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ラグニゲル王国歴史書  作者: かぼちゃ豆
第一章 ラグニゲル王国の実情
4/4

最終話 「死と還元」

次のお話に続く伏線物語です。

面白いのでぜひ次の作品も読んでみてください。

気づいたら、俺はひんやりとした布のようなものの上に寝ていた。


「ケホッ。ケホッ。」


なんだか悪寒がする。

全身がやけに痛い・・・。


ふと布団をめくってみると、そこには信じがたいものがあった。


「黒い・・。」


そう。

自分の体がだんだん黒くなってきている。

それも、足元のほうから。


一人で焦っていると、俺の咳の音を聞きつけたのか医者のような人がやってきた。

近づいて俺の体を一通り目をやると、


「あなた・・・、良く生きてたわね・・・。

 原因不明の病気だけどこれは黒死病ににてる。けど全身がだんだん黒くなっていくなんて症状はき  

 いたことがないわ。

 

 ともかく、今は安静にしていてちょうだい。」


と一瞥して、治癒魔術をかけるから少し待ってて、と元居た場所へもどっていき、紙と何かがはいった瓶をもってきた。


「この世界ではまだ病気を治す魔法が開発されていなくてね。

 こういう紙に書いた模様の上にこの瓶の中に入っている液体をかけたら治るっていう寸法なの。


 今からするから見ててくださいね。 いやなら見なくてもいいのですが」


俺は特に理解もせずにこくり、とうなずきその工程を見ていた。


すると、驚くべきことが起こった。

紙に瓶中の液体をかけると紙が光りだし、その光が俺の体を包み込んでしまったのだ。


しかし、視界は良好。

とくに変わった点もないと思う。


「この薬・・魔法はね、体の中にある病気の進行を遅らせることができるものなの。


 ただ未知の病気だからどう効能するか、とかもし効果があったとしてもどのくらい続くのかという

 ことが全く分からないから、気休め程度にしかなりませんが・・・。」


俺は倒れてから不思議な感覚だった。


なんだか、体がぽかぽかしているというか。

妙に体の芯から温かい。


俺が自分の体を眺めていると、医者は「では、少しやすんでいてくださいね。」と言って俺のいる部屋を去っていった。


ーその数時間後、俺は永い眠りについた。



ーーー


「ここ、どこだ・・・?」


えーと、さっき俺は布団で寝ていて・・・、あっ、そうだ。


急に体の底から何かが突き上げるようにして上のほうに向かって凄い勢いで上昇していったんだ。


というか、俺、死んだのか?


さっきから息をしていない。

心臓に手を当ててみても、鼓動が全く感じられない。

あわてて手首にもう片方の手をかざしても、脈がない。


思えば、門番していた時にあの人が殺された所から何かおかしかった。

急に挨拶みたいなことされるし、気が付けば違う世界で国王になってるし。


んで今死んでるし。


「この先どうなるんだか・・・。」


と、俺がつぶやいたら、周りの景色が目まぐるしく変わっていった。


気が付くと、桜並木の美しい、その下にはザクロのはえる低木群の目の前に立っていた。


正面には、杖をついた老人が立っていた。


ひげも生えていて、かなり汚いような・・・。


逆にそれが威風を感じさせるような・・・。


少しばかり眺めていると、老人がこちらをふりむいた。

顔は、思ったより想像通りだった。


「そち。なぜここにいる?」


いや、それは俺が聞きたいんだけども。


「いや・・・、死んだと思ったらここにいました」


というと、老人は少し考え込んで、


「なるほど。死人か。

 人生お疲れのようじゃのう。


 何かやり残したことでもあったんじゃろか?」


人生お疲れって・・・。


そりゃ、ずっと奴隷扱いで急に国王になっても困りますよ。


奴隷も嫌だったけど、今日の前身の痛みのほうが何百倍もひどかった。


「特にやり残したことはないですが・・・。」


ふと、そこで親の存在を思い出す。


「僕は小さいころに親と離れ離れになったので、大きくなってから一度も親とあっていません。

 

 死ぬ前に一回は、お別れの挨拶ぐらいは、したかったです、ね・・・。」


と俺が言うと、その老人は


ほっほっほ、と微笑しながら


「それはそれはつらかったのう。


 でも親元に帰りたい、というのは誰もが思うことじゃ。


 今、その願いをかなえてやることはできんが、来世に期待しておくと良い。」


俺は混乱した。なんせ仏教信徒のつもりもなかったから、天国とか来世とかっていうのはよくわからない。


老人は、

「そろそろお別れの時間じゃの。

 もうここへ来るんじゃないんじゃぞ。」

と言い、桜並木の奥へ歩きながら


「明るき清き青年に、心からの幸あらんことを!」


といいながら、去っていった。


俺は、しばらくそれを眺めているとまたもや視界が真っ白になった。



近度は、今までとは違う、ぼんやりとした明るさだった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

貴重な時間をこの小説に費やしてくれた、そこのあなた・・・!

よければ、評価、感想おねがいします!!

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