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遠くで汽笛をききながら

流星リニア』に汽笛はありませんが、気にしないでください…(笑)

「この娘を引き取ってくれぬか」とハセースル山脈から舞い戻って来たヨルが、いきなり娘をアナホルトに押し付けた。


すると、そのその娘の胸元を見たリナが、「ダメ。その女は私達の敵」とアナホルトの腕を掴んだ。


「いや、いきなり引き取れと言われても…」と、その娘を家に入れ、話を聞くことにした。

人型になったヨルとリナに挟まれた私は、ヨルが連れて来た娘に声を掛けた。


「とりあえず、君の名前は?」と尋ねると、「魔王国の王妹おうまいのアリス」と答えた。

「それで、アリスは何でヨルに乗って来たの?」と聞く。

すると、魔国の悲惨な現状を語り、自分の身体をヨルムンガンド様に捧げる代わりに魔国を救ってもらいたかった…と泣きながら説明した。



私はその悲壮な決意に胸を打たれながら、「それで、ヨルなら魔国を助けることが出来るの?」と隣に座るヨルを見る。

しばらく無言で考えていたヨルが「われの魔法では、無理であろう」と腕組みをしながら答えた。


「聞けば、季節が止まり真夏が続いておるとのことじゃ。これを正すには、神にも匹敵する(ギフト)が必要となろう」と、私の目を見据え「もし、何とか出来る可能性があるとすれば…アナホルトよ、其方の(ギフト)だけじゃ」と重々しく告げた。


それを聞いたアリスが私に向かい土下座し、「アナホルト様、何卒魔国をお助け頂けませんか?」と懇願してきた。

「もちろん、私に本当にそんな(ギフト)があれば、何とかしたいけど…季節を変える(ギフト)なんて私には無いんだ」とヨルに助けを求める。



するとヨルが「魔国の状況は変えられなくとも、とりあえずの救援を送ることはできよう」と私に語りかけ

「アナホルトよ。魔国を救う為には其方そなたに厳しい試練が待ち受けるが、その覚悟はあるかえ」と尋ねた。


私はわが身を犠牲としても魔国を救わんとするアリスの気高い心に触れ、「もちろん、私に出来ることなら、どの様な試練も受けよう」と宣言すると、アリスがその場で泣き崩れた。




「急ぎ魔国に必要なのは、水と食料であろう。今なら皇帝が温泉に来ているので、ここに呼ぶが良い」とヨルが指示を出す。


「それを運ぶ蒸気機関車も必要じゃが、使える車体はあるか?」と私に聞いてきた。

「今は蒸気機関車の『光号』も、リニアモーターカーの『流星』も空いてない」と頭を抱える。


その時、現役は退いたが、この世界で初めての蒸気機関車と言うことで、記念に残しておいたあの車体を思い出した。

『そうだ、あれなら』と力強く拳を握るが…「しかし、今から魔国までトンネルを掘ったのでは、何ヶ月も掛かってしまう」と頭を振った。


「それについてはわれが手伝ってやろう」…『ただ、アナホルトには厳しい試練となるがな…』…と呟きながらヨルが慎ましい胸を叩いた。



ーーーーーー


「お呼びでしょうか?ヨル様」と皇帝と宰相が慌ててやって来た。

「うむ、先ずはこの娘の話を聞くが良い」とアリスに魔国の状況を話させる。

それを聞き「それで、我が王国に支援をせよと仰せでしょうか?」と宰相が尋ねる。


「出来るだけ沢山の食糧を、エクスチェンジに持ち込んで欲しい」とヨルが告げると、「その様に悲惨な状況であれば、出来るだけの支援は致しますが…」とアナホルトを見て「魔国まではどのようにして運ぶつもりだ?」と皇帝が尋ねた。


「それは、われとアナホルトに任せよ」とヨルが答え、皇帝と宰相は食糧の確保を指示するために帰っていった。



ーーーーーー



『引退して、ゆっくり休んでいたのに申し訳ない』と黒光りするその車体を撫でる。

「この『初号機』を動かすので整備を頼む」とハンマオに依頼する。


「こいつの整備なら…いつでも万全ですよ」と笑うハンマオの顔を見ると、笑いながら「こいつには思い入れがありますからね。引退してからも、改良(✴︎ ✴︎)と整備は欠かしたことはありません」と我が子を見るかの様な目で『初号機』を眺めた。

「そうだな。全てはこの『初号機』から始まったんだよな」と私も感慨深く呟く。



「感傷に浸ってる時間はないぞ」とヨルが告げる。

私はハンマオに『初号機』をエクスチェンジに運んでもらう様に指示し、一行は『流星』に乗り一足早くエクスチェンジを目指した。


初めて乗る『流星』にアリスが目を見張り、「これが王国の技術力」と呟く。

するとヨルが「王国の力ではない。全てはアナホルトの(ギフト)よ」と訂正する。

「貴方様は神の御使い様でしたか」と私の手を握る。

「お触り禁止!!」とリナが割り込み…『流星』は光のトンネルを直走ひたはしる。





この光の先に奇跡が待ち、魔国が救われることを願って、アリスはひたすら祈り続けた。








※現時点のギフト

ホール(穴掘り:空間含む)レベル4

    (ほーる)

   (集会所)レベル2

   (亜空間倉庫)


※派生ギフト

ホールド(保持)

ボール(球)

ウォール(壁)レベル2

ウール(羊毛:用途)

ポール(柱)

ロール(回転)

   (役割)

ファーム(農業)

オール(全て)(操舵)

エール(応援)

ホーリー(聖魔法)

ホーイ(方位)

モール(大型商業施設)

ホーム(拠点)

   (家)

   (プラットホーム)

レール(軌条きじょう

コール(こーる)

ホーニュウ(豊乳)…注)封印

フォーム(形状)

トール(雷神)…注)使用制限有り

ホーク(鷹の目)

オーム(電気抵抗)(電磁場)

ホーキ(放棄)




※レベル特典

二重起動



「にゃ にゃ にゃ? 出番がにゃい!!」



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