第1節:標的の選定と「外堀」の埋立
1.虚飾のインフルエンサー、パレル
キレイに舗装された通りを、
シュッとしたスタイルの女子が歩く。
毛先をワックスで遊ばせた、垢抜けたエモさ。
「この街は私の」的な勘違いオーラもトッピングw
パレルのSNSは、
キラキラした私立校の生活、ハイブランドの服、そして「優しくて有能なパパ、コウヤマ・マサツグ」への賛辞で溢れていた。
そのマサツグ本人も本アカでリツイート。やれやれ……
彼女のフォロワー数は30万を超え、いくつかのティーン向けメディアのアンバサダーも務めている。
しかし、その裏では、彼女に従う「郎党」たちを使って、気に入らない同級生を「公開処刑」し、その様子を限定公開の動画で共有して楽しんでいた。
「パレル様♪」
「ずっと一番カワイイ✨️✨️✨️」
「憧れですぅ♡」
彼女にとって、世界は自分の美しさを引き立てるための「背景」に過ぎなかった。
2.「社会的責任」という名の毒
ある日のコワーキングスペース。
ここに有志が集まった。
「よろしくお願いします」
「よ、ろし……く、おねがいします」
「会えてよかったです。蓮さん」
「皆さん、私も含めてですが、リアは違いますね♪お願いします」
蓮たちの復讐は、パレル本人を直接叩くことから始めなかった。
まず、蓮はパレルがアンバサダーを務めるコスメブランドや、彼女を特集した雑誌の「スポンサー企業」のリストをExcelで作成し、仲間たちとOfficeアプリでクラウド共有。
「今の時代、企業が最も恐れるのは、『コンプライアンス違反』と『教育的配慮の欠如』だ」
「そうそう」
「攻めるね」
「やる気上げよう!チィーーーズ☆」
「カンパ~イ♪」
みんな、
ホットドリンクで笑
*
「これ違くね?」
「とりまザックリ取っとこ、ね」
「……まぁ、いいよ」
「ねーねー!これどうかなぁ?」
「いんじゃね?」
「ワーイ☆」
蓮たちは、パレルが行ってきた悪行の証拠(動画、音声、LINEのスクショ)を、単なる「いじめ」としてではなく、「スポンサー企業のブランドイメージを著しく損なう反社会的行為」という報告書の形式にまとめ上げた。




