第21話 『広がる評判』
「聞いた? あの結衆社、すごいらしいわよ」
「高級品も安心して任せられるって!」
「しかも送料が安い!」
首都の市場で、噂が広がっていた。試験配達から一週間、魔法配送会員の評判は、首都でも驚くほど早く浸透していく。
「忙しいね!」ポップが事務所で跳ねながら。「依頼が次から次に!」
「熱い人気だぜ!」フレアも興奮気味。
「理論的に分析させていただきますと」リーフが早速計算を始める。「依頼数は初日比で347.8%増加。さらに口コミ効果を加味すると...」
「うるさいわね」ルナが溜め息。「でも、このペースは少し心配ね」
「私も同意見です」ミストが静かに。「このままでは対応が...」
翔太とフィリアも、新しい課題を感じ始めていた。
その時、豪華な馬車が事務所の前で止まった。
「商工会議所のグランヴィルと申します」
降り立ったのは、老紳士。見るからに上流階級の雰囲気だ。
「えっ!」リーフが跳ね上がる。「理論的に考えて、まさか...」
「上流階級の顧問様じゃん!」フレアも興奮。
「静かに」ルナが制する。
グランヴィルは、穏やかな笑顔でスライムたちを見つめる。
「噂は聞いていましたが、本当に愉快な皆さんですね」
「あの」翔太が前に出る。「ご用件は...」
「ああ、そうでした」グランヴィルが書類を取り出す。「実は、商工会議所から提案がございまして」
「提案?」
「はい。首都の配送システム、改革してみませんか?」
一同、驚きの声を上げる。
「理論的に考えると、これは...!」
「黙りなさい!」
「具体的には」グランヴィルが続ける。「現在の馬車による配送と、スライムの皆さんの特徴を組み合わせた...」
「ハイブリッドシステム...?」フィリアが目を輝かせる。
「そう」グランヴィルが頷く。「大量輸送は馬車で。細かな配達はスライムの皆さんで」
「なるほど!」ポップが跳ねる。「それなら僕たちの良さも活かせる!」
「熱い提案だぜ!」
「理論的に考えても効率的で...」
「まあ、面白そうね」
「可能性を感じます」
しかし、グランヴィルの目が鋭くなる。
「でも、それには...商人ギルドの協力が必要になりますがね」
一同の表情が引き締まる。
その時、通りで騒ぎが起きた。
「商人ギルドが、また配送料を上げるって!?」
「こんな値上げ、やってられない!」
翔太は、静かに決意を固める。
「やりましょう」
「ショウタさん?」フィリアが驚いて。
「私たちの目標は、すべての人に笑顔を届けること。そのためなら...」
グランヴィルは満足げに頷いた。
「では、改革の第一歩を踏み出しましょうか」
首都の空には、変革の風が吹き始めていた。
(続く)




