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開拓にはご都合展開も必要です

ドックス村まで繋げたトンネルの入り口を、魔物が入り込まないように壁で囲い、私達は帰路についた。

私はマキバの手綱を握り、バーモント村長とリナに向かい、「さあ、俺たちの村に帰りましょう」と歩き出す。


すると『ピコン』と通知音が脳内に響き『望郷の想いを感知しました。派生魔法【ホーム(拠点)】が解放されます。これにより、ギフト保持者が【ホーム(拠点)】で使用する魔法は威力が2倍となります。


威力が倍増した魔法を使い、トンネルの横幅を広げながら帰路に付いていると、「何で穴をおっきくするの?魔法を使わなかったらもっと早く帰れるのに?」とリナが尋ねてきた。


私は、「狭いままだとすれ違うのに困るからね…」と答え、(この流れなら…きっと、あの魔法が解放されるはず)と考えながら【ホール(穴掘り)】を唱える。


「出口の明かりが見えてきた」とリナが嬉しそうに笑うと『ピコン』と再び通知音が響く。

『ギフト保持者の強い想いにより【ホーム(拠点)】に派生解釈(プラットホーム)が解放され、関連魔法【レール(軌条きじょう)】が解放されます』とのアナウンスを聞いて、私は「来た〜。これを待っていたんだ〜!!」と叫びガッツポーズを取る。

そんな私をリナとバーモント村長が驚いて見ていた。



そんな訳で、帰り道も10日がかりだったが、無事にアナホルト村に帰り着いた。


私は入り口を壁で囲いながら『隣村まで10日もかかったが…うまく行けば1日で着けるようになる』と計画を練る。

すると、『ピコン』と通知音が脳内に響いた。

『拠点への到着を確認しました。【ホーム(拠点)】に派生解釈として(家)が追加されます』



アナホルト村に帰ると、獣人達が全員で出迎えてくれた。リナやバーモント村長も獣人に囲まれ、外の様子を聞きたがる。

「行き帰りはトンネルだから真っ暗だったけど、ドックス村ではね〜…」とリナが集まった皆んなに隣村の様子を伝える。


「皆んな聞いてくれ」と私が台の上に上がる。

「これまで皆んなの家は小屋みたいな一間の集会所だったけど…」と一軒の家に手をかざし【ホーム(家)】と魔法を唱える。

すると、居間と寝室に加えて台所、トイレ、そして…何と魔石でお湯を沸かせる風呂までが完備された家が現れた。


獣人達の喜びが爆発し、その日は大宴会となった。




全ての家の改修と壁の補強が終了し、再びドックス村に出発する前の日、一枚の設計図と照明の魔道具を手にバーモント村長を引き連れ鍛治師の羊獣人ハンマオを訪ねていた。

ハンマオの鍛冶場では、2人の弟子が鍛冶を手伝い、農具や包丁を作っていたが、私の姿を見ると手を止めて話を聞いてくれた。



私は設計図を指差しながら、ハンマオと弟子達に「魔石ボイラーで湯を沸かして…このピストンが上下する力を横回転に…」と打ち合わせを進める。

「これなら作れそうです」と笑うハンマオ。


「よろしく頼む」と告げると、手に持った照明の魔道具を机の上に置く。

「これは?」と尋ねるハンマオに「照明の魔道具だが、これを作れないか?」と相談する。

「【ロール(役割)】で確認したら、この下の部分に入れた魔石の魔力で、この上に入れた光苔ヒカリゴケが発光する仕組みのようなのだが」と水を向ける。


「これは、分解しても良いてすか?」と尋ねるハンマオに頷くと、迷いの無い手でバラバラにした。

「この魔道具は、単純に魔石と光苔ヒカリゴケを回路で繋げているだけの物ですね。材料さえあれば子供でも作れますよ」と組み立て直して私に返してきた。


「隣村までのトンネルにこの照明の魔道具を設置したいのだが…」と相談する。

しばらく考えていたハンマオが、「そのトンネルに光苔ヒカリゴケを直接植えてはどうでしょう。何ヶ所かに魔石を埋めれば、勝手に魔力を吸って発光しますし、魔力が尽きなければいくらでも増殖しますよ」と教えてくれた。


私はトンネルに照明を付けるには器具を使うしか無いと思い込んでいたが…

何というファンタジー向けの植物。

魔道具と違い照明を切ることは出来ないが、トンネルでは照明を切る必要がない。

これで、トンネルの暗さ対策は解決した。


私はバーモント村長に、トンネルに光苔ヒカリゴケを植え付けてもらい、魔石を設置することを頼みハンマオの家を出た。








※現時点のギフト

ホール(穴掘り:空間含む)レベル3

    (ほーる)

   (集会所)レベル2


※派生ギフト

ホールド(保持)

ボール(球)

ウォール(壁)レベル2

ウール(羊毛:用途)

ポール(柱)

ロール(回転)

   (役割)

ファーム(農業)

オール(全て)

エール(応援)

ホーリー(聖魔法)

ホーイ(方位)

○ール(※※※※※※)

ホーム(拠点)

   (家)

   (プラットホーム)

レール(軌条きじょう


※レベル特典

二重起動

光苔ヒカリゴケで開拓に光がさしました。


ここまでは、考え無しの開拓を急展開で進めましたが、書いている内に何となく開拓の図面が見えてきたので、少しペースを落として村の発展も進めていきます。…って、次もやっぱり穴掘りする予定です

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