表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/75

第74話 『永遠の約束』

創織の塔の広場で、特別な集いが開かれていた。


東西の世界から、そして無数の宇宙から、結衆社と関わりのある人々が集まっている。魔法使いも機械技師も、創造神も影の民も、この日ばかりは共に語らう。


「理論的な総括をさせていただきますと」リーフが感動的な声で。「この一年で繋がれた世界の数は3,721、完遂した配達は147,832件。さらに...」


「うるさいわね」ルナが優しく微笑む。「でも今日は、最後まで聞かせて」


メリッサが前に進み出る。かつての商人ギルドの副総裁は今、世界間交易評議会の代表となっていた。


「覚えていますか?」彼女が懐かしむように。「あの日、送料無料なんて非現実的だと言った私の言葉を」


「ええ」翔太が微笑む。「でも今は、世界と世界の間にさえ」


「送料は必要ありません」老研究者が言葉を継ぐ。「純粋魔力による架け橋があるのですから」


広場には、懐かしい顔々が揃っていた。


第一号会員の老婆は今や、異世界薬草店の女将として大繁盛。

西方物流公社の配達員たちは、結衆社の同僚となって世界中を駆け回る。

シャドウと影の民は、光と闇の調和を守る重要な存在に。


そして創造神たちは、新しい世界を作る度に、必ず結衆社に想いの種の配達を依頼するようになっていた。


「私たち」フィリアが杖を掲げる。「本当に遠くまで来ましたね」


杖から放たれる魔法は、もはや保存魔法という枠を超え、世界と世界を結ぶ架け橋となっていた。


スライムたちは、それぞれの成長を見せている。


「でもね」ポップが嬉しそうに。「僕たちの仕事は、これからも変わらない」


「そうさ!」フレアが情熱的に。「一つ一つの想いを」

「理論と共に」リーフが真摯に。

「優雅に確実に」ルナが誇らしげに。

「皆さんと共に」ミストが静かに。


古のスライムたちも、光の輪を作って見守っている。


『受け継がれし想い』

『確かに届けられ』

『新たな物語を紡ぐ』


突然、緊急の依頼が入る。

新しく生まれた宇宙で、最初の光を灯すための種が必要だという。


「行きましょう」翔太が仲間たちを見る。「私たちは配達員ですから」


フィリアも杖を構える。

「ええ。どんな世界へでも、想いを届けるために」


集まった人々が、彼らを見送る。

結衆社の本質は、これからも変わらない。


必要な想いを、必要な場所へ。

丁寧に、確実に、心を込めて。


創織の塔の上空には、無数の光の道が広がっている。

それは単なる配達ルートではない。

想いと想いを結ぶ、永遠の架け橋。


「行ってきます!」


スライムたちの元気な声が響く。

この声は、どんな遠い世界でも、必ず誰かの元へと届く。


なぜなら——。

世界は、確かに繋がっているのだから。


(完)

小さな配達会社として始まった物語は、世界の根源に触れる壮大な冒険となりました。しかし、結衆社の本質は少しも変わっていません。必要な想いを、必要な場所へ。その単純で深い約束が、今や全ての世界を結ぶ架け橋となりました。


最後までご覧頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ