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ふたたび始まるドラマのために 『第二章』

相変わらず、何の想定もないまま、第二章が走り出しました。

脱線しないよう頑張ります。

「何かくちばしを突き出した鳥みたい」

「いや、三角形を薄くした形と言うのが正解か」

「こんなに蒸気機関車と形が違うのね」

「高さも蒸気機関車の半分しかなくて、凄く速そうだわ」

と、新しく開発した新型車両を見た人達の反応はまちまちだった。


開発コード『赤い流星』は、ハンマオの「鉄鉱石でコーティングするので、色は黒くなりますね』の一言で挫折した。

いや、無理やり赤く染めることも出来なくはない。しかし、そこまでして『赤色』にこだわる必要はなかった。


事実、あの赤い彗星が乗る○ビルスーツも、赤色だけではなかったはずだ。

などと、わからない人には意味のない考えを頭から振り払う。


兎に角、今目の前にあるのは、初めての超高速車両であり、この世界に初めて登場したリニアモーターカーの『流星1号』だった。


【オーム(電磁場)】で車体を浮かすため、線路は(コイル)を埋め込んだ【ウォール(壁)】で囲いこんでいる。また、超高速の運行による衝撃波の影響を考えても、路線を囲い込むことは必要だった。


この『流星1号』の登場により、魔の森の移動は劇的に変化した。

圧倒的なパワーがあることから、物流の基本は蒸気機関車のままだったが、魚介類のような急ぎの貨物は『流星1号』に軍配が上がる。


トンネル内は馬車で通行できるスペースが無くなり、トンネルは蒸気機関車とリニアモーターカー専用となった。

その代わりに冒険者が途中下車し、魔の森に出る為の【プラットフォーム(駅)】を何ヵ所か設置した。


そもそも、蒸気機関車が通ってからは、馬車や徒歩でのトンネル使用はほぼ皆無であり、特に問題はなかった。


リニアモーターカーの導入により、人の移動は全ての村や王都から2時間以内でエクスチェンジに到達が可能となった。

また、村から村への移動もエクスチェンジを経由すれば、4時間以内で可能である。




魔の森の地下を走るトンネル網が、これ程までに効果的に運用出来ているのには理由がある。

私が掘るトンネルは、村と村、村とエクスチェンジを一直線に結んでいる。

そう、私が【ホール(穴掘り)】で作り出すトンネルにはカーブが存在しなかった。

駅には車体の向きを変えるカーブがあるが、そこは徐行運転なので問題ない。


これは、車体作りに置いて、とてつもないメリットとなる。推進力とブレーキさえ完備すれば車体が完成するのだ。しかも、ギフトで(保持)された完全な密封空間を走る為、突発的な備えも必要なかった。


これが地表を走る路線であれば、地形や村の力関係により路線は曲がり、また、魔物の飛び出しなどの備えも必要となる。


そういう苦労が無いことから、私が考えハンマオが作り出す車体は、一気に魔の森の地下を席捲していった。


ーーーーーー


その日私は完成したリニアモーターカーに乗り、王都の【プラットフォーム(駅)】に降り立った。


すると…


「宰相よ、これが新型の蒸気機関車か?」

「陛下、この乗り物は蒸気機関車ではなく、リニアモーターカーと言うそうですぞ」

と、聞き慣れた声が聞こえた。

『いや、あんたら暇なんか?』と突っ込みを入れようと、声のする方を見た。


すると「御父様、わたくしアナホルト村の温泉が楽しみですわ。御母様も一緒に入りましょうね」と玉を転がすような声が聞こえてきた。

「父上、私はエクスチェンジの交易を学ぶことが楽しみです」と利発そうな声も聞こえる。


すると、私に気がついた皇帝陛下が「アナホルト魔境伯よ。この新しい乗り物は素晴らしいな」声を掛けてきた。

「はい。エクスチェンジまで2時間で行くことが出来ます」と答えると「何と、これまでの5分の1以下ではないか。それは素晴らしく速いな」と驚く。



その時、「御父様、わたくし達にもご挨拶させてください」と皇帝陛下と一緒にいた娘と子供が声を上げた。


「アナホルト魔境伯よ、朕の妃に娘ジョセフィーヌと息子のダイタスじゃ。目を掛けてやってくれ」と紹介された。

それを受け、「私は、皇帝陛下より魔境伯を賜りますアナホルトに御座います」と膝を折る。


すると、利発そうな表情のダイタスが「アナホルト魔境伯殿。私は貴方から学びたい事が山の様にあります。是非、私の師としてお導きください」と私の手を取った。


すると、「アナホルト様、わたくしのことは、どうぞジョセとお呼びください」と反対の手を握り締めてきた。

慌てて皇帝陛下とお妃さまを見ると、私に向けてサムズアップしている。『皇帝よお前もか』と何処かの村長とダブった。


その時、「お兄ちゃんは私のお婿さんだからダメ!」とリナが抱きついてきた。

ジョセフィーヌがリナを見て、「あら、可愛いお嬢さんね。特に胸の辺りが…」と腕組みし、自らの双丘を見せつける。


「な、何よ。お兄ちゃんのギフト(ホーニュウ)があれば私だって…」とリナがジョセフィーヌを睨んだ。




その時、『流星1号は間もなく出発します』とアナウンスが流れ、皇帝一家はリニアモーターカーに乗り込んで行った。




呆然とする私の後で


「ニヤ ニヤ ニヤ」といつもの歌声とは違う猫獣人の声と、「何やら面白そうなことになりそうじゃな」と含み笑いをしたヨルの声が響いていた。












※現時点のギフト

ホール(穴掘り:空間含む)レベル4

    (ほーる)

   (集会所)レベル2

   (亜空間倉庫)


※派生ギフト

ホールド(保持)

ボール(球)

ウォール(壁)レベル2

ウール(羊毛:用途)

ポール(柱)

ロール(回転)

   (役割)

ファーム(農業)

オール(全て)(操舵)

エール(応援)

ホーリー(聖魔法)

ホーイ(方位)

モール(大型商業施設)

ホーム(拠点)

   (家)

   (プラットホーム)

レール(軌条きじょう

コール(こーる)

ホーニュウ(豊乳)…注)封印

フォーム(形状)

トール(雷神)…注)使用制限有り

ホーク(鷹の目)

オーム(電気抵抗)(電磁場)

ホーキ(放棄)



※レベル特典

二重起動






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