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男の夢と書いて…何と読むのだろう

『完成した機関車を何処とつなげるべきか』について、バーモント村長と話し合う。

と言っても、現時点ではドックス村かシーエン村しか候補はないが。


私は改めて【ホーイ(方位)】で、魔の森のアナホルト村とドックス村、シーエン村の位置を確認する。


『アナホルト村は魔の森の奥地と聞いていたけど、魔の森の端に位置しているんだな』と脳内に浮かぶ地図を見る。

脳内に展開された地図では、アナホルト村は魔の森の東の端に位置していた。

端とは言え、森との境までは約2000Kmは離れており、脳内地図でも魔の森は全体像が見えないほど広大だった。



『この広大な魔の森に進出するには、少し準備不足かな』と判断し、初めての蒸気機関車による路線はシーエン村に決めた。

『魔の森側は万が一敵対する者が入ってくる場合があるけど、シーエン村側は海しかないからその心配もない。まあ、万が一トンネルを通る敵対者がいたら、トンネルを埋めるだけだが…』と考える。



シーエン村に線路を引くことを決め、ハセースル山脈のトンネルの状況を確認に行くことにした。

当然のように隣にはマキバにまたがったリナとバーモント村長が付いてくる。


そして何処からともなく「にゃ にゃ にゃ」と歌いながら猫獣人がやって来た。

「楽しそうだね。何をしてたの?」と問いかける私に、「『にゃんこパトロール』にゃ」と何処からかクレームが入りそうな事を答える。


「アナホルト様はにゃにしてたにゃ?」と聞かれたので、ハセースル山脈のトンネルを調べることを告げると「秋刀魚塩焼き定食食べに行くにゃ」とついて来た。

「いや、あのトンネルを抜けるには獣人の身体能力でも、5日以上はかかるからね。途中で引き返すよ」と告げるが聞こえていないようだ。

『まあ、猫獣人達だけでシーエン村まで行っても問題ないか』と同行することにした。


『やはりファンタジー植物は半端ねー』とトンネルの中で壁を見つめる。

トンネルの壁には村の獣人達が移植して、魔石を肥料として与えた光苔ヒカリゴケが一面を覆いつくし、発光していた。

それは、眩しい程ではないが充分に明るく、柔らかな光となってトンネル内を照らしていた。


すると、トンネルの奥から一人の獣人がこちらに向かってきた。

「おや、アナホルト様どうされましたか?」と尋ねる獣人にトンネルの視察に来たことを伝え、「光苔ヒカリゴケはどの辺りまで移植できたか」と聞く。


「魔の森自体の魔力が強いお陰で、移植したら直ぐに定着して増殖してくれます。お陰で、あと3日もあればトンネル全体の移植が完了します」と答えた。


私はそれに満足して「よし、帰って線路の準備をしよう」と引き返すことにした。

猫獣人達は、やはり秋刀魚塩焼き定食に未練があり、自分達だけでシーエン村に行くと言うので、魔石を何個か渡してそこで別れることにした。




ハセースル山脈のトンネルを確認した私はハンマオの工房を尋ね、「蒸気機関車の改良は進んでいる?」と声を掛けた。

「これはアナホルト様」とハンマオが出迎え、「蒸気エンジンの出力を上げ、車輪にも改良を加えましたので、30パーセントは余裕でスピードアップしたと思います」と上機嫌で答える。

「しかも、出力が安定したので客車や貨物車にも余裕があります」とサムズアップする。


その報告を聞いて「よし、先ずはこの村に駅を作ろう」とトンネルと村の中間に「【ホーム(プラットホーム)】」を唱え、そのプラットホームに沿うようにUの字形に「【レール(軌条きじょう)】と線路を引く。

その横に「【ホール(集会所)】」で駅舎を作り、『駅名をどうしようかな?』と考えていると、何処から持って来た?と突っ込みたくなるタイミングで『アナホルト駅』と書かれた看板をバーモント村長が差し出して来た。



ハンマオの工房から引き込み線路を引き、駅に蒸気機関車を設置する。

線路の切れ目までゆっくり進み、その先に向かって「【レール(軌条きじょう)】と2回唱える。

すると、2列に並んだ線路が真っ直ぐに伸びる。


0の字形に線路を配置するため、蒸気機関車にはバックをする機能は付けていない。

夜は客車に泊まり…トンネルでは昼も夜もわからないが…5日間作業を続けるとトンネルの出口が見えた。


シーエン村側でも駅を作り、遂にこの世界に初めての鉄道が完成した。

蒸気機関車が1台しかないため、周回での運用しか出来ないが、ハセースル村からシーエン村までを約10時間でつなぐことができる。



鉄道完成の報告をする為、ウミチュ村長を探していると、猫獣人達と食堂から出てきた村長を見つけた。



初めて見る蒸気機関車にウミチュ村長やシーエン村の獣人が歓声を上げる。

「わずか10時間でハセースル山脈を越えられるとは…」とウミチュ村長も驚きの声を上げる。


「これで、アナホルト村とシーエン村の交易が簡単に出来ます」と私も笑顔になる。

後は、トンネルの使用料と蒸気機関車の乗車料を決めるだけだが、交易を優先させたい私の思惑もあり、双方が笑顔で合意するのに時間はかからなかった。



ーーーーーーー


「きゃー!冷た〜い」と波打ち際でリナがはしゃいでる。マキバも砂浜が気に入ったのか、波打ち際を走り回っていた。


そこにウミチュ村長が、シーエン村の娘達を引き連れてやって来た。

「アナホルト様。これからもこの村をよろしく」と挨拶すると娘達に目配せする。

するとシーエン村の娘達が「アナホルト様素敵〜」と身体をクネらせて近寄ってくる。

そしてウミチュ村長が「気に入った娘がいれば嫁に如何でしょう?」と私に笑いかける。


『いやいや、働きすぎて忘れそうになるけど、私はまだ12歳だからね』と娘達を見ると、娘達が上着を脱いで私に迫ってくる。

その胸元にはハセースル山脈に匹敵するような2つの山脈がそびえていた。


「ダメ〜!!お兄ちゃんのお嫁さんは私なの〜!」と、そこにリナが割って入る。

「ね…お兄ちゃん」とリナが私に抱きつく。

その慎ましい胸元が私の腕に押し付けられた時、『ピコン』と通知音が脳内に響いた。

『ギフト保持者の隠された欲望を検知しました。ギフト【ホーニュウ(豊乳)】が解放されます』


『隠されたもの(欲望)を勝手に暴くな〜!そもそも何に使えるギフトやねん?!』と脳内で突っ込む。

すると何かを察知したかのようにリナが私を睨み、「お兄ちゃん…不潔」と叫ぶ。


そして修羅と化したリナから、『スクワット10回』『3回まわってワンと鳴け』と謎の罰を課せられる。





私は『その場でスクワット10回』をしながらギフト【ホーニュウ(豊乳)】をそっと封印した。






※現時点のギフト

ホール(穴掘り:空間含む)レベル3

    (ほーる)

   (集会所)レベル2


※派生ギフト

ホールド(保持)

ボール(球)

ウォール(壁)レベル2

ウール(羊毛:用途)

ポール(柱)

ロール(回転)

   (役割)

ファーム(農業)

オール(全て)

エール(応援)

ホーリー(聖魔法)

ホーイ(方位)

○ール(※※※※※※)

ホーム(拠点)

   (家)

   (プラットホーム)

レール(軌条きじょう

コール(こーる)

ホーニュウ(豊乳)…注)封印



※レベル特典

二重起動










リナがラナになりました。


すみません。

このサイトの読者なら通用するかな?の小ネタを挟みました。

因みに、ティアムーンも大好きです。

わからない方は、是非ググってください。



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