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肉弾×白兵×遠火×魔戦  作者: 夏目義弘
37/62

女性視点(ガールズ・サイト)

 翌日。

 式典、倶楽部紹介が終わった後は、いよいよ授業の開始だ。

 オウマは、登校、午前授業、昼食、午後授業、風紀委員の助太刀をこなした。


「皇眞さん、助太刀の公務は本日は終了です。ありがとうございました」

 風紀委員会の執務室で、房代が丁寧に頭を下げる。

 たわわのみわわの胸が、以下略。

 風紀委員と助太刀は相棒バディ制だ。

 オウマは見習い助太刀でありながら、中等部から風紀委員を務めている房代と組むことになった。

 風紀委員長、塚原正宗の鶴の一声で、それは決まった。

 房代は性格的に荒事を嫌う。

 そのため房代の助太刀は空位だった。

 そこに頑丈さを見込まれたオウマが割り当てられた。

 剣ではなく盾としての、人員配置である。

「今日も何事もなく、良かったですね」

 房代が笑みを見せる。

 担当区域の巡回でも何事もなく、投書箱にもこれといった投書は無かった。

 学院は平和である。

 事件・事故はゼロ。

 そう報告書に記入する瞬間が、房代は大好きだった。

 巡回が空振りに終わろうと、投書箱が空だろうと、何事も無い方が良いのだ。

 風紀委員は抑止力。

 それだけの役目で十分だった。

 武力である助太刀に、上機嫌で声を出す。

「皇眞さん、後は私がやっておきますね。部屋の鍵も施錠後、返却しておきます。本日の公務は終了です。お疲れさまでした」

 濃紺の制服に頭を下げる。

 濃紺は学院内では、少数派なので目立つ。

 目立つそれを青紫が連れている。

 巡回時には、かなり目を引いた。

 濃紺にはかなりの数の、好奇、軽蔑、侮蔑の視線が向けられていた。

 注意できるほどの悪質性は無いが、その選民思想に房代は、ムッとした。

 何か言おうと前に出ようとする度、皇眞に制された。

 手を伸ばして阻んだ皇眞に、視線を向ける。

 嘲笑さえ受けていた濃紺は、無言で口と目を細めた笑顔で、首を横に振っていた。

 この人は、なんて器が大きいのだろう。

 房代は苛立った自分の矮小さを恥じた。

 助太刀なんて今まで不要だと思ってたけど、この人となら、皇眞さんとなら上手くやっていけそう。

 流石、正宗様が直々に助太刀に採用された方。

 素敵。

 正宗様の人事センス、素敵すぎる。

 房代は、両手を顔に当てて、その度うっとりしていた。


「分かりました、それではまた明日。失礼致します」

 オウマは合わせて、うやうやしく頭を下げる。

 昨日も巨乳、今日も巨乳、そして明日も巨乳。

 ビバ巨乳。

 そこにそれが存在するだけで、そこにいるだけで、オウマは幸せだった。

 後は、もろ肌と、肌触りと、肌匂いと、肌味だ。

 期待に胸が躍る。

 何やらバディ制度とかで、房代と自分は二人一組なのだ。

 チャンスは無限大に近い。

 思春期の男女だ。

 何が起こってもおかしくはない。

 偶発的な事故的な幸運的なイベントが起こっても、おかしくはない。

 またその発生確率は、接触頻度、一緒にいるのが多ければ多いほど高くなる。

 巡回中のゲリラ豪雨での雨宿り。

 張り付いたシャツに、透けた下着。

 冷えた身体にシャワーイベント。

 間違ったフリして、扉を開けるなどなど。

 うひょー。

 オウマは想像だけで飛び跳ねたくなった。

 魂が削られるほど勉強させられ、入学したかと思えば初日から暴行を受け、下校時にはぶん殴られ、翌日には竹刀でしばかれ、保健室では黒こげになりそうな電撃を受ける。

 そんな不登校一直線な生ゴミ学院生活が、房代と組んだだけで、バラ色に変わった。

 学校に来るのがこんなにも楽しくなるとは、夢にも思わなかった。

 だからこそ、あえてもう一度言おう。

 ビバ巨乳。

 巨乳は正義、大正義。

 巨乳の前に巨乳無し、巨乳の後に巨乳無し。

 巨乳の側は誰にも渡さねえ。

 明日も明後日も未来永劫、俺のモノじゃー!!

 ぐははははは。

 執務室を退室したオウマは、高笑いを隠し切れそうになかった。

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