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第43話 『不穏な予感』

「各地で、魔力の異常が報告されています」


ミストの静かな報告に、事務所内の空気が張りつめる。地図上には、次々と赤い印が付けられていく。


「理論的に分析させていただきますと」リーフが慎重に。「魔力の波動パターンは、創織の塔で観測された値の約3.17倍。さらに」


「うるさいわね」ルナが遮るが、その声には不安が混じる。「でも、確かにただ事じゃないわ」


翔太は黙って地図を見つめていた。異常の発生地点を線で結ぶと、まるで巨大な魔法陣のような形が浮かび上がる。


「これって」ポップが心配そうに。「シャドウさんの仕業?」


「違う」フィリアが杖を握りしめる。「もっと古い...根源的な魔力」


その時、メリッサが急いで入ってくる。


「大変です」彼女の声には、普段の余裕がない。「西方物流公社が、全ての配送業務を停止」


「えっ!」


「東の商人ギルドも同じ判断を」彼女が続ける。「魔力の異常で、保存魔法が機能しなくなってきているんです」


「そんな...」フレアが熱く言い返す。「オレたちの魔力は、まだ...」


言葉の途中で、スライムたちの体が微かに震える。


「この感覚」ミストが静かに。「純粋魔力が、何かに反応してる」


フィリアの杖も、かすかに輝きを放つ。


その時、思いがけない来訪者が現れる。


「やはり」老人の声が響く。「時が来たか」


振り向くと、創織の塔で出会った老研究者の姿があった。しかし今回は、その佇まいに厳かな威厳が感じられる。


「Project Unityの責任者として」老人が告げる。「全てを話す時が来たようだ」


「責任者...?」フィリアが目を見開く。


老人は、ゆっくりと杖を掲げた。


「この世界の魔法は、千年前に分断された。そして今、再び統合の時を迎えようとしている」


外では、不穏な風が吹き始めていた。

世界の真実が、今まさに明かされようとしていた。

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