表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/75

第32話 『塔の記憶』

「あれが、創織の塔...」


一行の前に、巨大な塔が聳え立つ。漆黒の外壁を這う無数の魔力管が、かすかな青い光を放っている。


機械生物たちは、まるで古くからの習慣のように塔の周囲を巡回していた。


「理論的に観察させていただきますと」リーフが真剣な面持ちで。「塔の構造自体が巨大な魔力循環システムを形成しており、さらにその波長が私たちの魔力と...」


「今回は続けて」ルナが珍しく促す。「この感覚、私にも分かるから」


「なあなあ」フレアが落ち着かない様子。「オレ、ここに来たことがある気がするんだ」


「私も」ミストが静かに。「懐かしい記憶が...」


「でも」ポップが困惑した様子。「僕たち、生まれてからずっと東の大陸にいたはずなのに...」


フィリアはメリッサの父の研究ノートを開く。しかし、その時。


「みんな、これを」


地面に埋もれた古い石版を見つけたのは翔太だった。表面には、色褪せた文字が刻まれている。


「"Project Unity ― 東西融合実験第一号"」フィリアが読み上げる。「"純粋魔力の具現化による..."」


その瞬間、スライムたちの体が強く反応する。まるで、長い眠りから目覚めるように、光が広がっていく。


「これは!」


五色の光が溶け合い、石版に描かれた魔法陣が浮かび上がる。そして、古い映像が空中に投影された。


『実験記録:創織の塔研究所』


映像には、東西の研究者たちが協力して研究を行う姿が映し出される。


『純粋魔力の安定化に成功。形態は流動的ながら、確かな意思を持つ生命体として...』


「まさか」フィリアが息を呑む。「これが、スライムたちの...」


その時、映像が乱れ始める。


『警告:制御不能!純粋魔力が意思を持ち始めた模様。緊急封印プロトコル...』


「僕たちは」ポップの声が震える。「実験で作られた...?」


「違う」


振り向くと、機械生物の一体が、人の言葉で話し始めた。


「君たちは、奇跡だった」


「これは」フィリアが驚く。「塔の管理システム?」


「私は、創織の塔の記憶管理機構」機械生物が続ける。「かつて、東西の研究者たちは、ここで夢を追った」


「どんな...夢を?」翔太が問う。


「魔法と機械の真の調和を」機械生物の青い光が強まる。「そして、その研究から生まれたのが、純粋魔力を持つ存在...」


しかし、その時。


「警告:侵入者検知」


遠くで警報が鳴り響く。


「西方物流公社が」ミストが報告。「大部隊で接近中です」


「急いで」機械生物が促す。「塔の中へ。そこに、全ての真実が...」


一行は、塔の扉の前に立つ。

開かれた扉の奥には、青く輝く通路が続いている。


「行こう」翔太が仲間たちを見る。「私たちの本当の姿と...この世界の真実を求めて」


(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ