-battle1-
「あれっ?ユウヤじゃねーか!相変わらず帰宅部してんのか?」
「あら、シュースケ。バスケ部員も大変ねぇ、ウフフ」
「そして相変わらずオカマしてるんだな」
「まぁねぇ」
「…頑張れよ」
「持つべきものは理解のある親友ねぇv」
「語尾にハートをつけるなよ。……なぁ、今からでもバスケ部入る気ねぇか?」
「アナタそればっかりね。あたしは今それどころじゃないのよ」
「恋か?」
「恋よ」
「じゃあ、仕方ねぇな」
「分かってくれて、ありがとう」
-battle1-
がぁんっ!
衝撃音が木霊する。ゲタゲタ笑いながらそいつは宙に浮きあがった。
「やるねぇ、ぼうや」
どう見てもブリキの人形のはずなのに、動き、笑い、攻撃してくる。担任の男(名前は知らない。姫以外の人間に大して興味はない)くらいは身丈があるだろうか。耳障りな声は、不思議にどこにも反響しない。夕闇に吸い込まれるように消えていく。
こいつで何体目だろう?僕は何だかお腹が空いてきた。
「空腹なう」
「?」
怪訝な表情(気配?)を浮かべるブリキ。
「まぁ君にはわからないだろう。わかったところで」
「意味なんて無いし」
がつん!首を上から叩き折る。絶命の息を吐くこともなく、おもちゃに戻るブリキ。少しずつ、手ごたえが上がってきているような気がする。今はまだ余裕があるけれど、近く、危険な何かが起きそうな・・・、言い知れない胸騒ぎを覚える。
ごろん、がろん。ごち。無骨な音を立ててブリキの首は転げ、廊下の壁で停止する。僕は携帯をポケットから取り出し、呟いた。
<止めたなう。あとは明日にしよう>
姫にはこれで伝わる。