真夜中の公園
気が付くと、家の近くの公園にいた。
家までは、そのまま歩道を進めば、10分とかからず着く。
正宗は気付かなかったが、時間は既に深夜零時を回っている。
健脚も疲れには勝てない。
重い足取りに歩みは遅く、いつもより時間がかかっていた。
歩道にはバリケードがかかっている。
朝はバスを使っているので、気が付かなかった。
そう言えば、部員の一人が道が封鎖されていて、迂回のため登校が遅刻ギリギリだったと騒いでいたような。
他の委員も、昨夜の大型台風の被害は大きい、などど騒いでいたような。
バリケードの奥には土嚢が積まれ、少し水が溜っているようだ。
横の看板には、冠水のため工事中。
ご迷惑をおかけします。
と工事現場員のキャラクターが、頭を下げている。
車道を挟んだ向かい側の歩道は、封鎖されていないようだ。
だが、中央分離帯有りの片側二車線、合計四車線は広い。
信号もなく、横断歩道を渡るには少し戻らなければならない。
渡る気にはなれなかった。
億劫だった。
歩道を行けば一直線、公園の中を通ればコの字になるが、10分ほどしか変わらないだろう。
正宗は、深夜の公園へと足を踏み入れた。
少し遅れて、人影が一人、人気のない公園へと足を踏み入れた。
双眸はセーラー服の背中を追っていた。




