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大樹

「どこから説明しようかな……」彼女は楽しそうに後ろで腕を組んでいたが、急にスキップを始める。


「エアリスさん」そんな楽しそうな姿に僕はつられるように優しい声で話しかける。

「なに?あっあと!エアリスでいいから」人差し指を自分の下唇付近に近づけ、楽しそうに指摘。


「ごめんなさい」笑いながら謝罪。


 なんだか不思議な人だ。敵意が全くないどころか人の心を惹きつける。人見知りの僕でも話やすい。

「それで?質問?何が聞きたいの?」エアリスは進行方向を向いて歩き続ける。


「エアリスってどこから来たの?」


「グレイピアってところ。この星からはかなり離れてるんだけどね」歩くスピードを落とした。


グレイピア……

どこなんだろう


 

「いいところ?どうしてこの星に来たの?」


「私のおすすめは、惑星が全部見える丘かな。他の惑星が半透明に見えて幻想的なところなんだ~」彼女はゆっくりした口調になっていく。


「この星に来た理由は、このキュベレー・アッティスが他の星では有名なの。有名な理由は……なんだっけ……いつかは忘れちゃったけど大きな戦争があったとき、エムって人がこの星を見つけ住みやすい環境にするために植えて、罪なき者たち全員の避難先にしたって聞いた事がある」


歴史とか神話にあったっけ?


僕は聞いたことのない歴史に耳を傾け続けた。

しばらく理解が追い付かないまま、とある場所に辿り着く。



「【朝の下】って場所だよ」エアリスは少し離れた切り株を指さしながら嬉しそうに話を変える。


切り株にエアリスは先に座った為、同じ切り株に僕は隣に座る。

時折吹く風と鼻から息を深く吸い込む空気に、嫌な冷たさが無い。

足元には柔らかい草。

少しばかりの土のにおい。

 

気持ちいい……


エアリスが簡単に世界樹の事を説明してくれた。



別名は世界(いのち)の樹で、幹の直径は約33km。

この大樹の特徴は、いくつかあるが有名な所で言うと、大樹の枝葉の真下には、一日の中に四季が巡る”特殊な時空”が存在することともう1つは果物が実ること。



エアリスは続ける

「果物は、例外はあるけど一口で食べきれなかったり安易に採ったり通り過ぎると栄養が断たれて腐敗するの」


「安易に採るって?」



「簡単に言うと独占しちゃダメって事」

エアリスは回答をしてくれた。

 

なるほど


心の中で納得し、頷いて返事をした。


「秩序を守るためで、ある意味この星で言えば「法律」に近いかも」


「呪いにも近いのかな?」

 

「それも近いかもね…言い伝えがあって、死ぬ事すら許されず自分の願った事は一切叶わず、起きて欲しく無いって事が簡単に起き続けるようになるって」


その言葉に背筋が凍る感覚。

「なんだか怖いね」


「そうかな?その法律を守りさえすれば、少し我慢すれば願いも叶うってことでしょ?」エアリスは不思議そうに付け加え説明を終え、立ち上がり手招きして歩き始める。

次回は、【2026年1月5日 22時30分】 に投稿いたします。


最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。


 まだまだ魅力に欠けていると思っております。

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