表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/99

21話 絶対的な壁

読んで頂きありがとうございます。少しでもよかったと思われた方はブクマ登録と評価お願いいたします!!今後の励みになります!!

 ロザリアに無事に帰ってきたシャルルは、ギルドにマウントゴングの討伐報告をしに街中をタイガと二人で歩く。


 その足取りは普段よりどこか重かった。


 私の前でユウキと名乗ったあの人が頭から離れない。


 何度、他事をやっていても無意識に彼の事を思い出してしまう自分がいる。


 四六時中考えて一周回ってまた考えて


「あ~。 もぅ。 なんなのよアイツは!」


 私の裸を見といて、ちゃんと謝りもせずに、それどころかタイガと仲良くなっちゃって。


 色々腑に落ちない所は沢山あるけど、今になって、よくよく考えてみると裸を見られたことに恥ずかしくなってきた。


 シャルルは髪を手でわしゃわしゃとしながらしゃがんで頭を抱え込む。


「う~。 もっと言っておけばよかったかな……」


 あの時から気持ちがコロコロ変わるシャルルをそれを見ていてタイガは心配そうに声をかけてくる。


「ガルルル?」


 なんとなくタイガの言いたいことは分かる。


 私のタメ息だったり、落ち込んでる姿を見て心配してくれてるんだよね。


 そう思うと空元気でもキリッといつものように立ち振る舞うように心懸けなきゃな。


「うん。 ごめんねタイガ。 なんでもないんだ」


 そう強がりを言って、シャルルは彼の事は一旦忘れようと試みる。


「ギルドに着いたからこれ渡して来るね。 タイガはここで待っていて」


 そうシャルルはタイガに伝え、討伐したマウントゴングの核を持ちギルド中にシャルルは入っていく。


 獣は基本的にギルドの中に入れないのだ。


 その事はタイガも理解していて、いつもの場所でしばらく横になりシャルルを待つことにしていた。


 シャルルは受付で討伐を完了の報告をさっさと終わらせる。


 いつもは次のクエストを探して目星をつけてから帰るのに今はそんな気すら起きない。


 腑抜けの殻みたいな状態だった。


 家に戻ることにしたシャルルはタイガを連れて繁華街を抜けて獣人達が多く住んでいる獣人街に行く。


 ロザリアの街は特に人間と他種族を分けていた訳ではなかったのだが、発展するに連れて似たような種族が集まって結果的に獣人街等に別れていった。


 その獣人の家でも一際目立つ立派な豪邸がシャルルの住んでいる家だった。


「ただいま」


「おかえりなさい。 無事で良かったわ!」


 シャルルの母が出てきて安否を確認すると同時に抱き締めてくる。

 甘やかされて育ってきたシャルルにとってこの家は至れり尽くせりの人をダメに変えてしまう魔法のような家だった。


「大丈夫だよ。 いつも安全な狩りしかしないようにしてるから」


 不安にさせないように母さんを説得するが結局、愛娘が命をかけて狩りに出ていくのは親としては気が気じゃないのだろう。


 こうやって帰ってくると少し鬱陶しいなと感じる程ハグ地獄にあう。


 シャルルは母さんにハグされた腕を強引にほどいてあること聞く。


「父上は?」


「あら、まだ帰って来ないわよ。 しばらく忙しいみたい」


 シャルルの最も尊敬する人。


 それは父親ローソンでロザリア王国の最強騎士団に続く獣人部隊の隊長の任務を任されていた。


 ローソンは獣人の中でも身体に恵まていた。


 シャルルと同じモデルチーターで圧倒的スピードと体格に恵まれた大剣から繰り出される殺傷力を買われオークやリザードマン部隊をまとめていた。


 本当はシャルルも父親と同じように王国の獣人部隊に入り、尊敬する父親と供に戦いたかった。


 しかし、それを父は許してはくれなかった。


 ローソンは愛娘に戦場という死地に足を踏み入れて欲しくなかったからだ。


 国を守るという大義に人や魔物を殺すのだ。


 綺麗事ではすまされない残酷な任務でもあった。


 その事も心優しかったローソンはシャルルに見せたくない原因の一つだった。


 しかし、シャルルは獣人部隊に入れない代わりに親の反対を押しきってハンターの登録をした。


 尊敬する父親に少しでも認められたくて、そして近付きたくて。


 何度も父親のローソンには止められたが、そのたびに衝突を繰り返し言い合いを繰り返した。


 その思いが通じたのか、それとも諦めたのか、今では言ってくる事も少なくなった。


 シャルルは父親の才能を色濃くついだこともありハンターとしてめきめきと頭角を現した。


 特に小柄な体格から繰り出される圧倒的なスピードはロザリア王国の騎士団でも、そして父のローソンですらシャルルには敵わなくなっていた。


 タイガの優秀なサポートもあり気付いたらロザリア王国でたった二人しかいないAランクまで上がっていたのだ。


 ここから先のAAAランクまでは才能では到達できない圧倒的な強さが必要になった。


 シャルルは壁にぶち当たっていた。


 強くなればなるほど身体の強さが足りない。


 止めをタイガに任せないと勝てる相手にも苦戦をしてしまうことがある。


 一人のA級ハンターとしては力が足りないことにもがいていた。


 この世界のハンターランクはモンスターの強さと直結している。

 説明としてはこうだ


(F級)駆け出し冒険者

  一般人で対応出来るくらい魔物


(E級)冒険者

 一般人でぎりぎり勝てるかどうか人数が必用な魔物


(D級)いっぱしの中級冒険者

  一般人ではこの魔物に勝つことは不可能。一般人が複数で挑んでも死は確実


(C級)上級冒険者

 いっぱしの冒険者で一人で魔物に勝てるかどうか。運が悪いと死ぬ可能性大。複数で戦う方が得策


(B級)才能がないとたどり着けないクラス一流

 この魔物に一人では上級ハンターでも返り討ちにあう。複数で戦わないと危険


(A級)才能と努力だけではたどり着けない超一流

 このクラスの魔物が現れると周辺地域の商業や交通は止まってしまう。一流ハンターを集めて戦う必用がある


(AAA級)英雄級

 軍隊、小国など半壊や滅ぼされる可能性がある。国の存続をかけて全力で立ち向かう必用がある。


(S級)伝説級 勇者 賢者など

 この魔物はもはや規格外と言っても過言ではない。

 生態系を破壊し、大国を破壊し、島を沈める、世界に影響を及ぼすなど、計り知れない損害を出す。


(SSS級)神話級 神様と同じ

 この魔物が現れると世界が破滅に向かって確実に進んでいく。軍隊、ハンターを集って戦っても皆無。勇者、賢者など伝説クラスで集団で立ち向かって世界を救えるかどうか。負ければ世界は滅びてしまう。魔王と言われる存在はこのクラス。


 英雄クラス(AAA級)になるには、ハンターとして絶対的な強さがシャルルには足りていなかったが、王国獣人部隊隊長の父親のようにローソンに認めて貰うにはハンターとして英雄クラスの強さになりたいとシャルルは必死に戦い続けていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
https://www.tugikuru.jp/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ