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第12話 『新たな挑戦へ』

「みんな、ちょっといいかな」


雪山越えの配達から数日後、翔太は事務所に全員を集めていた。


「なになに?」ポップが元気よく跳ねる。「新しい配達?」


「いや、これを見て欲しくて」


翔太が広げたのは、一枚の地図。首都キングスロードの詳細な見取り図だった。


「首都...?」フィリアが息を呑む。


「理論的に分析させていただきますと」リーフが早速計算を始める。「首都の人口は当地の約47.2倍、商業区画の密度は...」


「うるさいわね」ルナが遮る。「でも、本気なの?」


「私たちに、できるんでしょうか」ミストが静かに不安を口にする。


「熱いじゃねぇか!」フレアだけは興奮気味。「オレは大賛成だぜ!」


翔太は地図の中心部を指さす。


「ここに、商人ギルド本部がある。そして...」


「魔法研究所の本部も」フィリアが続ける。


静寂が流れる。全員が、この決断の重みを感じていた。


「昨日、メリッサさんから正式な許可が下りました」翔太が告げる。「結衆社の首都進出を」


「でも」フィリアが心配そうに。「あの人が簡単に許可するはずない」


「ああ」翔太も頷く。「きっと、もっと大きな試練が待っている」


その時、思いがけない声が上がった。


「僕は行きたい」


ポップが、珍しく落ち着いた声で言う。


「だって、首都にだってきっと、私たちを必要としてる人がいるはず」


「そうだぜ!」フレアが続く。「この熱い想いは、どこだって同じ!」


「理論的な試算によると」リーフが慎重に。「確かに難しい挑戦です。でも、不可能ではない。なぜなら...」


「分かったわ」ルナが珍しく優しい声で。「私たちには、独自の強みがあるもの」


「皆さん...」ミストの声が震える。「私も、この仲間となら」


フィリアは、スライムたちの決意に目を細める。


「私の魔法は」彼女が静かに言う。「みんなといることで、もっと輝ける」


翔太も頷く。


「結衆社は、最初から常識を越えてきた。スライムと人間が同じ目標に向かって働く。魔法を物流に活用する」


「そうそう!」ポップが跳ねる。「僕たち、みんなで新しい常識を作ってるんだよね!」


「熱いぜ!」

「理論値を超えましょう!」

「やるだけよ」

「全力を」


外では、首都に向かう馬車の列が行き交っている。彼らもいずれ、その道を行くことになる。


「行きましょう」翔太が静かに、しかし力強く言う。「私たちの物流革命を、もっと大きな舞台へ」


窓から差し込む陽の光が、仲間たちの決意を照らしていた。


(続く)

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