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避ける側の人生

作者: アラベル

ある日の仕事終わり、自炊する体力もなくコンビニへ弁当を買いに行った。

その時、対面の方からコンビニから出て駐車場に戻る人とすれ違った。

コンビニから駐車場への道は少し狭く、すれ違う際にはどちらかが一度止まる、若しくは体を半身にして避けながら歩く必要があった。


いつもであれば僕は避ける側の人間なのだが、その日はものすごく疲れており、日々の仕事に対するストレスを感じていた影響により少し感傷的になっていたため、そんな自分を肯定するために避けない側の人間になってやろうと決意した。


15m前ぐらいから向かってくる赤の他人。普段から弱気の自分は、それぐらい立ち向かっていける人間になりたかったのだ。

しかし、結果的に僕はコンビニの壁に身体をぶつけつつ、半身になりながら人を避けた。どうしても立ち向かうことができなかったのだ。

よく考えてみれば、20何年も避ける側の人間だったのに、急に人にビビらなくなれるなんて、そんなこと自分の本能が許してくれないだろう。


人は咄嗟の瞬間に自分の本性が現れる。

よく家でやっていることは外でも出てしまうものだから、普段から気をつけて生活しなければならないと言われているが、それを身をもって感じた瞬間だった。


でも、よく考えてみたら、人とすれ違うときに避けようとしない人は自我が強すぎそうで苦手だわ。

あの時避けることを選択した自分に、なぜか嬉しくなった。

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