白い天馬にまたがって
『風よ 光よ』とか『白い天馬にまたがって暗黒魔人をやっつけろ』とか入れたかったけど…ネタが古過ぎなので断念しました。
「鳥だ…」
「ドラゴンだ…」
「いや、ペガサスよ…」
と、誰かが言ったかどうかわからないが、ペガサスに跨ったアナホルトが空を駆けてカーノセイ達の元を目指していた。
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光の中から嘶きが響き、マキバが元気な姿を見せると…背中に生えた翼を羽ばたかせた。
「「え、マキバに翼が…?」」とアナホルトとリナが同時に叫んだ。
すると、天から『マキバの働きは神獣に至るのに相応しいものでした』と女神の声が聞こえてきた。
そして『神獣ペガサスよ、其方が封印の礎となるのです』と声が響くと「ヒヒン」と神獣ペガサスとなったマキバが嘶いた。
『アナホルトよ、妾が授けたギフトで、ベルゼブブの最後の足掻きを蹴散らしなさい』と女神がマキバとアナホルトを送り出した。
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天界では
「龍王ヨルムンガンドが幼児化したから、封印の決め手になる4面体の頂点を担う手段が無くなったと思ったけど…まさか神獣ペガサスを発現させるとはね!」と驚いていた。
「捨己救人なんて、今まで誰も解放出来なかったレアなギフトを駄馬に与えるなんて?と思ったら、まさか神獣に昇華するとは…ビックリだわ!」と感心していた。
「でも…マキバの働きを見れば、神獣になる資格は充分よね」と女神達が頷いた。
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そして冒頭に戻る
カーノセイ達を蝿が取り囲み、今にも宝珠プリズンの束縛が解けようとしていた。
「蝿よ急げ。神子が来る前に、束縛を解くのだ」とベルゼブブが焦って声を荒げた。
それを聞いたカーノセイ達が空を見上げた。
「見ろ、アナホルトが来てくれたぞ!」とカーノセイが叫ぶ。
「神子様が来るまで持ち堪えるのよ!!」とジャンヌも続く。
そして、アナホルトが跨るペガサスを見たヨルが「マキバじゃ。マキバがペガサスとなって来てくれたのじゃ!!!」と歓喜の声を上げた。
「さっさと使徒共を殺せ〜!」とベルゼブブが顔を歪めて叫ぶ。
しかし、アナホルトとマキバの姿を見て余裕が生まれたカーノセイ達は、ギリギリの所で持ち堪える。
遂にアナホルトがベルゼブブの上空に辿り着くと…
「【ブラックホール】」とアナホルトが女神から授かったギフトを使い、蝿を全て祓う。
「ベルゼブブよ、永久の牢獄に封印されるがいい」とアナホルトがベルゼブブを見下ろして告げる。
そして、「『テトラへドロン プリズン』」と唱えると、カーノセイとジャンヌ、ヨルが持つ宝珠プリズンと、神獣ペガサスを結ぶ正四面体がベルゼブブを包み込み、そのまま【ブラックホール】に吸い込まれていった。
その日、魔国のお祭り騒ぎは夜更けを過ぎても終わりそうになかった。
ヨルとリナは涙を流しながらマキバを撫で「もう2度と自分を犠牲にしては駄目なのじゃ」とマキバの生還を喜んでいた。
そんな姿を眺めるアナホルトに、魔王と皇帝が近づいてきた。
「アナホルトよ」と皇帝が話しかける。
「其方にはハセースル魔境伯として、侯爵の地位を与えていたが、今回の功績によりハセースル連邦国の元首として、朕と同じ立場であると公式に認める」とアナホルトを労う。
すると、魔王も「魔国もハセースル連邦を対等な国と認め、その元首がアナホルト殿と認めよう。但し、アリスとの仲を認めた訳ではない」と釘を刺すのを忘れない。
「それと、頼みがあるのだか…」と魔王がアナホルトを見て、「今回避難用に作ってもらった地下のホールだが、エクスチェンジと同じく商業施設として活用させてもらえないだろうか?」と願ってきた。
断る理由も無いので、魔国にも交易の中心となる施設が出来る事になった。
そして新たにトンネルを作り、魔国内の交通網を整備する計画を話し合った。
その頃、カーノセイとジャンヌは無事に使命を果たした喜びを分かち合っていた。
カーノセイがジャンヌに「ジャンヌのおかげで、俺はベルゼブブに殺されずに済んだ。ありがとう」と告げると、ジャンヌがキョトンとして「私が何かしたかしら?」と聞き返した。
「ベルゼブブの攻撃に殺られそうになった時、ジャンヌの顔が浮かんだら…何故か力が湧いてきたんだ…」とカーノセイがジャンヌの目を見る。
「バカ…それを言うなら私だって…」と真っ赤になるジャンヌ。
その時、2人の脳内に『ピコン』と通知音が響き、『2人には(馬鹿ップル)の称号を与えます』とアナウンスが流れた。
辺境開拓で、地下都市を作れば魔物の襲撃とか心配いらないかな?との思い付きだけで描き始めた本作ですが、何故か魔神が出てきて、封印するストーリーと全く想定していなかった話になってしまい…収拾がつかなくなりそうなので、次回を大円団として一旦完結させます。
2話ほどエピローグを付ける予定ですが、本作としては次回を最終話とします。
魔国の向こうにトンネルが通り、新たな冒険が始まれば…その時にはまたアナホルトの応援をお願いいたします。
後2〜3話くらいとなりますが、最後まで見ていただければ幸いです。
おちゃらけだらけの拙作をここまで読んで頂き、ありがとうございました。




