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只の敗け犬だが、お前より強い  作者: カオスオレンジ
第1章 路上の子供はバットエンドの夢を見る
2/2

漫画実写の様に








蘇の子供時代は壮絶な物である

小学生にもならない年齢の時から

誰のても借りずに生きていた。

所謂、路上の子供(ストリートチルドレン)である。




とんでもない設定だが、コミックだからな

蘇はタイヤを車から盗んでそれを売った

金で生活していたが、俺はしない

テレビで見た事があるのだが

路上に落ちているコインや紙幣を

回収して生活している人を見た事がある。

もちろん、簡単な事ではないが

子供1人の食費を得るには十分だった。



家賃も光熱費も払う必要がないからね。



今日もそうやって腹を満たし

テリトリーの裏路地に入る。

裏路地には注射器や薬の袋、酒瓶

出所の分からない血痕

この街では見慣れた光景である。




(そう言えば俺って出生届けも

出されてないんだよな……………

マジで俺の親クソ野郎だな)



この世界の舞台はNY近くに存在する

架空の都市である。

日夜、強盗や誘拐が起きている

物騒すぎる都市だ。

この都市では小さい(ヴィラン)が多く集まっており

いくら、潰しても1匹いれば30匹居るとは

良く言った物でキリがない

正義(ヒーロー)はそんな奴らに頭を悩ましている。

そんな(ヴィラン)に将来的になるのが俺、蘇である




普通ならそんな将来を回避しようと

奮闘するだろう。

しかし、俺は蘇がヴィランになった時に

発現する能力が目的だ、その為には

本筋通りに物語を進める必要がある。

目的を果たした後は

好き勝手するつもりである。



能力はシンプルだ、死をわする(メメント・モリ)

簡単に言ってしまえば身体の能力が

何百倍もあがる能力である。

ここだけ聞けば弱そうに聞こえるだろう

身体能力があがると言う事は

普通の体の機能が強くなると言う事

普通なら3日で治る傷も

身体能力が上がった事により一瞬で治る。

持ち上がらなかったダンベルも能力で

ダンベルお手玉なんて

余裕で出来るようになる。



シンプルだからこそ強いのである。



能力と言うのも正式には少し違うのだが

今は能力としておこう

その能力を得る初期段階は今夜が肝心だ。

今夜、とある人物がテリトリー近くの

裏路地にくるはず。

今まで呼んだコミックを思いだし

導き出した日にちが今日である。

今日、近場に女性と密売人がくるのだ

その女性と密売人が一悶着あるのだが

そこに割って入るのが(おれ)である。




(日が暮れて来たな、もうすぐ時間だ。)




目的の場所付近に隠れ

時間が来るのを待つ事にした。

すっかり当たりも暗くなって

切れ掛けの街灯だけが頼りである。

暫くすると足音が聞こえて来た

怪しい男でこれまた怪しい鞄を持っている

あれがクスリを売る密売人である。

そして男が到着したすぐ後に

女性がやってくる。

女性の格好は肌着も同然で痩せた手には

紙幣が握られている。

密売人と女性は1言2言話すと揉め始めた。

女性はクスリを売って欲しいが

金が足りないようである。

男は気が短く、女性の態度にキレていた。

等々、男が女性に向かって拳銃を取り出す



(よしっ、今だ!)



俺はすかさず隠れていた場所から

飛び出し男に体当たりをする。

男はバランスを崩して倒れるが

当たり処が悪かったのかそのまま気を失う

そして此処で一言!



「お姉さん、早死にしたくなけりゃ

クスリはやめときなよ」



よぉし!!決まったぁ!

原作再現ってテンションあがるよな!?


内心テンション爆上がりしているが

それを表に出さないように気を付ける。

女性はかくかくとうなずいて

慌てて去っていく。



(あ、そうだ、原作とは違うけど

拳銃取っとくか、護身用にな)



この位だったら物語にはそんなに影響は

ないだろうと思い男から拳銃をとりあげる




(すまんな、お前が悪いんだから恨むなよ

重い………こりゃ、簡単に扱えないな)



いくら使い方は熟知していても

今世では筋肉の量も身長も全然違うのだ。

と言うか、今の状態じゃ鈍器位にしか

使えないんじゃ無いのか?

だが、取っておいて損は無いだろうと

拳銃を回収する。

この数日後にアクションが起きる筈だ。



(はぁ、もう寝よ………)




◆◇◆◇◆




(…………眠れなかった)




原作に差し掛かったと思うと

ファンが故に興奮して眠れなかったわ………

しかし、次の段階に進むのは

昨日から少なく共3日後が良い所

と言うのは分かったのだが

具体的に何日かは分からない

それまでかなり神経をすり減らす事になる

何故かと言うとテリトリーの近くで

昨夜の密売人がウロウロしているからだ。



(絶対、俺の事探してるよな

表立って行動できないな………)



俺の髪は日本人らしく真っ黒で

目は日本でも余り見ない

瞳孔との区別がつかない位の黒目だ。

しかも、かなり毛が長いので

見る人が見ればすぐに俺だと分かる。

だから何時もの様に出歩けば

すぐに見つかるだろう。


だからねずみの様にコソコソと

裏路地経由で移動している。




(はやく、次の段階に進みたい………)




数日後、あの女性が切っ掛けで

警察の検挙がこの辺で起きる筈である。

そこから更に物語が進み

蘇は孤児院に引き取られる事にある。

その孤児院でとある理由で、この世界の

主要人物に引き取られるのだが____




(そこまで期間が長すぎる…………!)




もう、いっそ進んで孤児院に行くか!?

だがなぁ、それじゃあ意味ないんだよなぁ

暫くは人の多い所に居座るか…………

様子を見て原作通りの所に戻ろう……………

そう思い移動しようと表にでる。

すると偶々、近くに居た密売人と

バチッと目が合う。



「「 あ……… 」」




体が一瞬固まるが、直様身の危険を感じ

路地裏に戻りまっすぐに走っていく




(何で俺ってこう言う時に

限って運が悪いんだよ…………!)




密売人も走って追ってくるが

ここら辺は完全に俺のテリトリーなので

中々追い付けない様だ。

しかし、大人と子供体力もスピードも

相手の方が圧倒的に有利である。

いずれ追い付かれるだろう。

早い所、撒きたいっ_____



道の悪い路地裏だったが為に

小さな体の俺は躓いてしまう。



「やっべ!?」

「捕まえたぞクソガキイイ!!

ただで済むと思うなよ!!」



すぐに逃げようとするが腕を捕まれる

どんどん肌が赤くなり痛みが増す。

俺は半分パニックになりながらも

服に忍ばせておいた拳銃をとりだす。

重い拳銃を力一杯振り上げ、男の顔を殴る

怯んだ隙に腕を振り払って

両手でしっかりと握り、引き金を引く







乾いた音が響き渡る。






















































頭に暖かい物が降り注ぐ

生暖かくて、蒸せるような匂いがする。










































「あ、ヤった。」













































上を見ると男の頭に穴が空いていた。






























俺は頭に絵の具を溢したように

赤々しく黒々とした姿になっていた





もう少し、良く狙いを定めておけば

よかったと思った。

慌てて構えたせいで握り方は良かったが

狙いが上過ぎたのである。

人を殺した事については

余り深く考えていなかった。

それより俺が焦ったのは物語の変更


ストーリーが自分が制御できない位に

捻れたらどうしよう、不味い。


そんな事ばかりが思考を埋めた。

少しして人を殺したと言う事実に焦る。



(物語より、こっちだろ?!馬鹿っ!)



逃げようかとも考えたのだが

こんな血まみれの状態で

逃げても、すぐに見つかるだろう。

しかも逃げた事で罪が追加される。



(大人しく捕まるか……………)




パトカーのランプの音が聞こえる




(やっぱり素人が物語に介入すると

ろくな事にならないな……………)




どこか他人事でそう思うのであった。











表現がうまくいかん

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