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兄は兄として頑張る

「来るぞ〜!!」とジャンヌの声が響く。

「わかってる」とカーノセイが叫びながら3体のオーガに斬りかかる。

1体のオーガがその剣を棍棒で防ぎ、その勢いのままカーノセイに殴りかかる。

それを避けた所に別のオーガが襲いかかる。


「あぁ、何をやってる。オーガくらい一撃でやっつけろ」と、ジャンヌの叱咤がカーノセイに飛ぶ。

苦戦しながらも3体のオーガを斬り伏せ、水を口に含むカーノセイに「今の貴様では『神子様の使徒』になるには明らかに力不足だ」と容赦のない言葉が投げかけられる。


1体のオーガは上級の冒険者がチームを組んで討伐する魔物であり、それが2体いれば街中の冒険者で対応するレベルとなる。

そのオーガ3体を1人で倒し切ったカーノセイの力は、既に人間離れしていると言えるが…


「貴様も『神子様』の御力を感じたであろう。あの偉大な御力を持つ『神子様』の『使徒』が、オーガ程度に手間取るようでは…」とジャンヌが首を振る。


『わかっている。あのトンネルに『流星』と言う乗り物。そして、エクスチェンジと言う地下の街並み。全てが規格外だが、これを成したのは間違いなくアナホルトのはず』と自らの弟の顔を思い浮かべる。

『アナホルトであれば…オーガなど一撃に違いない。オーガどころか、魔熊やサイクロプスすら相手にならぬであろう』と冷静に推測する。


そして…その推測は正しいが、それでもアナホルトの力に対しては過小評価に過ぎなかった。


一息ついたカーノセイは「さあ、ハセースル山脈を目指して進むわよ」と言うジャンヌの声に導かれながら、更に深く魔の森に踏み込んで行った。



ーーーーーー



カーノセイが3体のオーガを倒すより少し前、ダークエルフの戦士ニグルは『流星』に乗り込みエクスチェンジに来ていた。


ニグルは、トンネルや『流星』、そしてエクスチェンジに脅威を感じていた。

『我らダークエルフの悲願、エルメスト様の野望の邪魔となるのは…』と、ここに来るまでに何度も聞いた名前を口に出す。


「アナホルトを排除する」


そこに「アナホルト様は魔の森を無事に進んでおるかのう」「お兄ちゃんなら大丈夫よ」「だけど、たったの3人で魔の森に入るのはやはり心配よね」と兎の獣人の親子の声が聞こえてきた。


『何だと、アナホルトが魔の森にいるとなれば、排除する絶好の機会』とほくそ笑む。

そして、車体の隙間に隠し連れて来たサーペントと、魔の森に入り込んだ。


「サーペントよ、アナホルト共はハセースル山脈沿いを進んでおるらしい。急ぎ追いかけるぞ」と先程の親子の会話から掴んだ情報をサーペントに伝え、魔の森の奥へと入っていった。


しばらく進むと、サーペントが何かを感じたようにその鎌首を持ち上げ、一つの方向を見据えた。

ニグルがサーペントを引き連れてその方向に進むと、辺りに血の匂いが充満し、3体のオーガの死骸が魔物に食い千切られていた。


見ると、そのオーガ共は剣で斬り殺されており、死んでから1日程度経っているようだった。

「オーガ3体を倒して素材の回収をしていない。冒険者ではないとすれば…見つけたぞ、アナホルト」とカーノセイ達をアナホルトと勘違いして、その後を追いかけた。




ーーーーーー



その頃アナホルト達は、魔の森の中で霧に包まれていた。

「ここが、エルフの郷への入り口となります」と言うエルフに付い行くと、突然視界が晴れわたり、それまでは見えなかった集落が出現した。


「お待ちしておりました。『女神の神子様』」の声がする方を見ると、一際美しく輝くエルフが立っていた。

わたくしはエルフの女王であり、世界樹の巫女たるニーベルングと申します」とひざまずく。


女王と聞いたアナホルトが慌てて「何故、女王様が私如きに…」と立たせようとすると、「貴方様は『女神の神子様』であり、この世界の希望に在らせられます」と熱く語った。


「いや、女神の神子様って?」と言うアナホルトに、「貴方様は既に一度、この世界を御救いになっています」とニーベルングが言い、「もし、魔国の状況があと一月続いていれば、この世界は完全な闇に包まれたでしょう」と静かに語った。


「やはりダークエルフは、魔神ベルゼブブを召喚するつもりなのかえ?」と黙って聞いていたヨルがニーベルングに尋ねる。

「龍王ヨルムンガンド様の仰せの通りにございますが、アナホルト様の御力により、完全体での召喚は阻止出来ております」とニーベルングが答える。


「して、魔神ベルゼブブは、どの程度の力を取り戻しておると考えておるのじゃ?」と重ねてヨルが問うと、「恐らくは6割程かと」と告げた。


われがこの状態では、6割の力とは言え魔神相手にアナホルト1人では荷が勝ちすぎよう」とヨルが言うと、「なればこそ、『神子様の使徒』をこちらに向かわせております。2人の使徒が試練に耐え切り、生きて(✴︎ ✴︎ ✴︎)この郷まで辿り着ければ…」と願うように窓の外を見た。





その視線の先には…世界を覆い尽くさんばかりの巨木がそびえ立っていた。












※現時点のギフト

ホール(穴掘り:空間含む)レベル4

    (ほーる)

   (集会所)レベル2

   (亜空間倉庫)


※派生ギフト

ホールド(保持)

ボール(球)

ウォール(壁)レベル2

ウール(羊毛:用途)

ポール(柱)

ロール(回転)

   (役割)

ファーム(農業)

オール(全て)(操舵)

エール(応援)

ホーリー(聖魔法)

ホーイ(方位)

モール(大型商業施設)

ホーム(拠点)

   (家)

   (プラットホーム)

レール(軌条きじょう

コール(こーる)

ホーニュウ(豊乳)…注)封印

フォーム(形状)

トール(雷神)…注)使用制限有り

ホーク(鷹の目)

オーム(電気抵抗)(電磁場)

ホーキ(放棄)

フォール(秋)




※レベル特典

二重起動


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