第16話 『新たな船出』
「ねぇ、聞いた?結衆社が首都に行くんだって!」
市場に朗らかな声が響く。商人ギルドとの一件から一週間、結衆社の評判は更に高まっていた。
「よし、これで準備書類は...」
事務所で翔太が確認していると、フィリアが駆け込んできた。
「ショウタさん!新しい魔法の開発に成功しました!」
彼女の杖から、青い光が放たれる。
「わぁ!」ポップが目を輝かせる。「この光、なんか違う!」
「理論的に分析させていただきますと」リーフが跳ねながら。「魔力波長が通常の1.5倍で、さらに持続時間が...」
「うるさいわね」ルナが冷やかに。「説明より実践よ」
「この魔法があれば」フィリアが笑顔で続ける。「スライムたちの移動速度が1.5倍に!」
「熱いねぇ!」フレアが興奮気味に。
「私が効果を記録します」ミストが静かにメモを取り始める。
翔太は、仲間たちの成長を感じていた。商人ギルドとの対立は、彼らをより強くしたのかもしれない。
その時、予想外の来訪者があった。
「失礼します」
入ってきたのは、地方都市の配達組合の代表たち。手には書類の束を持っている。
「私たち...結衆社の手法を、学ばせていただきたくて」
「え?」
「魔法とスライムを活用した配送システム。それに」代表が深々と頭を下げる。「人々の心を大切にする姿勢を」
フィリアは目を見開いた。彼女の魔法研究は、思いがけない形で広がり始めていた。
「僕たち」ポップが嬉しそうに。「お手本になれるんだね!」
「熱い展開だぜ!」
「理論の共有が必要ですね!」
「指導係か...面白そうね」
「私も尽力します」
「でも」翔太が慎重に。「首都での展開と同時進行は...」
その時、思いがけない提案が。
「私が、研修プログラムを」
振り向くと、フィリアが決意に満ちた表情で立っていた。
「保存魔法の理論と実践。スライムたちとの連携方法。私の研究を、みんなで共有したい」
「フィリアさん...」
「研究は、人々のためにあるはず。だから」
彼女の瞳が強い意志を帯びる。
「この魔法を、もっと多くの人に」
翔太は頷いた。
「分かりました。では」
彼は地図を広げる。そこには、首都までの道のりと、各地方都市が記されていた。
「私たちの革命を」
「みんなで広げよう!」ポップが元気よく跳ねる。
外では、首都行きの準備を進める人々の声が響いていた。
結衆社の挑戦は、新たな段階に入ろうとしている。
(続く)




