第46話 『七つの光』
「作戦開始まで、あと1分」
通信魔法を通じて、七つの拠点に散らばった部隊からの報告が次々と入る。
「北方拠点、準備完了」
「南方、待機中」
「東部隊、異常なし」
「西側、配置完了」
翔太は本部となった創織の塔で、作戦全体を指揮していた。
「理論的な成功確率は」リーフが緊張した面持ちで。「わずか12.4%。しかし、この状況下では...」
「うるさいわね」ルナが制するが、その声には励ましが混じる。「計算なんて、私たちが覆してきたでしょう」
各拠点には、結衆社のスライムと、東西の配達員たちが配置されていた。異なる立場の者たちが、初めて一つの目標に向かって協力している。
「不思議ですね」フィリアが杖を握る。「配達という仕事が、世界を救うことに」
その時、空に異変が起きた。
「警告!」ミストの声が響く。「魔力の波動が急激に...」
七つの拠点で、一斉に魔法陣が輝き始める。歪んだ魔力が渦を巻き、世界を引き裂こうとする。
「全拠点、作戦開始!」翔太の声が響く。
各地で、スライムたちの純粋魔力が光を放つ。
「みんなの想いを、届けるんだ!」北方拠点でポップが叫ぶ。
「熱い魂で、貫くぜ!」南でフレアが力を込める。
「理論を超えた奇跡を!」東でリーフが決意を込めて。
「美しく決めましょう」西でルナが優雅に。
「皆さんと共に」中央でミストが静かに。
東西の配達員たちも、それぞれの持ち場で全力を尽くす。
「結衆社さんの配達に、私たちも続きます!」
「東西の壁なんて、もう必要ない!」
「この想いを、必ず届けよう!」
七色の光が、歪んだ魔力の渦と対峙する。
「くっ」シャドウの声が響く。「このような結びつきが...」
しかし、その時。
予想外の事態が起きた。七つの光が、突如として一つに繋がろうとする。
「これは!」老研究者が驚きの声を上げる。「まさか、Project Unityの本質が...」
「そうか」フィリアが気づく。「私たちの目指していた結びつきこそが...」
東と西。
自然と制御。
スライムと人間。
全ての境界を超えて、光は繋がっていく。
「世界を結ぶ」翔太が静かに呟く。「それが、私たちの本当の...」
しかし、その言葉は途中で途切れた。
世界を包み込む光の中で、思いもよらない真実が姿を現そうとしていた。
(続く)




