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第5話:混乱

いらっしゃいませ、格孤です。


どうやらほんのちょっとR15(?)かもしれない場面があります。

ご了承ください。


さぁついに、事件が起き始めました。

主人公は一体どうなってしまうのか?


答えは、本編でどうぞ。


突然目の前に現れた生物は、

蛇のように長く、しかし熊のような体つきをしていて…あ、熊に蛇のような長い尻尾が生えて、熊の首から頭にかけて、ビヨーンと前に伸びたみたいな…

でも体毛はなく表面はツルツルでクラゲのような感じだ。

しかも体長3mはあるだろうか、とっても大きい。


「…ど、どこから落っこちてきたのこれ…!?」


とりあえず上を見上げて見る。


「!」


なんと、私の目の前にある5階建てぐらいのマンションの屋上の柵が、破り壊されているではないか。


「…も、もしかして、あ、あんな所から!?」


……………!


…あ、危なかった…もし今、歩き出そうと立ち上がっていなければ、この縁石ごとぺっちゃんこになっていたところだった…



この生物のことを大丈夫か、なんて気にかけてる余裕は今の私にはない。なんせ危うく死ぬところだったんだ。


「……はっ…はぁっ、はぁっ…!…」


…呼吸が乱れる。


怖い目には今まで何度も会ってきたから、こういう事が起こったら、常人よりは冷静な対応ができると思っていた。

それなのに……


「…ぅ……」


へなへなと地面に座り込んでしまう。


「危うく死ぬところだった」と考えると、安堵からか目の前の見たこともない生物への恐怖感からか、自然と足腰の力が抜けてしまう。



何でだろう、目の前にいる見たこともない生物は、高いところから落ちてきたために倒れこんで動かなくなっているのに、なんとなく恐怖感を感じる。


「ウェアァァアァ…!!」


「ひゃっ…!?」


突然その生物が頭だけを起こして唸り声をあげたため、思わずとっさに耳を塞ぎ、座ったまま後ずさりしてしまった。


…こんな声聞いたこともないよぉっ…!!


その生物は、力が抜けたようにズドンっと頭を地面へ落とす。


…何なの、この生物は…?何でこんな住宅街にいるの…!?なんであんなところから落ちてきたのに生きてるの…!?


いろいろな考えが頭をめぐり、ダメだ、ついにパニック状態になってきた。


今まで…始めての高校だからって、ワクワクしたりしてたのに…自己紹介で噛んじゃったりしてたのに…変な人に絡まれたり、恋がどうとか考えたり、妄想したりしてたのに……普通の日常だったのに…ッ!!

なにこれ!いきなり出てきて…私の日常を壊さないでよぉっ!


「…ぃ…や、だ…ッ!!」


一体なんなのこれ!?

こっちは動けないんだから、そっちが動いてよ…!

なんで周りに人が誰もいないの!!

怖い…怖い…!怖い…っ!!


「ブオオオォォォォ!!」


「ひっ!…ぃ…」


叫び声をあげたと思うと、倒れた状態から、まるで下げた頭をあげるブラキオサウルスのように、ゆっくりと、それでも勢いよく立ち上がった。

まるで、屋上から落下してきて、さっきまで苦しそうにうめいてたのが嘘だったかのように。


立ち上がるととてつもなく大きい…まさに……怪物だ。


…そのまま怪物は、私の方を見た。


「ぃっ…」


もう声がほとんど出てない。

恐怖で絞り出た声も、かすれている。呼吸が正常にできていないんだ…


怪物の目は、蛇や熊のように鋭い獣の目ではなく、

顔の内部は眼球が大半を占めてるんじゃないかってくらい大きくて、まんまるで、白目は無く真っ黒で、まっすぐ私のことしか見ていなくて、それでいてなにも考えていないような…

生気が全く感じられない目だった。



…しばらく怪物と私は硬直していた。ただ私の方は怯えて絶えず体が震えていたが、怪物の方はピクリとも動かずただただ私を見ていた。


その吸い込まれそうな目にじっと見つめられると、時間が流れるのがとても遅く感じる。…もう何時間も経ったみたいに…。


「あ…れ…?」


すると突然、とてつもない眠気が襲ってきた。な、なんでいきなり、こんな…!?


寝ちゃダメだーー

…そんな気がする。寝たら取り返しのつかないことになりそうな…


しかし無情にも、眠気は次第に強くなっていき、くらっと景色が揺れたかと思うとーー…

地面にぱたっと倒れてしまう。


「ぅ…く…」


精一杯眠気と戦うが、まぶたはどんどんと重くなっていくーー…


ボコッ!


…突然、怪物の背中が膨らんで、泡が割れるようにその膨らみが割れたと思ったら、背中からとても細い、ヒドラのような触手のようなものが寝ている私に向かって生えてきた。


…なんだ…これ…まずい…起きなきゃ…。


しかし襲いくる眠気がそれを許さない。


そうしてるうちに、5本ぐらいの触手が私の体に巻きついていき、軽々と空中に持ち上げられる。


私…体重は38キロぐらいで軽い方だけど、その細いものたったの5本で私の体が持ち上げられるわけがないんだけどなぁ…あ…意識が……





「ひぁっ…ちょっ…」


どっ…ど、どこ触ってんの!?


触手が足と足の間まで入り込んできやがったっ…。

今まで出会ってきた変人たちの中でも、指折りの大胆さだなっ…。一瞬眠気が飛んだよ。


ぁ……でも…すぐまた眠く…なって…


…も…もう…ダメだ…



………




!?


諦めかけたそのとき、突然体が地面に叩き落とされた。

視界がぼんやりしててよく見えなかったけど、どうやら誰かが、私の体にまとわりついていた触手を切り裂いたらしい。



…そのあとのことはもう覚えていない。眠気に負けて眠ってしまったからだ。…ただ、眠りに落ちる寸前、その人は、倒れている私にこう言った。


「全く、まずいことになるってちゃんと警告したじゃないか…」

第5話、お読みくださりありがとうございます。


今回はいつもよりちょっと長くなった気もします。


やっとですね。

物語が動き始めました。

まだまだ最初ですが、これからも温かい目で見守ってくれると、とてもうれしいです。


次回!

なんと、ついに主人公の名前が判明します!(苦笑)


眠りに落ちる直前に聞いたあの声の主は…!?

そして、あのセリフはまさか…!?


舞台はその声の主の家です。


乞うご期待です!

次回も見てくれるとうれしいです


ではまた、第6話でお会いしましょう。


格孤でした。

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