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11話 サーカス団

読んで頂きありがとうございます。少しでもよかったと思われた方はブクマ登録と評価お願いいたします‼タイトルで検索しても中々引っ掛かってこないのでよろしくお願いします!

 俺は彼女と一緒に服屋にいく。


 行く中で彼女の事について聞いた。


 名前はニーアと言い、年齢は23歳。


 ザナルガルドから北に少し離れたムルグ村から出稼ぎに来ているという。


 職業は女戦士でパーティは組まず単独で狩りをするDランクの中堅冒険者だった。


 それにしても単独でDランクまでいったって結構この世界では強いんじゃないか?


 俺はあやしい服屋に入ると奥に飾られたバニースーツを見つける。


 俺の遊び人としての嗅覚が数ある服屋の中で取扱店を1発で当ててしまう


「やっぱり……ここにあったか」


 ユウキの勘の良さにキラ様は呆れる


「もはや気持ち悪いレベルじゃな」


「こ……これだよ。 このバニースーツだ」


 俺は彼女の為だけに存在するように一際奥に大切に飾られたバニースーツを手にする。


「これを君に着て欲しいんだ」


 不安そうにしている彼女に俺は誠心誠意をもって渡す


「ほ、本当にこれを私が着るのか?」


「これを着こなせるのは世界中探しても君しかいない」


 キラ様は二人のやり取りを見ていて呆れる


「もうその下りいらないから早く着てくれんか?」


 なかば強引にキラ様に勧められニーアは試着室でバニースーツに着替える。


 俺は胸を高鳴らせニーアの着替え終わるのを待つ。


 こんなに楽しみなのはいつ以来ぶりだろう。一秒でも早く出てきて欲しいと切に願う。


 そして数分後にもじもじしながら試着室から顔だけ出すニーア。


「こ……こんなに露出が多いのは、ちょっと、ムリかもしれない。

お尻が丸見えじゃないか……」


 恥ずかしがりながら話すニーアにキラ様は待つ事が出来ない。


「えぇぇい。 いつもでモジッとるんじゃ! さっさと出てこんか」


 勢いよく試着室のカーテンをキラ様に無理矢理開けられ見えなかったニーアのバニー姿が眼に飛び込んでこる。


 俺はその姿を見て歓喜に震える


「ブラボーっ!!! 素晴らしいぃっ!!!」


 思わず拍手をする。彼女の身体のラインに沿ってバニースーツが完璧にフィットし抜群のプロポーションを披露されたのだ。


 拍手に気付き店のオカマ風店主も出てきてニーアを目にすると驚いた


「そこに飾られたバニースーツを、ついに着こなせる人が見つかったのですね……」


 俺は振り向いてオカマ店長にお礼をする


「ええ。 正に彼女の為に作られたような服です。 ありがとう、今まで大切にしていてくれて」


 オカマ店主も満足そうに答えてくれる


「このバニースーツはね、本当に人を選ぶ。 今まで色々な女性が着てきたけど、誰も着こなせた人はいなかった。 それほどにあなたは素晴らしく美しい。 世界中でただ一人このバニースーツに選ばれたのですよ」


 それを聞いてニーアも悪い気はしない


「本当に……大丈夫なのか?」


「ああ。 とても良く似合っている。 綺麗だよ」


 俺は嘘偽りのない言葉を言う。


 改めて俺はオカマ店主に感謝の言葉を言う。


「ありがとう。 この街に来て一番いい買い物が出来そうだ」


 店主も心が通じあっているかのように答えてくれる


「こちらこそいいもの見せてもらったわ。 あなた達には特別にこれも着けておくわ」


 そう言いオカマ店主は店の奥から何かを取ってきてくれた


「これよ。 バニースーツには付き物でしょう?」


「おぉぉぉっ!! これはウサ耳!!!」


 俺とオカマ店主はガッシリ握手を交わす


 それを冷ややかに見ていたキラ様が言い放つ


「アッホくさっ。 ヌシらの頭どうかしとるわ!」


 バニースーツを買った俺達は店主の計らいでウサ耳を付けて貰い

 サーカス団になるための大きな第一歩を踏み出した。


「これで第一の目標はクリアした。 後は皆でビラ配りをしよう」


 6日間で計12回公演する宣伝をすれば、見に来てくれるお客さんは大幅に増える


「急いで準備するから大変になるけどいいかい?」


 複雑な気持ちでニーアは答える


「期日を過ぎて返済を出来ないなら私は奴らの好きなようにされてしまう。 本望ではないが……この一週間身体は張らせてもらうつもりだ」


「オーケー。 なら今日はチラシを作って、夕方位から別れてビラ配りをするよ」


 俺達は急いで準備にかかった。取り合えず時間がないので簡潔に分かりやすく明日からの公演に間に合わせるように動く。

 そして作り終えた俺達は東側と西側に別れてビラを配った。


 翌日の朝から俺は宿屋でマジックカード、マジックボール 魔法のステッキ 魔法のハンカチ等を準備し万全の常態で挑む。


「はー。 楽しみだな、ニーアちゃんのバニー姿!」


「オヌシは昨日からそれしか言っとらんな……」


「ちゃんとニーアちゃんの姿を見れなかったからさ」


 俺は今日の公演の中で手品をやりながらニーアちゃんの食い込んだお尻をみようと心に誓う。そう思うと思わず笑みが溢れる


「ぐへへ」


 鼻の下が伸びきったユウキの姿にキラ様は拳を見舞う


「オヌシの考えてる事は駄々漏れなんじゃぁ!!!」


  どごおぉぉぉぉぉっ!!


「ぐべぇぇっ!!!」


「しっかりせぇ。返済がかかっとるんじゃぞ!!」


「ずび……ませ……ん」


 こうして顔を腫らせて公演に向かう。


 現地に行くと待ち合わせの時間より早く着いたニーアが落ち着かない様子で待っていた。


 公演準備をテキパキと進めるユウキに何をしていいか分からず戸惑うニーア。ユウキは優しい言葉で彼女の緊張を(ほぐ)


「今日からバニー姿になって仕事をしてもらうけど大丈夫。 ニーアちゃんには僕の助手をやってもらうだけだから」


「そ、それだけで本当にいいのか?」


「うん。 大丈夫だよ。 それだけで会場は盛り上がるから。 あとニーアちゃんにはこれを付けて欲しい」


 俺はニーアと彫られたネームプレートを渡す


「これを左側の腰に着けておいてほしい。 お客さんは喜ぶから」


 よく分からないといった様子だったがそれに従うニーア


 キラ様にも身体には大きめのネームプレートを着けて貰う。


「さぁ。 もうそろそろ時間だ。 楽しんで来ようニーアちゃん!」


「はいっ! ユウキさん」


 俺達は集まった人達に前に行き、ショーを披露する


 始めにコミカルなダンスを躍りで注目を誘う


「なんだあの不思議なダンス!見たことないな!」


「どうやって身体は動いてるの?コンニャクみたいー」


 続けて作業台の上に置かれていたマジックボールをニーアちゃんに取ってきて貰う。


 バニースーツで働くニーアちゃんの姿に男供は目が釘付けになる。その中からは声援も貰う


「ニーアちゃん可愛いよ!!」


「ニーアちゃん最高!!」


 緊張をしたニーアちゃんはついマジックボールを落としてしまう。


「あぁっ!!」


 慌ててマジックボールを拾うニーアの姿は公演してる方にお尻を向ける形になるので、男供もテンションもマックスになる


 そして会場が一気に盛り上がる


「おおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」


「最高だよぉぉぉぉニーアちゃん!!!」


「お尻最高おぉぉぉ!!!!」


 声援で気付いたニーアは慌ててお尻を隠す


「あっ……あまりじろじろ見ないで……欲しい」


 ドォォォォォォォォォォォォォンンン!!!!


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」


 男供の考えてることなんて皆同じなようなもんだな。会場が地鳴りのように盛り上がる


 それを見てキラ様は言い放つ


「気持ち悪い連中じゃなぁ! 吐き気がするわぁ! ぺぇっ!!」


 30分程の公演だったが初回から最高の盛り上がりを見せた。次々と賽銭が箱の中に入れられていく。


 俺はニーアちゃんにぽんっとマジック帽子を出し、別に男供の周りを回ってきて欲しいと頼む。それをニーアはお客さんにありがとうと言いながら回ってく。しかし逆にお礼を言われるニーア。


「ニーアちゃん最高だったよっ! ありがとういいもの拝ませてもらったよ!」


「天使みたいに可愛かったよニーアちゃん!!」


 マジック帽子の中に次々と賽銭を入れてくれる男達。可愛い女性には財布の紐が緩くなるよなぁ男って。


 怪しい服屋のオカマ店主も公演を見に来てくれたみたいで賽銭をニーナに渡してアドバイスをくれる


「女は見られて美しくなるの。 これから精進しなさい」


 そう言い満足そうに笑顔で去っていった。


 最後に一人の小太りの男がニーアちゃんの両手を握りしめ賽銭を渡してくる


「さ……最高だったよ! ニーアちゃん!! 綺麗な……おっ、お尻も最高だった」


 興奮した男に流石にニーアも本音を漏らしてしまう。しかも握られた手はかなり汗ばんでいたからだ。


「ひっ……ひぃ! 気持ち悪い!!」


 慌てて手を払うニーア。それを横から見ていたキラ様が男に飛びかかった。


「気持ち悪いんじゃぁ! この下衆がぁ!!!」


 ドゴォォォォォォォォォォォォォッ!!!!


 容赦ないキラ様の拳が小太りの男の顔にめり込むようにヒットする


「ブヒィィィィィィ!!!」


 ぶっ飛んだ小太りの男は、数回転したのちにすぐ体勢を立て直して土下座をする


「さ、最高のご褒美です! ありがとうございます神の使いキラ様ぁ!」


 そう言って喜んで去っていく姿を見て、キラ様も流石に呆気に取られていた。


「………寒気が走ったわ」


 今回の公演で俺達サーカス団の噂はあっという間に広がった。

 すごい道化師が来ているという噂と、天使のようなエロ可愛いバニーちゃんが助手にいるという噂。それからは連日お客さんは増えていき想像を遥かに越える反響になった。


 こうして俺達は12回の公演を終えて無事にノルマは達成したのだった。















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