表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/75

第53話 『別れの時』

創織の塔の広場には、大勢の人々が集まっていた。東西の配達員たち、商人たち、そして結衆社のサービスを利用してきた人々。


「理論的に考察させていただきますと」リーフが感極まりながら。「これほどの人数が集まる確率は、わずか0.024%。つまり、この状況は奇跡的な...」


「うるさいわね」ルナが遮るが、その目は潤んでいる。「でも、今日だけは許してあげる」


メリッサが前に進み出る。


「結衆社の皆さん」彼女の声には、普段の冷静さが揺らいでいた。「あなたたちが教えてくれた"結びつき"は、確実にこの世界に根付き始めています」


東西の配達員たちが次々と声を上げる。


「私たちも、頑張ります!」

「新しい配送網を、必ず」

「あなたたちの分まで」


「みんな...」ポップの小さな体が震える。


「熱いものが込み上げてくるぜ」フレアも感情を抑えきれない。


「私たちも、色々と成長しました」ミストが静かに、しかし確かな声で。


その時、思いがけない来訪者があった。


「待っていました」


振り向くと、かつての依頼人たちが、懐かしい荷物を手に集まっていた。


「あの時の薬」老婆が涙ながらに。「娘を救ってくれて、ありがとう」


「雪山を越えた配達」

「緊急時の対応」

「いつも笑顔で」


次々と思い出が語られる。


フィリアは杖を強く握る。


「この魔法は」彼女の声が震える。「みなさんとの出会いがあったから、輝けた」


シャドウも、影の中で形を変える。


「異なる者同士が」彼が静かに。「互いを理解し、認め合う。その強さを、私も学んだ」


翔太は、仲間たちと共に広場の中央に立つ。


「私たちは」彼が力強く告げる。「必ず戻ってきます。そして、この世界にとって必要なものを、きっと届けます」


「約束だよ!」ポップが元気よく。

「熱い再会を!」フレアが力強く。

「理論値を超えて」リーフが真剣に。

「優雅な帰還を」ルナが微笑んで。

「皆さんと共に」ミストが静かに。


老研究者が前に出る。


「準備は整った」彼が告げる。「魔力の海へと続く、最後の門が」


塔の上空で、新しい魔法陣が形を成し始める。未知なる領域への道が、今まさに開かれようとしていた。


別れの涙の中に、確かな希望が光る。

この世界は、彼らの帰りを待っている。


(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ