戦闘
刀を持ち、目の前の敵に向かい走り出す。
相手は瞬時にそれに反応し、触手で串刺しにしようとしてきた。
『なかなか反応速度が速いの…じゃが。』
向かってくるそれを片っ端から切り落とす。
切り落としたソレはまるで蜥蜴の尻尾なようにのたうち回ると動かなくなった。
切られた本体は声にならない叫びをあげるが…
それでもなお、攻撃はやめない。
『鬱陶しいの。
この触手…焼くか。』
時雨は左手を敵に向ける。
するとそこから炎の玉が現れ、敵に降りかかった。
肉が焼ける臭いがする…
それはいつ嗅いでも慣れないものであった。
…これで、敵の戦力は粗方削ぎ落としたかの。
敵は焼けながら、爛れながら、なおも残った触手で抵抗している。
こうも抵抗されては埒があかぬ。
時雨の纏う空気が変わった。
それに反応し、恐怖を感じたのか…
敵は残った触手を瞬時に動かし、時雨を潰しにかかった。
『ーーー…遅い。』
ダンッ
時雨は体を捻らせながら天井に足がつくほど高く跳躍する。
そして天井を力強く蹴り、さらに加速し…
『終わりじゃ…!』
呪われた刀で本体を二つに切り裂いたのだった
『ーーーーーーッ!!!!!!』
声にならない叫びを放ち、そいつはなおものたうち回る。
時雨はソレに氷のように冷ややかな視線を送りながら問いかける。
『…其方は、なんじゃ。
何故、あの子を襲う。』
『ーーーア…
アァァァアアァァァアァァァアアアアアアアアァァァアァァァアアアアアァァァア!!!!!!!!!!!!!!
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あの子が、憎い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
ソレは…闇に取り込まれていたその女は…
這いずるように、体を動かしながら
ただただそれだけを、その呪いの言葉だけを口に出す。
『…もはや、正気も保てぬか。』
取り込まれすぎたこの女は、人としては生きてゆけぬ。
…止むを得まい。
『ーーー…喰らえ。』
そう声をかけると、目の前の敵から漏れ出ていた妖気は時雨が持つ刀に吸い寄せられるように消えていった。
『あぁぁあぁぁあぁッ
いや、いやだ、嫌だ…ッ
し、しししし死にたくないぃぃい!!!』
先ほどまで正気を保てなかったその女は、恐怖を感じたのか…
今度は必死に時雨から離れようともがいている。




