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第7話:説明、そして…

どうも、格孤です。


前回までのあらすじ…

主人公の菅野ゆりは、高校の入学式の帰り道で、でっかい怪物に襲われる。今は、その場を助けてくれた相馬正人先輩の家でオレンジジュースを飲んでいます。


宇宙生物とはなんなのか?

また、相馬先輩は何者なのか?


…本編を、どうぞ!


「あれは…宇宙生物だ。」


「 …え…?」


…え、え、な、なんて?


「まぁ、宇宙人って呼んでも大丈夫だと思うけど、少なくとも人の形ではないから、僕がそう名付けたんだ。」


「…う、宇宙…人…?」


ま、まさか…そうくるとは。


「…うん。そう。ほら、やっぱり信じられないでしょ?」


「い、いえ…えっと…」


まぁ、そりゃぁ信じられないに決まってる。しかし、それはちょっと前の私だったら、の話だ。


ちょっと前の私だったら。突然変態未遂の男にこんな話をされたら、絶対に信じなかっただろう。


…だけど、少なからず私は実際に、地球上には存在してそうにない怪物に襲われそうになるという経験をしている。


あれがなんなのか、って言われて、「宇宙人だ」って言われても、特に私は違和感は抱かないはずだ。

なんせあんな正体不明の生物だ。なんと言われようが、事情を知っている者からの情報を信じてしまうのは当然の事だろう?


「…え、ほ、本当に…宇宙人、なんですか?」


「うん…あ、いや、確証はないよ。ただ、地球上に存在していない生物だったらしいから、勝手に宇宙生物って呼んでるんだ。」


「え…へえ…」


それは、まぁ…そうだろう。あんなものが地球にいるなんて考えもつかない。…じゃあ、本当に宇宙人なのか…?

って、あれ?


「え…『らしい』…とは?」


一瞬、相馬先輩の顔が曇る。

え?聞いちゃいけない質問だった?

しかしすぐまた、元の優しい表情に戻る。


「…それは、話をもうちょっと進めてから話す事にしても、いいかな?」


それは…まだ話は長くなるって意味かな?


「あ、はい。構いません。ぜんぜん…。」


そう答えると、またニコリと笑う。


「えっと、さっきの話に戻るよ。…そう、ゆりちゃんをここまで運んできた理由だったよね。」


「えぇっ!?ゆりちゃ…あ、ひゃいっ!お願いしますっ!」


な、なんでいきなり名前で!?び、びっくりしたな、ゆ、ゆりちゃんなんて…小学校以来だよ…

この人といると、無駄に心臓に悪い事が起こるなぁ…もう…


「悪いけど、僕ってそんなに親切な人じゃなくてさ、もしも襲われてたのが君じゃなかったら、多分助けたりはしなかったと思う。助けたとしてもここまで運んできたりはしなかっただろうね。公園のベンチに寝かせておくとか…」


「え、そ、そうなんですか?…」


えっ…つまり、それは…どういう…?


「つまりね、君だからこそ助けたんだよ。人助けのためとかじゃなくて、君の存在

自体が大切だったんだ。」


…ふぇ?


…え、ええぇぇぇええっぇえええ!?

えと、え、それって、え、つまり、こ、コクっ、告白…!?

え、なんで!?なんでいきなり!?え、ちょっとまって、落ち着け私ーーっ!!


「ぇ…ぁ…あの…なんで、私、なんですか…?ぇ…っと、さっき…会ったばっかり、なのに、ぇっと、ぁの…その…」


あれぇー!?ダメだ、頭が混乱して…うまく言葉が出てこな…


「会ったばかりもなにも関係ないよ。君は、あの生物を見る事ができたんだ。理由なんかそれだけで十分だよ!」


………。


…ぅん?

またあの怪物が関係してくるのか?あれ、なんかおかしいぞ?え、もしかして、…なにか勘違いしてる?私。


「えっと…それは一体どういう…」


…意味ですか?


「えーっとね。話すと少し長くなるんだけど、とても簡単に言うと…」


相馬先輩は、しばらく手をあごに当てて考え、やがて顔をあげるとこう言った。


「えっと、実は宇宙生物っていうのは、僕たちが普段暮らしている世界には視覚化されていないんだ。それを見る事ができる才能を持った人は、世界中を見渡しても少ししかいないらしい。僕にはその才能がないから、特殊なガラスを通してじゃないとどこにいるのかわからないんだ。」


…はぃ?

いきなり難しい話を始めたけど…


「…それは、私だからこそ助けたって事になにか関係があるんですか…?」


「ん?だって君は、あの生物が見えたんだろう?」


「え…?は…はい。それが…なんなんですか?」


「つまり君は、世界中を見渡してもなかなかいない、宇宙生物を肉眼で見る事ができる才能を持った、非常に貴重な存在なんだよ!」


先輩の目は、興奮からか?微妙に輝いていた。


「………。」


あぁ、なるほど。


…だから、つまり、どういうこと…?


「宇宙生物っていうのは、地球にいるととてもまずい存在なんだ。人の目に見えないから、さっきみたいに物が壊れたりしても、原因がわからなくなってしまうからね。」


「……確かに…そうですね。」


なにを言ってるのこの人…話が見えない…


って、あ、まさか…?


「…それで、それを撃退するのが僕の仕事。でも、普段見えないからなかなか見つからなくてね…誰かうってつけの人材を探してたんだ。」


話をそこで一旦切り、ちらりとこちらに視線を向ける。


そこまで言われれば後のことは誰だって予想がつく。

…つまり、この人は、私だからこそ助けたっていうのは、私がその『うってつけの人材』だったからだと言いたいわけで…

私をここまで連れて来たっていうのはつまり…


…そんな風に考えている私を見て、私の考えを悟ったのか、ニッコリと笑って、


「……飲み込みが早くて助かるよ。」


…と、言った。


「僕の仕事を手伝ってくれないか?」

第7話、お読みくださりありがとうございます。


今回は、宇宙生物のことや、このおはなしのことがちょっぴりわかった回でした。


次回も若干説明の回です。


次回、相馬先輩がちょっとだけ黒の一面を見せます!


では、また次回お会いしましょう!

格孤でした!

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