表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/75

第27話 『西の港町』

「これが...西大陸」


トレードポート。西大陸最大の港町に降り立った一行は、目の前の光景に息を呑んだ。


煙を吐く鉄の煙突。規則正しく並ぶ機械仕掛けの荷役設備。そして、至る所で青く輝く魔力管。異国情緒というより、まるで別世界だった。


「理論的に観察させていただきますと」リーフが興奮気味に。「これらの装置は魔力を84.6%効率で変換し、さらに industrial-magic(工業魔法)として...」


「うるさ...」ルナが言いかけて、足を止めた。「でも、今回は説明して」


確かに、この未知の技術は注目に値する。


「すごい」ポップが目を輝かせる。「配達も、機械でやってるの?」


通りには銀色に輝く馬車が行き交い、その動力源らしき部分が青く発光していた。


「熱い...というか、冷たい感じだな」フレアが少し緊張気味。


「私、様子を探ってきます」ミストが静かに姿を消す。


フィリアは杖を握りしめていた。確かに、この地の魔法は東方とは全く異なる。より無機質で、工業的で...。


「おや、東方からのお客様?」


声をかけてきたのは、銀色の制服に身を包んだ男性。胸には「West Logistics Corporation(西方物流公社)」のバッジが輝いている。


「はい」翔太が応える。「結衆社の...」


「ああ、噂の送料無料システムを展開する会社ですね」男性の目が鋭くなる。「我々も、大変興味を持っております」


その時、男性の視線がスライムたちに注がれた。


「特に...生体による magical energy conversion(魔力変換)には」


「理論的な観点から質問させていただきますと」リーフが食い気味に。「この街の魔力システムは...」


「ご興味があるなら」男性が笑みを浮かべる。「我が社の研究施設をご案内しましょうか」


一同が顔を見合わせる。


その時、ミストが戻ってきた。


「皆さん」彼が小声で。「街の各所に、首都で見たような魔法陣が...」


翔太は即座に決断を下す。


「ご案内、お願いできますか?」


「でも」フィリアが心配そうに。


「大丈夫」翔太が静かに。「私たちは配達のプロだろう?」


「情報の受け取りと配達...ってことね」ルナが理解を示す。


「熱い潜入作戦だぜ!」フレアが声を潜める。


「理論的成功率は...」


「今は黙って」ポップが珍しく真面目に。


案内された先には、巨大な工場のような建物が待っていた。

その屋上には、見覚えのある魔法陣が。


「では、ご案内いたしましょう」男性の声が妙に冷たい。「我が社の、最新鋭の magical energy plant(魔力プラント)へ」


一行は建物の中へと消えていく。

未知の技術と、見えない危険が待ち受ける異国の地で、彼らの新たな戦いが始まろうとしていた。


(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ