喪失
『ロストテクノロジー』
それは決して開くことの許されない
呪われた技術だった
お母さん、今日もお父さんが帰るの遅くなりそう?
10歳にも満たないような少年が話しかける
そうね、今日の仕事は特に重要って言ってたから
もしかしたら、帰ってくるのは
明日になるかもしれないわね。
今日はもう遅いし、そろそろ寝ましょうか。
うん、でも寝る前にいつもの絵本読んで
分かったわ、本当にショカはこの本が好きね。
だって、ワクワクするんだもん。
少年は母の膝に座る
昔々、そこには様々な種族が住んでいました。
初めは仲良く過ごせていましたが、意見の食い違いや土地の奪い合いが起き、
たちまち大きな戦争が起きてしまいました。
戦争は長く続き、多くの人が亡くなりました。
その中でも人間は弱く、誰もが戦いを諦めようとしていました。
たった一人の人間を除いて、
その人間は一人で死屍累々とした戦場に行き、たった一手で長きに渡る戦争を終わらせてしまいました。
その人間が使っていたものこそ、『ロストテクノロジー』だったのです。
ただし、その力はあまりにも強大でその人間は危険に思い、塔の中に封印することにしました。
こうして、戦争は終結し、人間が勝利したとされています。
話が終わる頃には少年は寝てしまっていた
次の日の朝
母が買い物から帰ってくる扉の音で目を覚ます
どこか母の表情が暗く見える
少年は母のことが気になり声をかける
お母さん、どこか痛いの?
ううん、どこも痛くないから大丈夫よ。
それよりショカお腹空いたでしょう?そろそろご飯にしましょうか。
うん
数年後
母さん大丈夫?
ショカが母の身を案じ声をかけるが、声は返ってこない
そこには病室のベットで寝ている母がいる
母は未知の病にかかり、初めは元気だったがここ最近は寝たきりになってしまった。医師からは半年の命と言われた、今日がその最後の日だ。
サー サー サー サー
砂嵐のような不気味な音がする
バチッ
何かが切れるような音がする
その音の直後、母の手足が消え始める
ショカは衝撃的な光景に声すらも出せなくなる
そして頭に向かって母の全身が消えていく
ショカが悲しむ間もなく母は消えてなくなった
何が起きた、何で母さんが、、、
ショカは驚きと悲しみを感じつつも一人、家へ帰る
ショカの母親がまだ元気だった頃、家の近くで野菜を売っていたおばあさんが声をかける
おお、ショカちゃん、今日も一人かい、大変だねえ
・・・・
ショカは家の方向に進む
今日も異端者が火炙りにされながらも塞がれた口で必死にもがいている音がする
ショカが住む国ではユズア教が主流だ
ユズア教には神の力のおかげで我々、人間が勝利することができたと考えており、
神に感謝しないと虚無に落とされるとゆう教えがある
その為、『ロストテクノロジー』は神による神聖な領域で
人間がその領域に触れようとするのは禁忌とされているのだ
・・・・
ショカは家に帰った
家の中にはショカ以外、誰もいない
そこには、ただ途方もない静けさと喪失感があった
Roseです。
投稿は不定期ですが、週一で投稿出来るよう努力はします。




