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第22話 『変革の種』

「まずはこの地区から始めましょう」


商工会議所の会議室で、翔太が地図を広げる。首都の中央商業区が示されている。


「理論的に考えると」リーフが得意げに。「馬車とスライムの連携効率は、この経路を使えば最大で234%向上し...」


「うるさいわね」ルナが冷ややかに。「でも、その計算は間違ってないわ」


会議室には、首都の主要な運送業者たちも集まっていた。最初は懐疑的だった彼らも、スライムたちの実績を目の当たりにして、態度が変わり始めていた。


「あの」ベテランの運送屋が手を挙げる。「うちの馬車との連携なんですが」


「任せてよ!」ポップが元気に。「僕たち、チームワークは得意なんだ!」


「熱い連携見せてやるぜ!」フレアも興奮気味。


「私が調整役を」ミストが静かに申し出る。


フィリアは杖を掲げ、魔法で新システムの概要図を浮かび上がらせる。


「各馬車を拠点として、スライムたちが細かな配達を担当。保存魔法による品質管理と...」


「なるほど」グランヴィルが感心した様子。「従来の仕組みを活かしながら、新しい価値を」


その時、会議室のドアが勢いよく開く。


「こんな認められるわけない!」


声の主は、大手運送会社の幹部。最後まで反対していた一人だ。


「スライムなんかと組んでいては、首都の威厳が...」


「威厳ですか?」


意外にも、ポップが真剣な声で切り返す。


「配達って、威厳のためにやってるんですか?」


「そうだぜ!」フレアが続く。「大切なのは、待ってる人の笑顔だろ!」


「理論的に言わせていただきますと」リーフが珍しく落ち着いた口調で。「威厳と効率は、必ずしもトレードオフの関係ではありません」


「まあ」ルナが優雅に。「時代遅れな考えは、捨てた方がいいんじゃない?」


「私たちは」ミストが静かに、しかし芯の強い声で。「ただ、より良い配達がしたいだけです」


その時、思いがけない出来事が起きた。


「彼らの言う通りだ」


振り向くと、そこにメリッサ・ヴァンドールの姿があった。


「副総裁!」運送会社の幹部が驚いて。


「時代は変わるのよ」メリッサが微笑む。「結衆社の新しい風に、私も期待しているわ」


しかし、彼女の目には何か別の色が浮かんでいた。


「もっとも」去り際、彼女は小声で。「本当の試練は、これからだけど」


翔太とフィリアは、その言葉の意味を図りかねていた。


(続く)

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