第11話:一転、平和
どうも、お久しぶりです、格孤です。
すみません、いろいろな諸事情が重なってこんなに期間を開けてしまうことになってしまって…
しかも忙しいなか書いていた11話、これを一度何かの手違いで完全消去してしまって…
若干鬱になっていたのです。
さて皆様がみたいのは見苦しい言い訳でなく本文であると思うので、言い訳はここまでにしておいて、本編をどうぞ!
新しい学校での新しい生活が始まり、新しい高校での始めての数学の授業。
教室には、先生が黒板に中学の復習のような簡単な数式を書くカッカッという音と、それを板書する生徒のカリカリという音と、
「え~…であるからしてここが…」
先生の、ありきたりすぎるお言葉のみが、響きわたっている。
席順は名前順なので、私、管野ゆりはほぼ真ん中からちょっと窓際らへんの机に座っている。
…窓から外を見ると、白い鳥…あれは…ハト?いやハトではないか…の、大群が飛び去って行くのが見えた。
しばらくみていると、前のみんなを追いかけるように急いで飛んで行く白い鳥が見える。
…あぁ…
静かだなぁ…
流石に入学したてなだけあって、クラスの誰も授業を妨害するような真似をする人はまだひとりもいないみたいだ。
みんな集中して授業を受けている。
ずーっとこんな感じなら、先生方が悪ガキ生徒に手を焼くこともなく、平和にやってけるんだろうなぁ…
…まぁそんなことありえないんだけどね。
むしろ、ちょっとぐらいならそういう人がいたほうが、人間味のある学校生活を遅れるってもん…
「え~それでは…教科書の3ページの問題3番、やってみてください…」
…あ、また一羽遅れて飛んできた鳥が…
いや遅すぎるでしょ
あ~、あ~ぁ~…あれはもうもはや迷子だな。
まるで私みたいだ。
いっつもみんなよりも遅れていて…
必死でみんなのあとを追いかけるような。
………
急いでみんなを追いかけるその鳥は、なにか愛おしくさえ思えた。
「…はい。じゃあさっきの問題、わかる人黒板に出てかいてみてください…」
はっ、え、質問?
しかも立候補制?
「…………」
…以前として、いやむしろ、さっきよりも教室は、
……しーん……
…と、してしまっている。
…あぁ…
うん。
静かだ…
いや先生…まだみんなこの新しい空間に慣れてないんだから、そんな簡単に答えられる人いるわけないじゃん…
そういうときは指名しちゃったほうが…って、あ、
え?うそ…
…ひとりだけ手あげてる人いる…
「はい…じゃあ足立さん…お願いします。」
「はいっ!」
足立と呼ばれた女の子は、まるで遊園地でアトラクションに乗るために何時間も待たされて、やっと乗れるってときの子供みたいな、ニコニコした顔で、声で、大きく返事をした。
元気良く立ち上がって黒板の前まで行ったと思ったら、勢いよく黒板に文字を書き始めた。
…と同時に、クラス中から「おぉー…」と言う声が聞こえる。
カッカッカカカッカッ…
はぁー、よく恥ずかしくないなぁ…率先してそんなことして…尊敬するわ…
カカッカッカッカ…
……ん?
あれ、私の式間違ってる?
足立さんが黒板にかいてる式と全く違うんだけど…
え…ていうかあれ…
「…足立さん…」
「はい?なんでしょう?」
呆れた顔の先生に対して、足立さんはけろっとした顔で返事する。
「…それは問題2です。今は問題3を解けといったでしょう?」
「え、あ?あぁ!え~~…」
一瞬の沈黙。
「あ…3番はわかりません!」
けろっとしたままの表情で、答えた。
どっとクラスから笑いが起こる。
…なぜか本人が一番大笑いしている。
…いるんだよね。クラスにひとりはこういう人が…
教室が笑いに包まれてしまったので、先生もなにかおかしくなってきてしまったようで、笑いをこらえた表情で「静かに~!」と、生徒を注意している。
「ははは」
人前ではあまり笑顔は見せない私も、思わず笑みがこぼれてしまった。
あぁ~…
平和だ。
…こんなに平和だと…
昨日の出来事がまるで夢か幻のように思える。
前回までの意味不明な超展開から一転、いきなり学校生活です。
次回に、前回の続きを書かせていただきます。
どうぞこれからも、読んでいただければ本当に嬉しく思います…。
では…格孤でした。