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もう一つの最終話

これがラストのため、悪ふざけが過ぎてはちゃめちゃになっています。


魔神との闘いは、遂にベルゼブブを残すだけどなり、アナホルトはカーノセイとジャンヌ、マキバにまたがるヨルと共に、ベルゼブブと対峙していた。


魔神が放つ強烈な闇の攻撃は熾烈しれつを極め、アナホルト達も何とか耐え忍んでいたが、流石に限界が近づいていた。


「エルメストやケルベロスを倒した程度で、この僕に勝てるとでも思ったかい?では君達には本当の絶望と言う物を見せてあげよう」とベルゼブブが不敵に笑う。


「さあ僕の()達よ。真の姿を奴等に見せてやれ」と両手を宙に掲げると、それまで魔の森を覆っていた()がベルゼブブに集まり、ベルゼブブを中心に武人埴輪ぶじんはにわの姿をした大魔神がそこに現れた。


その大魔神が腕を一振りすると、周りの木々はへし折れて吹き飛び、アナホルト達は立っていることすら困難だった。


その巨大な姿にアナホルトとカーノセイ、そしてジャンヌにマキバにまたがるヨルはその場に崩れ落ちそうになる。

『ダメだ、あれは大き過ぎる。人の力で太刀打ちするのは無理だ…』と絶望感に打ちひしがれそうになった、その時…



「何だ、あれは?」と明るくなった空を見上げて最初に口にしたのはアナホルトだった。


「鳥か?」とカーノセイが呟く。

「ドラゴンかしら?」とジャンヌが続く。

「いや、あれは初号機じゃ!」とヨルが叫んだ。


「初号機が空を飛んでいる?!」とアナホルト達が呆然とその姿を見ていると、初号機がアナホルト達の近くに着陸し、中からハンマオが手招きをした。

「皆さん、こちらです。直ぐに乗り込んでください」


4人と一匹が初号機に乗り込むと、ハンマオが後ろにある一段高くなった椅子に座る。

アナホルトとカーノセイが前面の椅子に並び、ジャンヌとヨルは少し下がって左右に分かれた。


「初号機発進!」とハンマオが叫ぶ。

「「初号機発進します!!」」とアナホルトとカーノセイの声が重なる。

「レーダーに大魔神以外の敵影なし」とジャンヌが報告する。


そこに「なんじゃ、この茶番劇?」「ヒヒン?」とヨルとマキバの冷静な突っ込みが入った。



とりあえず危機を脱したアナホルトがハンマオに「初号機はどうやって飛んでいるの?」と尋ねるが、ハンマオは不敵に笑い「アナホルト様のギフト【オーム】(電気抵抗)(電磁場)の応用ですよ!」と謎の理論で誤魔化す。


「そんなことより、あの大魔神を倒しましょう!」とハンマオが「初号機をバトルモードに移行せよ!!」とアナホルトに告げた。



それを聞いたアナホルトが目を輝かせて、「チェーンジ!初号機バトルモーーード!!」と叫びながら目の前の赤いボタンに手を伸ばす。

『いちいち叫ばんとボタンも押せんのか?』とヨルの声が聞こえた気がするが、アナホルトは気にせずボタンを押した。


すると…初号機が垂直に立ち上がりその側面から『腕がとびだす ババンバン』…

そして、下部からは『足がとびだす ババンバン』と(ジーグな感じ)に手足が飛び出すと、上部から顔が現れた。


「「「「おー!!!」」」」と興奮するハンマオ達を横目に見ながら『コクピットからでは分からんじゃろが?』と再びヨルの冷静な突っ込みが入った。



そんな突っ込みは耳に入らずアナホルトがハンマオに「この初号機の身長は?」と尋ねると『身長57メートル体重550トン』と最早許されないであろう答えが返ってきた。


『いろいろと混ざっておるが、まあ…これが最終話じゃからな』とヨルが諦めの声を上げた。



初号機バトルモードを見た大魔神が驚き、青銅の剣を振りかぶって初号機に打ちかかる。

ハンマオが落ち着いて「背中の電磁サーベルで迎え撃て」とアナホルトに指示する。


『ブン』と鈍い音を立てる電磁サーベルで大魔神に斬りかかる。

大魔神が持つ青銅の剣をバターを切るように真っ二つにすると、大魔神が慌てて距離を取った。


「電磁けん玉で追撃せよ」とハンマオの指示が飛ぶ。

『何故けん玉なのじゃ?ヨーヨーで良かろう』と今更手遅れの配慮にヨルが呟く。


電磁けん玉の玉が大魔神の胸に当たると、鎧の一部が吹き飛び…核となるベルゼブブの姿があらわになった。


「電磁レールガンで止めを刺せ!」とハンマオから指示が飛ぶと横から「エネルギー充填120パーセント」とカーノセイが告げる。


「対ショック、対閃光防御!」とアナホルトが叫ぶ。

『レールガンに閃光は発生せんのじゃ』と最早諦めの呟きをヨルが吐いた。


初号機バトルモードがレールガンを構え「ターゲットスコープオープン。発射5秒前、4、3、2、1、発射〜!!」とアナホルトが叫びながら目の前のボタンを押した。




ーーーーーー




初号機バトルモードを解除して、アナホルト達はアナホルト村を目指して飛行していた。


やがて、遠くハセースル山脈のふもとにあるアナホルト村が見えてきた。


その姿を見ながらハンマオが椅子から滑り落ちる。

「艦長〜!!」とアナホルトがハンマオを抱き抱える。

『いつの間にハンマオは艦長になったのじゃ?それに奴は寝不足なだけであろうが!』と最後までヨルの冷静な突っ込みは続く。




ハンマオが今にも(眠気で)閉じそうな目でアナホルト村を見て呟いた。




「アナホルト村か…何もかも皆懐かしい」








これで終わりです。


ヤ○トのように復活編は…今のところ予定しておりません。

ここまで見ていただき、本当にありがとうございました。

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