表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/75

第4話 『第1号会員』

「会員制度の詳細を整理しましょう」


翌朝、宿の一室でフィリアが羊皮紙に向かって杖を振る。魔法の光で文字が浮かび上がる。


「月額の会員料は銀貨3枚。これなら商人ギルドの一回分より安いですね」


翔太は頷きながら、システムの構想を書き出していく。


魔法配送会員マギウス制度:

・保存魔法による品質保証

・会員限定の緊急配達対応

・エリア内送料完全無料

・月単位の定額制』


「フィリアさんの魔法一回あたりのコストと、想定される会員数から計算すると...」


「ショウタさん!」


突然の声に二人が振り向く。昨日の老婆が、息を切らして部屋に駆け込んできた。


「娘の具合が良くなりました!それに、お隣の奥さんも同じ薬が必要だそうで...」


老婆は懐から銀貨を取り出した。


「これで会員に...」


「あの」フィリアが遮った。「その前に、具体的な説明を...」


「いいえ」老婆は首を振る。「私、信じてますから」


その言葉に、二人は息を呑む。


「信じてる、ですか?」


「ええ。昨日、ショウタさんが『必ず届けます』って言った時の目を見てたら分かりました」


老婆は銀貨をテーブルに置く。


「これからも、よろしくお願いします」


老婆が去った後、フィリアはしばらく黙っていた。そして...


「ショウタさん、社名を考えましょう」


「え?」


「私たちのサービスには、魔法があります。そして...みんなを結ぶ力がある」


翔太は少し考え、ふと思い至る。


「結衆社...」


「結衆社?」


「はい。人々を結ぶ。そして、衆...みんなのための存在に」


フィリアの目が輝く。


「素敵ですね。読み方は...」


「ユナイシア、というのはどうでしょう。統一、結束という意味を込めて」


結衆社ユナイシア」フィリアが微笑む。「私たちの理想が詰まった名前です」


窓の外では、最初の顧客を待つように、朝日が街を照らし始めていた。


「これから」翔太が静かに言う。「この世界の物流を、変えていきましょう」


フィリアが頷く。二人の前には、まだ見ぬ課題が待ち受けているはずだ。

でも、確かな第一歩を踏み出したことは、間違いなかった。


(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ