変なフラグが立ってしまいました
「アナホルト殿、この度は我が魔国の為に、ひとかたならぬご尽力をいただいたこと、このフレンコ感謝いたします」と頭を下げ、「しかし、アリスの件は別ですよ」と、私の手をつぶしそうな力で握りしめた。
私は「嫌だなあ魔王様。私とアリス様は何にもありませんよー」と冷や汗を拭い頭をかいた。
今日は、魔国と王国の国交を祝うパーティーが繰り広げられていた。
パーティーとは言え、魔国の食料は底をついており、王国から持ち込んだ支援物資から、ささやかな軽食が並べられただけの簡単なものだった。
しかし、王国への感謝を示そうと、心を込めたおもてなしが其処には溢れていた。
「しかし、あのトンネルと『初号機』と言う物は素晴らしいですね」と魔王が褒め称えた。
「ありがとうございます。しかし、あのトンネルはヨルの魔力が無くては出来なかったし、『初号機』もハンマオと言う優れた鍛治師の力による物で、私は少し協力しただけです」と謙遜して笑った。
すると「違うの。お兄ちゃんはリナを助けてくれて、村も救ってくれた凄い人なの」とリナが私に抱きついてきた。
「我が王国の発展は、アナホルト様を抜きにしては語れません。我が伴侶に相応しいお方です」とジョセフィーヌが続く。
「ご主人様は、命を賭して魔国を救った英雄です。私は、この身体も心も捧げる覚悟です」とアリスまで乱入し…魔王城では、今までの苦しかった出来事を吹き飛ばすかのような、明るい笑い声が絶えなかった。
ーーーーーー
パーティーの翌朝、魔王城ではアナホルト達と魔王が集まっていた。
「ところで魔王よ」と小さくなったヨルが魔王に話しかける。
「其方ならば、今回の異常気象の理由に心当たりがあるのではないか?」
「はい、ヨルムンガンド様」と魔王が頷く。
「恐らくではございますが、魔の森の奥に住むダークエルフの一族によるものと考えておりました」と答えた。
「しかし、私達魔人族でも、魔の森の奥地に入り込むことは困難であり、ましてやダークエルフは強力な魔力があるため、どうしようもなく諦めておりました」と項垂れる。
「やはりダークエルフが絡んでおるか。ハセースル山脈より魔国側の魔の森は、我の管理外じゃからのう」とヨルが魔王の言葉に頷く。
「だけど、何でそんなことを?」とアリスが尋ねると、「どうも、ダークエルフ達は秋だけ収穫できる特殊な何かを集めるために、魔の森の奥地を秋で固定したらしい。その影響で季節が固定され、魔国が真夏で止まってしまったようだ」と魔王が答えた。
「ダークエルフは何を集めていたのでしょうか?」とジョセフィーヌも疑問を投げかけた。
「それはわからぬが、何やら良くないことを企んでるらしい…」と、魔国側の獣人達からの情報を聞かせてくれた。
すると、それを黙って聞いていたヨルが「ダークエルフ達が集めていた『特殊な何か』とやらが、もしも『厄災のキノコ』であれば、ちと困ったことになるやもしれん」と呟き、「アナホルトと我は駄女神の奴に上手く使われたやもしれんな」と呟いた。
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「女王様、魔の森の季節が変わってしまい、『厄災のキノコ』の収穫が出来なくなりました」とダークエルフの兵士が女王と呼んだダークエルフに報告した。
「何じゃと。妾の結界を破れるのは、女神ジョセフィーヌしか居らぬはずじゃが、女神は地上の出来事には手出し出来ぬはず。まさか、女神自らが秩序を壊す【ファール】(ルール違反)を犯すとは思えんし…」と唇を噛んだ。
「まあ良い。それで『厄災のキノコ』はどのくらい集まったのかえ?」と先程の兵士に尋ねた。
「奴隷どもを動員して集めておりましたが、大半の奴隷が魔獣に喰い殺され、女王様のお求めの6割程度しか確保出来ませんでした」と頭を下げる。
「奴隷などいくら死んでもかまわん」と兵士を叱りつけ、「おのれ、後一月もあれば『魔神ベルゼブブ』様を完全な状態で召喚できるだけの『厄災のキノコ』が集まったのに。何らかの手段で女神の邪魔が入ったと見て間違いなかろう」と呟く。
「まあ、6割の状態であれ『魔神ベルゼブブ』様を止められる者は居らぬだろうがな」とニヤリと笑った。
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天界では、女神ジョセフィーヌが優雅にお茶を飲みながら、「今頃、ヨルは妾の狙いに気がついたら頃かしら。それに、女王エルメストも私が手を貸したことに気がついたでしょうね」とカップを持ち上げ、お茶を口に含んだ。
「しかし、エルメストも妾が手出し出来ないのを見越して、困ったことを仕掛けてきたものね。アナホルト…この世界の命運はあなたに任せたわよ」と静かにカップを置いた。
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そんなことが世界で起こっているとは、全く知らないアナホルトは…
「皆んな、自分のお布団で眠りなさ〜い!!」と叫びながらも、リナとジョセフィーヌにアリスの猛烈な攻撃に陥落寸前となっていた。
※現時点のギフト
ホール(穴掘り:空間含む)レベル4
(放る)
(集会所)レベル2
(亜空間倉庫)
※派生ギフト
ホールド(保持)
ボール(球)
ウォール(壁)レベル2
ウール(羊毛:用途)
ポール(柱)
ロール(回転)
(役割)
ファーム(農業)
オール(全て)(操舵)
エール(応援)
ホーリー(聖魔法)
ホーイ(方位)
モール(大型商業施設)
ホーム(拠点)
(家)
(プラットホーム)
レール(軌条)
コール(凍る)
ホーニュウ(豊乳)…注)封印
フォーム(形状)
トール(雷神)…注)使用制限有り
ホーク(鷹の目)
オーム(電気抵抗)(電磁場)
ホーキ(放棄)
フォール(秋)
※レベル特典
二重起動
無難に魔神ベルゼブブとしたけど…流石にふざけすぎと思い断念したが、本心では魔神ガーゼットにしたかった。
いや、ふざけすぎは今更ですが…




