第18話 『決意の時』
商人ギルドとの対立を乗り越え、首都という大きな舞台へと歩みを進める結衆社。しかし、本当の試練はこれからかもしれません。翔太とフィリア、そしてスライムたちの物語は、新たな段階へと入ろうとしています。
「新しい事務所の契約が完了しました」
首都キングスロードでの営業開始まであと3日。翔太は最後の打ち合わせのため、一行と共に首都に到着していた。
「首都の地図、完璧に覚えたよ!」ポップが元気よく報告。
「熱い準備は万全だぜ!」フレアも興奮気味。
「理論的に分析させていただきますと」リーフが跳ねながら。「首都での配達効率は、現在の体制を基準に換算して...」
「うるさいわね」ルナが冷ややかに。「でも、準備は整ったわ」
「私も配達ルートの下見を完了しました」ミストが静かに。
フィリアは、窓の外を見つめていた。首都の街並みは、彼女が研究所で過ごした日々を思い出させる。
「懐かしいですか?」
翔太の声に、フィリアは首を横に振った。
「いいえ。今の私には」彼女は杖を握り締める。「新しい魔法の道があります」
その時、来訪者があった。
「お待ちしていましたわ」
メリッサ・ヴァンドールが、優雅に入室してくる。
「明日から、正式に首都での営業認可が下りますわ」
「ありがとうございます」翔太が礼を述べる。
「でも」メリッサの目が鋭くなる。「覚悟はできていますの?」
「はい」
「首都の商人たちは、あなたたちのような"田舎者"を歓迎しませんわ」
「分かっています」翔太は静かに、しかし力強く答えた。「でも、私たちにはある物があります」
「ある物?」
「はい。仲間との絆と」
スライムたちが前に出る。
「人々の笑顔のために!」ポップが真剣な表情で。
「熱い想いは誰にも負けない!」フレアが力強く。
「理論値を超える努力を!」リーフが決意を込めて。
「完璧を目指すわ」ルナが優雅に。
「全力で」ミストが静かに、しかし確かな声で。
「そして」フィリアが杖を掲げる。「みんなを結ぶ魔法があります」
メリッサは、一同の様子をじっと見つめた。そして...。
「面白い」彼女が心から楽しそうに微笑む。「では、首都の風を、かき乱してみせなさい」
去り際、彼女は付け加えた。
「私も、少し退屈していたところだったの」
部屋に静寂が流れる。
「みんな」翔太が仲間たちに向き直る。「準備はいい?」
「もちろん!」
「任せろよ!」
「計算済みです!」
「ええ」
「はい」
窓の外では、首都の夕暮れが街を染めていた。
明日から、新しい物語が始まる。
(続く)
大きな壁を乗り越え、さらに大きな舞台へと進む結衆社。彼らの「送料無料」という革命は、首都でどのような波紋を呼ぶのでしょうか。そして、商人ギルドの副総裁メリッサの真意とは...。物語は、新たな局面を迎えようとしています。




