第39話 『潜む意図』
「魔王軍特使、シャドウの目的は...」
メリッサが事務所で資料を広げる。魔王城に関する機密情報が、次々と明かされていく。
「純粋魔力による、世界の再構築」
「再構築?」フィリアが息を呑む。
「理論的に解説させていただきますと」リーフが慎重に。「純粋魔力には、魔法の根源的な力が秘められており、その応用次第では...」
「うるさいわね」ルナが遮る。「でも、今回は重要ね」
「つまり」メリッサが続ける。「魔王軍は、純粋魔力を使って世界の魔法体系そのものを書き換えようとしている」
「なんだって!?」フレアが熱くなって。「オレたちの力を、そんな...」
「私にも分かります」ミストが静かに。「彼らの魔力には、歪んだ支配の意思が」
翔太は黙って地図を見つめていた。東と西、そして魔王城。三つの勢力の均衡が、今まさに崩れようとしている。
「でも」ポップが不安そうに。「僕たちの力は、みんなを笑顔にするためのものだよ」
その時、フィリアが立ち上がった。
「待ってください」彼女が杖を掲げる。「私たちの純粋魔力には、もう一つの可能性があるはず」
魔法陣が浮かび上がり、これまでの研究データが映し出される。
「東の自然な魔法と、西の制御された魔法」フィリアの声が力強い。「その二つを結ぶ力。それこそが、純粋魔力の本質では?」
「まさか」メリッサが目を見開く。「Project Unityの真の目的が...」
その時、通信魔法が緊急信号を発する。
「西方物流公社が」ミストが報告。「大規模な部隊を編成。そして...」
「影の気配」フィリアが警戒を強める。「シャドウの部下たちね」
「くる所まで来たか」翔太が静かに立ち上がる。
「どうする?」メリッサが問いかける。
「当然です」翔太の声に迷いはない。「私たちは、配達を続けます」
スライムたちの体が、自然と輝きを放つ。
「そうだよ!」ポップが元気を取り戻す。「僕たちは、みんなの笑顔のために」
「熱いぜ!」フレアが跳ねる。
「理論値も超えてみせます!」リーフが決意を込めて。
「やるだけよ」ルナが優雅に。
「皆さんと共に」ミストが静かに。
フィリアは杖を握り直す。
「私たちの純粋魔力は」彼女の声に力が込められる。「世界を結ぶ力になる」
メリッサは、そんな彼らの様子を見つめていた。
商人ギルドと魔王軍。
そして、その狭間で輝きを増す結衆社。
世界は、確実に動き始めていた。
(続く)




