第13話 『商人ギルドの妨害』
「また配達ルートを妨害されました」
早朝の事務所で、ミストが静かに報告する。首都進出の準備を始めてから、各地で同じような事態が起きていた。
「今度は倒木だって」フレアが不満げに。「絶対わざとだぜ!」
翔太は地図を広げ、新しいマークを付け加える。妨害のパターンが見えてきていた。
「商人ギルドの息がかかった冒険者たちですね」フィリアが杖を握りしめる。「でも、証拠がない...」
その時、事務所のドアが勢いよく開いた。
「ショウタさん、大変です!」
駆け込んできたのは、魔法配送会員の薬屋の主人。
「配達予定の薬が...盗まれました」
「えっ!?」
一同が驚きの声を上げる。
「昨日の夜、倉庫が荒らされて...」
翔太は即座に立ち上がった。
「被害状況は?」
「幸い、保管庫の中身は無事です。フィリアさんの保存魔法のおかげで」
一同がほっと胸を撫で下ろす。しかし、翔太の表情は険しいままだった。
「ポップ、フレア」
「はい!」
「なんだよ!」
「今日の配達ルート、変更します」
翔太は新しい地図を広げた。
「あ!」フィリアが気づく。「これって...」
「はい。予定のルートを見せかけに、実は別ルートで...」
「なるほど!」ポップが目を輝かせる。「おとりってことだね!」
「理論的な成功確率は」リーフが跳ねながら。「87.6%!ただし...」
「うるさいわ」ルナが冷ややかに。「実行あるのみよ」
「私は後方支援を」ミストが申し出る。
翔太は一同を見回した。これは危険な作戦になる。
「任せろよ!」フレアが熱く。「オレたちにだって、意地ってものがあるんだ!」
その時、通りで騒ぎが起きた。
「えっ!? 値上げ!?」
「商人ギルドの送料が、また上がったって!?」
窓の外では、ギルドの告知が貼り出されていた。
『送料改定のお知らせ:
本日より、全ての配送料金を倍額とさせていただきます』
「なんて...」フィリアが声を震わせる。
しかし翔太は、静かに微笑んだ。
「やっぱり」
「ショウタさん?」
「焦っているんです、商人ギルド本部が」
確かに。この値上げは、明らかに感情的な判断に見える。
「つまり...」
「はい。私たちの存在が、確実に影響を与えている」
外では、人々が値上げの告知に騒然としていた。しかし、結衆社の事務所の中は、不思議と落ち着いていた。
これは、彼らにとって最大の試練になるかもしれない。
それでも、この仲間となら...
(続く)




