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適材適所が大切ですね

集落の守りが完成したので、次に安定した食糧の確保が課題となる。つまり、農業の充実だ。


早速バーモント村長と一緒に集落の畑を見に行くと、魔物の襲撃の影響と粗末な道具しかないこともあり、これが畑?と感じる狭い平地にわずかに野菜が植わり、その周りを雑草が生い茂っていた。


ふと見ると、マキバがのんびりと草をんでいる。領地からここまで、過酷な旅に付き合ってくれたマキバを眺めながら、他に家畜がいないかを探してみるが見当たらない。


「家畜はいないのですか?」と村長に尋ねると、魔物の被害で辛うじてニワトリが5羽と羊が3匹生き残っているとのこと。

「畑を整備して広げるのと、家畜を繁殖させて増やす必要がありますね」と村長に告げる。


『しかし、畑の整備と家畜の繁殖に加えて、集落の守りに、肉を狩るのも必要だし…。いくら魔法があるとは言え、全てを一人でやるのは無理だな〜』と考えていると『ピコン』と通知音が脳内に響いた。


『ギフト保持者の要望により【ロール(回転)】に派生解釈(役割)が解放されます。』とアナウンスが流れる。

『役割?何が出来るのかな?』と考えると、再び『ピコン』と通知音が響き、『人(物)が持つポテンシャルを感知し、適切な仕事(使い方)を示します』とアナウンスが流れる。

『お〜!それって鑑定魔法だよね』と新しい能力を喜び、「村長、獣人達を集めて貰えますか」と依頼した。



集まってもらった獣人達に「皆さんに適した役割を魔法で調べます。必ずしもその役割に従わなくても大丈夫ですし、嫌な人は調べませんので言ってくださいね」と告げると、役割の判別を拒否する者はいなかった。


「では村長から」と前に来てもらい【ロール(役割)】と魔法を唱える。

「村長の役割は…村長:まとめ役って今が天職ですね」と告げると嬉しそうに笑った。

「次は…」と周りを見ると「はい、はい」と明るくリナが手を挙げる。

「じゃあリナの役割は…」

「私の役割はお兄ちゃんのお嫁さんよ」と魔法を唱える前に宣言する。

私は笑いながら魔法を唱え「リナは…秘書だな」と伝えると「じゃあお嫁さんと秘書ね」と私に抱きつく。

それを見て涙ぐんでいる村長に『それで良いのか?』と心の中で突っ込んだ。



獣人達全員の役割が判明した。

農業と酪農に適正があるのが子供も含めて80人、狩人や剣士などが30人に商人や料理人など様々な役割があった。

その中で「羊獣人のハンマオは…鍛治士だな」と鍛治の適正を見せた。

今は設備がないが、将来的には工房を構えよう。

そして、一番困ったのが猫獣人達だった。

「え〜と…皆んなの適正は漁業だね」と伝えると「よ〜し、マグロにカツオも獲るにゃん。鰹節を作るにゃー」とテンションが爆上がりだが…南は魔の森、北は世界の壁と言われるハセースル山脈に囲まれたこの集落で、どうやって魚を??と思ったが、『頑張ってね』と喜んでいる猫獣人を温かく見つめることしか出来なかった。



その夜、眠ろうとすると「秘書のリナがお兄ちゃんのお世話をしま〜す」と飛び込んできた。

『夜中に秘書の仕事はない〜』と内心突っ込みながら、私は諦めてリナを寝かしつける。

すると、いつものように『ピコン』と通知音が響く。

『ギフトの使用数が規定に達しましたので、【ホール】の派生魔法【ファーム(農業)】が解放されます』




※現時点のギフト

ホール(穴掘り:空間含む)レベル3

    (ほーる)

   (集会所)レベル2


※派生ギフト

ホールド(保持)

ボール(球)

ウォール(壁)

ウール(羊毛:用途)

ポール(柱)

ロール(回転)

   (役割)

ファーム(農業)



※レベル特典

二重起動







流石にファームはこじつけが酷いと我ながら思いましたが、ご都合主義で書き始めたので今更ですね。

この後は更にひどくなると思いますし…


ヤギを羊に変更しました

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