺が死んだまではまだ納得出来た。
確かにあの時刺されて俺は出血多量で意識が遠ざかっていくのを確かに感じた。
あれは死の感覚だった。死んでいてもおかしくない。
ただ、死んだかもしれないが、俺は人を殺してはいない。それは確かな記憶。
「おい、あんた! 俺は人を殺してなんかいない! 女性を助けて死んだはずだぞっ!!」
その言葉に天使のような女は怒りを露にする。
「黙れっ!!!」
ーーーー キンッ!!!!! ーーーー
「ぐぁっ!!!」
俺は金縛りにあったように身体が動かせなくなる。
「何だ? うごけ…な…い……」
天使のような女は続けて話し出す。
『我は神の使い。お前達犯罪者を無の世界へ連れて行く前に救済措置をとらせてやろうと救いの手を出しに来た者だ』
救済措置?犯罪者にも救いの手があるのか?
「くっ! …どう……いう…意味……だ…よ」
「前世では犯罪者だったお前らも、反省し悔いを改めるのなら今から送られる異世界で善行をして異世界貢献せよ」
善行?貢献?具体的には何すりゃいいんだよ。
「そ………したら…どう…なる」
『善行し貢献出来たならば無の世界には行かなくて済む。その世界で好きに暮らせ』
「………」
「何もせずダラダラと時を過ごしていくようであれば、こちらの判断で処分を下させてもらう。
それとこれから行く世界では、突如現れる、ある魔物のせいで世界が終わりへと近づいていく。
世界が破滅するのは神様のエネルギー源の乱れになる。それを阻止する為にもお前は強くなって世界の秩序を乱さないように努力をしろ」
「そこ…で…死んだら?」
「同じように今度こそ無の世界へ行ってもらう」
「お前らと同じように送られて死んだ連中は腐るほどいる。お前もその中の一人にならないよう精進するのだな」
なんかよくわからんが善行しながらゆくゆくはモンスターも倒せと言うことなのか。
何となく話は分かってきた。だがこの女神様っぽい女は態度も口も悪いな。
鼻から俺を罪人扱いしてるなんて、神らしい奴の割にポンコツすぎるだろ。
「お前達は一度、前世の行いでペナルティを受けた。
今から行く世界でも悪行を続けるのであれば神の目で身体は消滅し永遠と無を彷徨う事になるからな」
「……………」
さらっと怖いこと言うな
「おい。 俺は……人を…殺して…ない」
「お前には見張りで使い魔が着く。言っておく、悪行はするなよ。後は使い魔に聞くがよい」
そう言って眩い光が俺を包み込む!
!!!!!!!!!!!!!!
身体が光に引っ張られるて吸収されていく感覚に襲われる
「う……うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
こうして俺は聞く耳もたないポンコツな神のせいで世界が破滅に向かうという異世界へと飛ばされたのだ。
………………………
……………………………………………
…………………………………………………………………………
「………………おい、起きろ」
「………………う……ん?」
「いつまで寝てるんだ!早く起きろ!!」
≪≪≪≪ どこぉっ!!!! ≫≫≫≫≫≫
「いってぇっっっ!!!!」
頭を殴られた衝撃で俺は目が覚める。いつの間に寝ていたんだ。
身体をお越して周りを確認すると本当に見たことない世界にきたと思わせる景色が広がっている。
永遠と広がる大地、ビル一つない世界。空も青々として空気も清んでいる。ここまで違うと実感も沸いてくるってもんだ。
「ほぇ~~。 ………本当に異世界に来たんだな」
あれ?今殴られたような気がしたけど、俺の隣には誰もいない。
確か飛ばされる寸前に誰かを付けると言われたと思ったけど、周りを見渡すが誰もいないぞ。
「ここだ! ここっ!」
「ん……?」
下から声が聞こえてくる?
俺は下を覗くとそこには小さな使い魔が立っていた。
「やっと気付いたかバカタレ!」
少し待たされたのだろうか?機嫌悪そうに使い魔は話し出す。
「ワチは使い魔のキラ様じゃ。 ヌシを見張りに来た者じゃ」
そう言うとキラと名乗る使い魔も、俺を罪人と鼻から決めつけ話をし出した。天界も異世界もポンコツばかりなのだろうかと俺も少し気分を悪くする。
「犯罪者だったヌシらをこれから見張り、正す為に指導もしていくからの。 覚悟せぃ!」
そう言われ、少しムカついたが、よくみると愛くるしい真ん丸な目。
手の平に乗せれる位に小さい身体。
頭からも小さい角が左右から二本生えている。
皮膚の色も赤みがかって、前世ではみたことのない色だった。
小鬼なのか、絵でしか見たことないような存在が俺の足元に立っていた。
まるでおとぎ話の小鬼のお人形さんが話しているようだった。
「…………」
「……か……可愛い」
「キラ………様」
「なんじゃ?」
「可愛い過ぎだろーーーーっ!!!!!」
俺は手でキラを持上げ頬擦りする。
ーーーーー すりすりすりすりっ ーーーーー
「うぎゃーーーーーーーーーっっ!!!!!!」
ーーーー すりすりすりすりすりすりすりすりっ ーーーーー
「や……や……やめろーーっ!!! こ…このっ!!バカ者っ!!!」
≪≪≪≪ どこぉおおおっっ!!! ≫≫≫≫≫≫≫
渾身の右の拳が俺の顔面にめり込むように入る
「ぐぼぇぇっっっ!!!!」
俺は勢いよくぶっ飛び、何回転も転がり大の字にのびる。
「がはっ。な…なんちゅうバカ力だよ……」
「当たり前じゃバカタレ。ワチは高貴な神に使える使い魔じゃぞ。そこら辺の種族の者より神気を与えられている分圧倒的に強いのじゃぞ」
なるぼと、それが使い魔の存在と言う事か。
顔の形が変わる前に覚えておこう。
可愛い存在に思わず頬擦りしてしまったが注意しなければ。
「ところでキラ様……」
「なんじゃ、次も同じ事をしたら消し炭になるぞ」
「それはもう大丈夫です………」
鼻血の出た顔を服の裾で拭き、俺は真顔になって話す
「俺は人を殺していないんだが……」
一瞬の間が出来、キラ様は口を開く。
「ヌシはまだそんなことを言っとるのか?」
少し尖った口調で俺を見るが、俺の目を見て少し反応が変わる。
「ぬ………。どういうことじゃ」
神の使い魔達は罪人の嘘が見抜けるように心眼をスキルで持っていた。
(コヤツの言っていることにワチの心眼が発動しとらん。それにもう一つ気になるのが見える……)
「………むむ。 不思議な奴じゃ、ワチの眼でも見れんとわ……」
「しゃが、マリア様が言っとることに間違いはないはずじゃ。
罪人だろうとなかろうと、どのみちオヌシはこの世界と結び付いてしまっておる。 この世界で生きてくしかないのじゃ」
「えっ、あの天使みたいな悪魔がマリア様?
全然マリアって感じじゃなかったな。
人の話し全然聞かないしさ!一方通行だし!絶対ポンコツだろう! 」
それを聞いてキラ様は拳を震わせる
「ぐぐぐ………!!」
「マリア様と呼べぇぇぇぇぇぇぇええ!!!!」
ーーー どこぉおおおっっ!!! ーーーー
神の使いであるマリア様に対し失礼な暴言に、俺は勢いよく尻を蹴られる。
「がはぁっ!!!」
「失礼過ぎるわぁ!貴様訂正しろぉぉぉ!!!」
「おわぁ!!!すいませぇぇぇんっ!!!」
こうして俺とキラ様との波瀾万丈な異世界生活が始まったのだった。
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