22話 女の武器は最大限使え
ハンターランク一覧
(F級)駆け出し冒険者
一般人で対応出来るくらい魔物
(E級)冒険者
一般人でぎりぎり勝てるかどうか人数が必用な魔物
(D級)いっぱしの中級冒険者
一般人ではこの魔物に勝つことは不可能。一般人が複数で挑んでも死は確実
(C級)上級冒険者
いっぱしの冒険者で一人で魔物に勝てるかどうか。運が悪いと死ぬ可能性大。複数で戦う方が得策
(B級)才能がないとたどり着けないクラス一流
この魔物に一人では上級ハンターでも返り討ちにあう。複数で戦わないと危険
(A級)才能と努力だけではたどり着けない超一流
このクラスの魔物が現れると周辺地域の商業や交通は止まってしまう。一流ハンターを集めて戦う必用がある
(AAA級)英雄級
軍隊、小国など半壊や滅ぼされる可能性がある。国の存続をかけて全力で立ち向かう必用がある。
(S級)伝説級 勇者 賢者など
この魔物はもはや規格外と言っても過言ではない。
生態系を破壊し、大国を破壊し、島を沈める、世界に影響を及ぼすなど、計り知れない損害を出す。
(SSS級)神話級 神様と同じ
この魔物が現れると世界が破滅に向かって確実に進んでいく。軍隊、ハンターを集って戦っても皆無。勇者、賢者など伝説クラスで集団で立ち向かって世界を救えるかどうか。負ければ世界は滅びてしまう。魔王と言われる存在はこのクラス。
結局この日、ローソンは帰る事はなかった。
最近は任務に忙しいらしく、帰らない週も度々あったので誰も気にも止めることはなかった。
次の日、タイガと一緒にギルドに向かうために商店街を抜けていると一人のビラ配りをしている人間がいた。
獣人は目もいいがついつい鼻で確認してしまう癖がある。
くんくん
「この匂いは、あの人だ!」
嬉しくてついつい尻尾が左右に振れてしまったことに気付いたシャルルは慌てて尻尾を後ろに隠してユウキに近付く。
「また会ったね、ユウキ」
「あっ、シャルルちゃん。 それとホワイトタイガーの君も」
キラは二人がいつの間に知り合ったのかも知らなかった為、何でといった顔をしている。
「ユウキ、オヌシはいつの間に知り合いを作ってたんじゃ。 コヤツらは?」
「ああ、ごめんキラ様。 彼女はシャルルちゃんて言うんだ。 隣のホワイトタイガーの君は……」
あの時、タイガの紹介をしていなかったことに気付きタイガの紹介を一緒にするシャルル。
「相棒のホワイトタイガーのタイガよ。 私はシャルル。 このロザリアでハンターをしている者よ」
ユウキもキラ様を紹介をする。
「僕の使い魔キラ様だよ。 この世界を案内して貰っているんだ」
「うむ。 使い魔のキラじゃ。 シャルルとタイガよ。 よろしく頼むぞぃ」
使い魔といえば代表的なのが、勇者や賢者などに付き添う世界に選ばれた存在。
それと都市の発展などに力を貸す使い魔。
もしくは世界から爪弾きにあった存在のどちらかだ。
ユウキを見る限り、後者の都市などの発展に力を貸す使い魔様なのだろうか?
「使い魔キラ様。 よろしくお願いします。 やっぱりあなた何者? 使い魔様まで従えているなんて」
「いやぁ、色々あってね。 深くは言えないんだけどさ」
神の使いが隣にいて、勇者でも賢者でもなくサーカス団て、ますます怪しいよね。
ほんとにユウキは何者なんだろう。
「そう言えば、この前の件。 ちゃんと御礼として返して貰うことにしたわ」
「え~っと。それは……」
「えぇ? どぼけるの? 私のはだ……」
「だ、大丈夫!! ちゃんとお礼をしようと思ってたんだ!!」
慌ててユウキは会話を被せてくる。
それを見てキラ様は眉を潜めて聞いてくる。
「オヌシまたなんか変なことをやらかしたのかぁ?」
急に使い魔様の角がバチバチと音をたて光だす。
「いやいや! 何もやらかしてない! たまたまキラ様がいない時に偶然少し助けられて貰った事があってさ。 お礼をしなきゃと俺も思ってたんだ!!」
「オッケー。 じゃあ今夜ディナーにでも誘ってくれるかしら」
「勿論だよ。 キラ様も一応聞くけど行ってきていいよね?」
「いいが、女性を夜遅くまで連れ回すんじゃないぞ。 日が変わる前に戻って来んかったら………」
「だ、大丈夫だよ! お礼をしてくるだけだからさ!」
そう二人は仲良さそうに言い合いをしている。
私もタイガと話せたらあんな風に怒ったり笑ったり出来たのかな。
今に不満がある訳ではないけど、何て意味のないことを少し考えてしまう。
「なら夜7時にこの場所でいい? 私の地元だし……店は流石に知らないよね?」
ユウキは頷き、少し困った顔をする。
当然旅芸人をしている人にいきなり美味しい店に連れてってと言うのはハードルが高いし、流石に無茶があるよね。
「じゃあ。 私が気取らない程度で美味しい店を紹介するね」
「こめん。 その方が助かるよ」
そう約束してシャルルはユウキ達と別れる。
この時シャルルの尻尾が左右に振れていたことにキラだけは気付いていた。
(あやつ、ユウキに気があるんか………)
シャルルは当初の目的ギルドに向かっていたはずだったのに、家に向かって走っていた。
(やばい。ユウキとディナー行く約束しちゃった!)
こうしちゃいられない。
家に急いで戻って自分の部屋に帰ったシャルルは自分の服の閉まってあるタンスを開けてみたものの……
「嘘………」
開けてみたらシャルルはショックを受ける。
まさかのAランクに上がった時に授賞式で着たドレス以外、後はハンター用の服ばかりだったことに。
こんなことになるなら、普段から少しは服にも気を使っておくべきだったと少し後悔するシャルル。
「うーん。 いきなりドレスは気取り過ぎだよね………」
ここにきて何も着る服がないことに困るシャルル。
「あぁ。 どうしょう。 服を買いに行かないと!」
部屋でバタバタしていたシャルルに気付いた母さんは、いつもと違う様子に声をかけてくる。
「何、急に帰って来たと思ったらどたばたして? あら?」
部屋を見ると服が散らばっていることに気付き、それを見た母さんは、お洒落に興味のなかったシャルルにもついに興味を持つ相手が現れたのかと察する。
「なになに。 何処かお洒落して行く予定でも出来たの?」
少し親に話すのはイヤだなとシャルルは一瞬思ったが、そんな事を言ってる余裕もなかった為、正直に話す。
「実は夜にちょっと食事に行くことになったんだけど……服が…… 」
着る服がないことに愕然としていたシャルルに母さんは大丈夫よと強気な発言をする。
「あなたの体型も私とさして変わらないもの。 私の服を着て行けばいいわ!」
そう言われると、言われるがままに母親にコーディネイトされていく。
最低限、気取らない服で、と要望は出したが着てみると……
「こっ、これは。 スカートとか短か過ぎない……かな?」
「あら、そんなことないわよ。 これくらいしとかなきゃ。 可愛いお尻なんだし」
「それに、この胸元も、強調し過ぎじゃ……」
「何言ってるの。 ここはシャルルの一番の武器でしょう!」
そう言って胸元を手でグイグイ寄せてくる母さん。
どこからこんな服出して来たんだろう。
逆に不安になるシャルル。
「女の武器は最大限使いなさい!」
普段は大人しい母さんが、物凄い迫力で押し迫ってくる。
もう断る事も出来ないし、異性と会うこともしっかりバレていたことにシャルルも覚悟を決める。
「う、うん。 今夜はこれで行ってくるね……」
こうして母親にコーディネイトされたシャルルはユウキと食事をしに夜待ち合わせの場所に向かったのだった。
しばらくはシャルルの視点で物語が進んで行きますのでよろしくお願いします。




