第17話 『広がる翼』
「探検隊みたいで楽しいね!」
首都への下見に向かう道中、ポップが嬉しそうに跳ねていた。結衆社の一行は、最終確認のため首都近郊まで視察に来ていた。
「おい、仕事なんだぞ」フレアが呆れつつも、同じくワクワクした様子。
「理論的な解説をさせていただきますと」リーフが得意げに話し始める。「この地形では、南東からの風が配達効率に影響を及ぼし...」
「もう、静かにしなさい」ルナが冷ややかに。「地図に集中して」
「私は後方の安全を確認します」ミストが静かに後ろを見守る。
フィリアは微笑みながら、スライムたちの成長を感じていた。最初は不安だらけだった彼らが、今では立派な戦力になっている。
「あ!新しい道、見つけた!」ポップが街道の分岐点を発見。
「待って」ルナが慎重に。「まずは安全確認を...」
「理論上、この道なら...」
「うるさい!」
「熱い展開だぜ!」
通信魔法越しに、事務所で見守る翔太の笑い声が聞こえる。
「みんな、随分と成長したね」
「はい」フィリアも感慨深げに。「最初は個性がバラバラすぎて心配でしたけど」
確かに。ポップの明るさ、フレアの熱血さ、リーフの理論武装、ルナの冷静さ、ミストの慎重さ。それぞれの個性が、今では見事に調和している。
「あ!首都が見えてきた!」
ポップの声に、一同が前を見る。遠くに、壮大な首都の街並みが広がっていた。
「すごい...」フィリアが息を呑む。
巨大な商人ギルドの本部。厳めしい魔法研究所の建物。そして、無数の人々が行き交う街路。
「ショウタさん」フィリアが通信魔法に向かって。「私たち、本当にやっていけるでしょうか」
返ってきた翔太の声は、確信に満ちていた。
「大丈夫です。だって」
その時、思いがけない光景が広がった。
首都近郊の村々から、人々が出迎えに来ていたのだ。
「結衆社の皆さん!」
「評判は聞いていました!」
「待ってましたよ!」
「ほら」翔太の声が優しく続く。「私たちには、もう仲間がいる」
フィリアの目に、涙が光った。
「みんな!」ポップが元気よく。「僕たち、頑張るよ!」
「ああ、熱い展開だぜ!」
「理論値も更新します!」
「がんばりましょう」
「全力を尽くします」
首都の空には、白い雲が流れていた。
まるで、彼らを歓迎するかのように。
(続く)




