第66話 『最後の選択』
魔力の海の中心で、創造神の意思が最後の選択を告げる。
『世界を繋ぐ者として』
『汝らに与えよう』
『全ての鍵を』
無数の光が交差する中、究極の選択が示される。
「理論的に分析させていただきますと」リーフが震える声で。「この選択により発生する変化は、既知の全理論を超越し、その影響は無限大に...」
「うるさいわね」ルナが遮るが、その声には深い感動が混じる。「でも、これが私たちの答えるべき問い」
創造神の意思が、三つの道を映し出す。
全ての世界の完全なる統合。
永遠の分断による無限の可能性。
そして——。
「待って」ポップが気づく。「もう一つの可能性がある」
フィリアの杖が、強く反応する。
「そう」彼女の目が輝く。「私たちにしか見えない道」
古のスライムたちが、光の輪を広げる。
『示せ』
『汝らの真意を』
翔太が、一歩前に出る。
「私たちは」彼が静かに、しかし力強く。「配達員です」
スライムたちの体が、これまでにない光を放ち始める。
「僕たちは知ってるんだ」ポップが真剣な面持ちで。「結びつきには、色んな形があることを」
「時には熱く!」フレアが力強く。
「時には理論的に」リーフが真摯に。
「時には優雅に」ルナが穏やかに。
「そして時には静かに」ミストが確かに。
原初の闇も、シャドウも、その意味を理解する。
「そうか」闇が静かに。「全てを一つにするのでもなく」
「かといって永遠の分断でもない」シャドウが続ける。
フィリアが杖を掲げる。
「必要な時に」彼女の声が響く。「必要なだけ繋がる」
「それぞれの世界が」翔太が言葉を継ぐ。「それぞれの形で存在しながら」
「でも、決して孤立せず」ポップが嬉しそうに。「僕たちが、ちゃんと届けるんだ!」
その瞬間、魔力の海全体が金色に輝き始める。
創造神の意思が、彼らの選択に応える。
『汝らこそ』
『真の架け橋』
『今ここに』
『新たなる創造の始まりを』
世界が、大きく変容を始める。
それは破壊的な変化ではなく、優しい変容。
しかし——。
「これは」シャドウが気づく。「まさか」
予想外の存在が、その姿を現そうとしていた。
より大きな意思。
そして、より深い真実。
「私たち」ポップが仲間たちを見る。「まだ終わりじゃないんだね」
フィリアと翔太は頷く。
結衆社としての、最後の、そして最大の配達が、始まろうとしていた。
(続く)




