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みたか電磁の必殺の技

無数の魔物の群れが迫り来るアナホルト村に想いを寄せる。

下手をすれば、既に村は破壊し尽くされているかも知れない。

そんな不安を抱きながら「【ホーム】(帰郷)」でアナホルト村に転移したアナホルト達の目に飛び込んできた光景は…



「村を守れ〜」「アナホルト様がお戻りになるまで、1匹たりとも魔物を通すな!」「アナホルト様が作られたこの村を魔物どもに壊されてたまるか〜!!」と【ポール】(柱)の上で懸命に魔物に対峙たいじする獣人達の姿だった。


『なんで?皆んな避難したんじゃないの?』と首を捻るアナホルトに「安心してください。戦えない者達の避難は完了していますよ」とバーモント村長が声を掛けた。


「いや、危ないよ。皆んなも避難しなくちゃ」と言うアナホルトに「にゃ にゃ にゃ 水くさいにゃ。この村は、アナホルトの想いが詰まった村にゃ。この村はにゃー達の猫パンチで守り切るのにゃ!」と猫獣人が両手をクルクル回して言った。


「そうですよ。たかが魔物の群れ程度、追い返してみせましょう」と村の獣人達が声を揃えた。



「アナホルト。良い村を作ったな」と誇らしげにカーノセイ 注)兄バカ がアナホルトを見た。

「行くわよカーノセイ。私達の力を神子様に見せてあげましょう!」とジャンヌが魔物の群れに飛び込んで行く。

「もちろん。アナホルトはそこでゆっくり見ておれ」とカーノセイも続いた。



「右側の魔熊の群れは任せたぞ!」とカーノセイが怒鳴ると、「任せなさい。貴方は左側のオーガをよろしくね!!」

魔物の群れに向かって、2人の声が響き渡る。


「精霊魔法 エターナル パワー」

「剣神の太刀 『建御雷神たけみかづち』」


その力は凄まじく…

魔熊の群れは、ジャンヌの精霊魔法により切り裂かれ、オーガの集団は【剣神】の(ギフト)に目覚め、斬魔の剣クサナギを振るうカーノセイより斬り裂かれた。


 

その時、ジャンヌの前に頭がライオンとヤギで尻尾が蛇の魔物、キマイラが現れた。

ジャンヌの精霊魔法をヤギの頭が唱える呪文が打ち消し、逆にライオンの口から火の玉が吐かれ、蛇の口からは毒液がジャンヌを襲う。


「龍王の咆哮」の声が響き、ジャンヌに迫る火の玉と毒液がかき消えた。


「ヨルムンガンド様…助かりました」とジャンヌがキマイラから目を離さずに礼をいう。

「ヨルで良い。今のわれにはこれが精一杯なのじゃ。さあ、サッサとあのポチ公を始末するのじゃ」とジャンヌをしかける。


「わかりました。精霊達よ私に力を貸して!『風と火と雷の複合魔法サンダーインフェルノ!!』

すると、キマイラの身体を業火ごうかが包み込み、その業火ごうかの中を稲妻がはしりまわった。


業火ごうかに焼かれ、稲妻に貫かれたキマイラはそのまま倒れ伏した。




一方、カーノセイの前に現れたのは、ゆらゆらと宙を彷徨う不死王ノーライフキングだった。


実態を持たないノーライフキングは魔法で攻撃を加えて来るが、カーノセイの振るう斬魔の太刀でかき消され、カーノセイにダメージは通らない。 


しかし、カーノセイの斬魔の太刀クサナギによる一撃も、そのかすみのような身体をすり抜け、ダメージを与える事は出来なかった。


このまま持久戦か?と思われた時、突然カーノセイが何かに足を取られ、その場に転倒した。

『な、何が?』と足元を見ると、スケルトンの腕がカーノセイの足を掴んでいた。


そこにノーライフキングの魔法が降り注いだその時、「【ウォール】(壁)」の声が響き、カーノセイを取り囲んだ壁がノーライフキングの魔法を弾き返した。

そして、【ホーリー】(聖魔法)でスケルトンを排除していく。


「助かった、アナホルト」と声を掛け、カーノセイが再びノーライフキングに対峙する。

「兄さん。先程の戦いを見て気がついたのですが、ノーライフキングは、兄さんの斬魔の太刀から繰り出される斬撃を恐れています」とアナホルトがカーノセイに伝える。


「だが、斬撃は奴の身体をすり抜ける。恐らくは魔石も斬れないだろう」とアナホルトに応じた。


その時、アナホルトは前世で読んだラノベの知識から、『ノーライフキングは生命プラズマが否実体化している状態では?』と閃いた。


「兄さん、私がノーライフキングの実体を暴いてみせます」とアナホルトが両手を前に出した。

「【オーム】(電磁場)を発生させて、【ロール】(回転)を加えて…喰らえ『超電磁ス○ン!!』」と昭和全開のギフトを叩き込む。


すると、ノーライフキングの身体が実体を帯びた魔物の姿となった。


「兄さん、今です」とアナホルトが叫ぶより早く、「剣神の太刀 『建御雷神たけみかづち』」とカーノセイの斬撃が走り、ノーライフキングはかすみのように消えていった。


アナホルトは『ブイ ブイ ブイ ビクトリー!』と叫びそうな気持ちを抑え、「さあ兄さん…残りの魔物を追い返しましょう」と残りの魔物をにらんだ。



程なく、オーガキングとノーライフキングを失った魔物達は、魔の森に散り散り(ちりじり)に逃げていった。



「魔物達が逃げ出したぞ〜!!」

勝鬨かちどきを上げるにゃー」


無事に魔物を追い返したアナホルト村には、いつまでも獣人達の笑い声が響いていた。




そして…それを見ていた1匹のハエが闇に溶けた。




ーーーーーー




「エルメスト…王国側の守りは固いようだ」と魔神ベルゼブブが静かに告げた。

「ならば、魔国から攻めますか?」とダークエルフの女王エルメストがベルゼブブに問いかける。





「そうだな…先ずは魔国を滅茶苦茶にするのも面白そうだな」とベルゼブブがその美しい少年の顔で静かに笑った。









※現時点のギフト

ホール(穴掘り:空間含む)レベル4

    (ほーる)

   (集会所)レベル2

   (亜空間倉庫)


※派生ギフト

ホールド(保持)

ボール(球)

ウォール(壁)レベル2

ウール(羊毛:用途)

ポール(柱)

ロール(回転)

   (役割)

ファーム(農業)

オール(全て)(操舵)

エール(応援)

ホーリー(聖魔法)

ホーイ(方位)

モール(大型商業施設)

ホーム(拠点)

   (家)

   (プラットホーム)

   (帰郷)

レール(軌条きじょう

コール(こーる)

   (通話)

ホーニュウ(豊乳)…注)封印

フォーム(形状)

トール(雷神)…注)使用制限有り

ホーク(鷹の目)

オーム(電気抵抗)(電磁場)

ホーキ(放棄)

フォール(秋)




※レベル特典

二重起動



いつもの事ですが、ちょっとふざけすぎました。

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