第二話 「真実」
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「ここは、どこだ・・・?」
ガンガンとする頭痛に耐えかねて、何とか起き上がる。
「うーんと、・・・?」
全く状況が理解できない。
先ず頭の中でさっき起こった出来事を整理してみる。
殺されて、それからよくわからない空間に行ったと思ったら、今度はまた違う場所にいるっぽい。
うーーーん、いまいちよくわからない。
でも、この場所は見たことないものだらけでよくわからないけど、奴隷部屋特有のカビ臭いにおいがしないからある程度快適な生活はできる、という希望は持っていいだろう。
しっかし、本当に何が起こったのかよくわからないな。
頭痛も気持ち収まったし、もしやすると最近の過重労働であの親切な人が殺された所からずっと夢をみているのかもしれない。
また、眠りにつこう・・・。
なんだか疲れたし。
次、目覚めたら使用人にまたこき使われるのか。
本当に、いやな人生だ。
◇◇◇
翌朝。
「んーーーっ」
気持ちいい伸びとともに目を開ける。
また奴隷生活の始まりーーーではなく、昨日と全く同じところにいた。
「んっ?」
一瞬、思考が停止した。
あの過酷な重労働のせいで、自分の体は相当疲弊していたらしい。
丸1日も夢を見ているなんて、奇妙なことだ。
でも、そういう時だからこそ、こういう所は楽しむべきなのかもしれないな。
どうにでもなれ、という半ば諦めの心と共に、気分転換しようと外へ出てみることにした。
ふと起き上がってみると、自分がいたところは小さな小屋のようなものだった。
ただ、見渡せるくらいの広さがあって、居心地は悪くなさそうってのが第一印象。
ドア・・・は、ちょうど回転して後ろのほうにあった。
数分間、ドアの開け方に苦戦して、やっと出ることができた。
どうやらこの家のドアは外に開けない、内に開くタイプのものだった。
なんとも珍しい家だ、と感嘆しながらも家の外へ出てみると・・・。
「ほえ~!!!」
思わず感嘆するような絶景が眼下に広がっていた。
自分がいた小屋が崖の一番上で、その一層下には堅牢そうな城。
自分が見たこともないくらい大きい。
一回、遠目で二条城は見たことはあるがそれの比にならないくらい大きかった。
そしてーー。
その城と城壁を超えると見渡す限りの緑と川、住居と思わしき建物やその中でもある程度大きな建物など、多種多様な日本では見れないような景色が広がっていた。
「これが、異国・・・。」
日本は鎖国しているが改めて、日本と外国との技術や文化の違いを体感した。
もしかしすると、ここが「いぎりす」なのかもしれない。
近代急速な発達を遂げているということで話題の国だ。
自分がなぜそんな異国の地にいるのかはわかりかねるが、技術の発展というのは何が起こるかわからぬもの。
全く、異国というのはすごいものだ。
そう一人で感嘆していと、背後から兵士?のような、鎧っぽいものをみに纏った何人かの人がやってきた。
その一番前を歩いている人は兜のようなものを取ると、慌てて丁寧に挨拶をした。
「ラグニゲル王立騎士団4番大隊長、ギルロイ・ケビンです!!
本日は陛下は、お城へお戻りいただきます!」
「は?」
何言うてんねん、こいつ。
な、なに?ぎるろい?けびん?何?
国の名前?
いや、なんか挨拶っぽいこと言ってたし、国の名前いきなり言い出すわけないよな・・・。
あ、じゃあ名前?
聞いたことがないってことはこの国はやっぱり異国だ。
我ながら、情報処理能力の速さに驚いた・・・が、でもやっぱり、だめだ。
状況が理解できない。
「え、えーと、私は異国の者ですが、あなた方はどちら様でしょうか?」
自分の質問に、さっき挨拶をした男が返答した。
「はっ。私達は王立騎士団所属の者にございます」
「王立、騎士団・・・?」
「はい」
嘘だろう。全く覚えがない。
もしかして気づかぬ間にあの家にたどり着いて、ばたっと倒れたのか!?
起きたら床に寝そべってたし。
それで出てきた俺を勘違いして王だと勘違いしているのか?
だとしたらまずい。
「王に不敬を働いた罪」で殺される。
ここは慎重にいこう。
「すいませんが、私はただの奴隷で、王でもなんでもありません。
あそこに入ったことはどんなことをしてでも償うので、どうかお許しください。」
というと、よほど見当違いのことを言ったのだろうか、少し場の緊張が緩やいだ気がする。
が、間髪入れずに最初に喋っていた男が
「あなたは、もともと奴隷という身分でしたが、色々あって王様になりました。
詳しい説明は後でするので、とりあえず城へ行きましょう。」
俺は、ポカーンと口を開けたまま、いわれるがままにあの堅牢そうな城の中へと引きずりこまれていった。
ーラグニゲル王国保有「グロリア城応接室」にてー。
特によくわからないまま、どうぞ、と通され椅子に座らされた。
それにしても、俺みたいな下人がこんな豪華そうな所へ入れるとは、この後処刑されたりしないよな。
そんな一抹の不安とともに、俺は勇気を出して聞いてみた。
「わ、私は日本という国の奴隷です。それなのになぜこんな豪華そうな、、豊かな所にいるのでしょうか?」
すると、俺と最初に喋った人の隣にいるやつが喋りだした。
「当然、環境が突然変化したのですから驚くことでしょう。
でもあなたは今日からこの世界の住人となります。
いろいろ言いたいことはありますでしょうが、ここはひとつ、私に耳をお傾けください」
そんな前置きから始まって、一方的なマシンガントークがはじまった。
俺は特に相槌もうたずただただその情報を頭に入れるので精いっぱいだった。
数時間後。
俺はかなり疲れていた。
情報量は多かったが、その内容はかなり薄かった、気がする。
まとめると、要するに、こういうことらしい。
・俺は、この国の元王様らしい
・それもかなりやんちゃな性格。
・よく分からないことをして突然正体不明に。
・色々あって王が平行世界へいったということがわかる。
この平行世界っていうのは、天国とか、地獄とか、みたいな自分が存在している空間とは違うらしい。いまだによくわからないが。
・国王が突然いなくなってはこまるので、なんとか対策しようと考えていた時に、突然戻ってきた。
んで、後から質問して分かったこと。
・この国は財政難で今にも潰れそうらしい。
・王のはずなのに、なぜか以前の王の性格、雰囲気が違うこと。
・俺がここにいるのがなぜなのかは全くわからないということ。
ある程度頭の中で整理できてから、俺はもう元の世界に戻ることはできないのか、と尋ねた。
別に、深い意味があるわけではないのだが。
すると、奥のほうに立っていた変な長い着物のようなものを着た女が近づいてきた。
「国王陛下、お久しぶりで。ご機嫌麗しゅうございます。」
軽く一礼すると、その女は喋りだした。
「まず。あなたが国王ということはなぜだか全員見てわかる。
それが魔法によるものなのか、たまたまなのかはわからないが、私の占命魔術で魂自体に代わりないということが判明しました。
また、違う世界から何かがやってくる、ということ自体思いもしなかったことですが、実際に起きたことなので、どうにか解明するし 、というくらいしか言えません。
それに・・・、元の世界に戻れるのかということになると、解明が終わってからでないと。
本当に何が起きたのかわからない状況ですので、しばしお待ちください。」
そう言うと、女は奥のほうへ戻っていった。
「うーん・・・。」、と俺は頬杖をつきながら考えた。
別に、元の世界に戻りたいわけじゃない。ほとんど悔いもないのだから。
でも、なんでこんなことが起きたのかというのはやはり気になる。
そうだ、と独り合点がいったところで正面に座っている男に問いかけた。
「正直私は何もわかりませんが、ここへ来た以上、やはり何らかの意味があると思います。
その原因を突き止めるためにも、ここに居候させていただきたく思います。
そこでなんですが、私に何かできることはありますか?」
我ながらかなりいいことを言ったと思う。
だが、帰ってきた答えはこうだった。
「確かに、やらないといけないことばかりですが、今、この国は周辺諸国に敵視されていて、戦争の
口実を少しでも作ってしまえば破滅の一歩をたどってしまいます。
なので、あなたがここにいるということは、この場にいるのみが知ることができるトップシークレ
ット。
だから、あなたにはしばらくお休みしていただくことになります。」
俺は、それを聞いて何とも言えなかった。
かくして、俺はきつめに言えば幽閉、良く言えば安定した生活を始めることになった。
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