表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/53

変なフラグが立ってしまいました

「アナホルト殿、この度は我が魔国の為に、ひとかたならぬご尽力をいただいたこと、このフレンコ感謝いたします」と頭を下げ、「しかし、アリスの件は別ですよ」と、私の手をつぶしそうな力で握りしめた。

私は「嫌だなあ魔王様。私とアリス様は何にもありませんよー」と冷や汗を拭い頭をかいた。


今日は、魔国と王国の国交を祝うパーティーが繰り広げられていた。

パーティーとは言え、魔国の食料は底をついており、王国から持ち込んだ支援物資から、ささやかな軽食が並べられただけの簡単なものだった。

しかし、王国への感謝を示そうと、心を込めたおもてなしが其処には溢れていた。


「しかし、あのトンネルと『初号機』と言う物は素晴らしいですね」と魔王がたたえた。

「ありがとうございます。しかし、あのトンネルはヨルの魔力が無くては出来なかったし、『初号機』もハンマオと言う優れた鍛治師の力による物で、私は少し協力しただけです」と謙遜して笑った。


すると「違うの。お兄ちゃんはリナを助けてくれて、村も救ってくれた凄い人なの」とリナが私に抱きついてきた。

「我が王国の発展は、アナホルト様を抜きにしては語れません。我が伴侶に相応ふさわしいお方です」とジョセフィーヌが続く。

「ご主人様は、命をして魔国を救った英雄です。わたくしは、この身体も心も捧げる覚悟です」とアリスまで乱入し…魔王城では、今までの苦しかった出来事を吹き飛ばすかのような、明るい笑い声が絶えなかった。


ーーーーーー


パーティーの翌朝、魔王城ではアナホルト達と魔王が集まっていた。


「ところで魔王よ」と小さくなったヨルが魔王に話しかける。

其方そなたならば、今回の異常気象の理由に心当たりがあるのではないか?」


「はい、ヨルムンガンド様」と魔王がうなずく。

「恐らくではございますが、魔の森の奥に住むダークエルフの一族によるものと考えておりました」と答えた。

「しかし、私達魔人族でも、魔の森の奥地に入り込むことは困難であり、ましてやダークエルフは強力な魔力があるため、どうしようもなく諦めておりました」と項垂うなだれる。


「やはりダークエルフが絡んでおるか。ハセースル山脈より魔国側の魔の森は、われの管理外じゃからのう」とヨルが魔王の言葉にうなずく。

「だけど、何でそんなことを?」とアリスが尋ねると、「どうも、ダークエルフ達は秋だけ収穫できる特殊な何かを集めるために、魔の森の奥地を秋で固定したらしい。その影響で季節が固定され、魔国が真夏で止まってしまったようだ」と魔王が答えた。


「ダークエルフは何を集めていたのでしょうか?」とジョセフィーヌも疑問を投げかけた。

「それはわからぬが、何やら良くないことを企んでるらしい…」と、魔国側の獣人達からの情報を聞かせてくれた。


すると、それを黙って聞いていたヨルが「ダークエルフ達が集めていた『特殊な何か』とやらが、もしも『厄災のキノコ』であれば、ちと困ったことになるやもしれん」と呟き、「アナホルトとわれは駄女神の奴に上手く使われたやもしれんな」と呟いた。



ーーーーーー



「女王様、魔の森の季節()が変わってしまい、『厄災のキノコ』の収穫が出来なくなりました」とダークエルフの兵士が女王と呼んだダークエルフに報告した。


「何じゃと。わらわの結界を破れるのは、女神ジョセフィーヌしか居らぬはずじゃが、女神は地上の出来事には手出し出来ぬはず。まさか、女神(みずか)らが秩序を壊す【ファール】(ルール違反)をおかすとは思えんし…」と唇を噛んだ。


「まあ良い。それで『厄災のキノコ』はどのくらい集まったのかえ?」と先程の兵士に尋ねた。

「奴隷どもを動員して集めておりましたが、大半の奴隷が魔獣に喰い殺され、女王様のお求めの6割程度しか確保出来ませんでした」と頭を下げる。


「奴隷などいくら死んでもかまわん」と兵士を叱りつけ、「おのれ、後一月もあれば『魔神ベルゼブブ』様を完全な状態で召喚できるだけの『厄災のキノコ』が集まったのに。何らかの手段で女神の邪魔が入ったと見て間違いなかろう」と呟く。

「まあ、6割の状態であれ『魔神ベルゼブブ』様を止められる者は居らぬだろうがな」とニヤリと笑った。



ーーーーーー



天界では、女神ジョセフィーヌが優雅にお茶を飲みながら、「今頃、ヨルはわらわの狙いに気がついたら頃かしら。それに、女王エルメストも私が手を貸したことに気がついたでしょうね」とカップを持ち上げ、お茶を口に含んだ。


「しかし、エルメストもわらわが手出し出来ないのを見越して、困ったことを仕掛けてきたものね。アナホルト…この世界の命運はあなたに任せたわよ」と静かにカップを置いた。



ーーーーーー



そんなことが世界で起こっているとは、全く知らないアナホルトは…



「皆んな、自分のお布団で眠りなさ〜い!!」と叫びながらも、リナとジョセフィーヌにアリスの猛烈な攻撃に陥落かんらく寸前となっていた。












※現時点のギフト

ホール(穴掘り:空間含む)レベル4

    (ほーる)

   (集会所)レベル2

   (亜空間倉庫)


※派生ギフト

ホールド(保持)

ボール(球)

ウォール(壁)レベル2

ウール(羊毛:用途)

ポール(柱)

ロール(回転)

   (役割)

ファーム(農業)

オール(全て)(操舵)

エール(応援)

ホーリー(聖魔法)

ホーイ(方位)

モール(大型商業施設)

ホーム(拠点)

   (家)

   (プラットホーム)

レール(軌条きじょう

コール(こーる)

ホーニュウ(豊乳)…注)封印

フォーム(形状)

トール(雷神)…注)使用制限有り

ホーク(鷹の目)

オーム(電気抵抗)(電磁場)

ホーキ(放棄)

フォール(秋)




※レベル特典

二重起動


 

無難に魔神ベルゼブブとしたけど…流石にふざけすぎと思い断念したが、本心では魔神ガーゼットにしたかった。

いや、ふざけすぎは今更ですが…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ