正体(2)
『やったな』『やったね』『やったわ』
『『『これで自由に動けるようになった』』』
それぞれの顔が言葉を発する。
『…貴様が元凶か?』
鋭い視線を送る時雨に、ソレはケタケタゲラゲラ笑う。嗤う。
『元凶であって元凶でない者、それが我らだ』男が話す。
『宿主の負の感情に僕らは呼ばれた』少年が話す。
『あの子が願わなければ私たちは生まれない。そして、願ったがためにあの子は死んだの』女が話す。
『『『宿主は願った。憎き相手がいなくなるように。だから彼女はここに呼ばれた。』』』
『…なるほど。
そんな小さき願いを叶えるために、我が花嫁は殺されかけたというわけじゃな?』
確かに、憎悪の感情を剥き出しにしてかかってきおったが…
たかだかそれだけの為に命を捨てたというわけか。
『…願わなければ生きられたのにの…憐れな。』
まぁ良い。あの子にこれ以上災厄が降り注がぬのならば。
『…でも、まだ願いは叶えられていないよ。あの子は消えていない。死んでいない。』少年がにやにやと腹の立つ笑みを浮かべながら言う。
『私たちに構っていていいの?』
『…ふんっ。
貴様らに事の流れを聞くまで生かしていただけのこと…
それさえ聞ければ、あとはどうでも良い。』
時雨は自身の足に巻きつくそれらを炎で焼きはらい、斬り付けようとした。その時!
『我らに手を出せばあの娘は死ぬぞ!』
『!?』




