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4話

「これからどうしよっか?」 


 私の問いに真夜はしばらく考え込んで口を開いた。


「最初は衣食住の確保じゃない?でも服は大丈夫だから後回しでいいし、まずは食料と安全に眠れる場所を見つけよ!」


 なぜ服は用意しなくて大丈夫な理由は、トラックに轢かれそうになる前まで来ていた服をずっと着続けるわけじゃない。

 ずっと清潔を保ってくれて破れない、白い、ドレスよりの羽衣が神にはあるからだ。


 正直それを普段着として使うのは恥ずかしいけど、ほかに着るものがないなら仕方ないし、着続けていると段々と慣れて行くと思う。


「じゃあまず食料から集めよう!」


「うん!……あ、でも」


 真夜が何か言いかけたが、この時私は真夜に美味しいものを食べさせようと張り切っていて、聞き逃してしまっていた。

 そのせいで数分後、後悔することになる……。




 私が起きた時、真夜がいた方向を北とすると、その反対の南に食料を取りに来ていた。


 ちなみに、幻想的に見えてた景色の一部の、気に実っている赤い果実を風魔法で取って食べてみた。

 とても美味しかったけど、お腹は満たすことができなかった。

 それは私が果実だけだと満たせないくらいお腹が空いていたわけではなくて、その果実の性質のようだ。

 いくら食べても太らないから、ほぼ世界中の女性は欲しいと思うけど、今私たちが求めてるのはそれじゃない。

 

ガサッ!!


「「!!」」


 すぐ近くの茂みから何かが動く音がした。私と真夜は咄嗟にその茂みの方向を向いて体を止める。


ガサッ!ガサガサッ!!


 ぴょん!とその茂みの中から白いものが抜け出してきた。

 

「キュ?」


 小さくて、ほっぺが膨らんでて、耳が長い。なんか頭にツノが生えているけど、この生き物は間違えなく!


「うさんっ!?」


 うさぎさんだ!と言おうとすると真夜が口を塞いできた。


「大きい声出したらうさぎがびっくりして逃げちゃうよ」


「っ!?」


 そして耳元で囁いてきた。息がかかり、体がゾワッとする。


「キュ?」


 うさぎさんは私たちが何をしてるか首を傾げている。かわいくて癒される。

 声を出すのを止めてくれた真夜に感謝だ。


「よし、それじゃ癒されたことだし、食料探しを再開しよ」


 うさぎさんを驚かせないようにこそこそ声で話す。


「何言ってるの?」


「え?」


「食料、見つけたじゃん」


 そう言いながら真夜はうさぎさんの方に人差し指を指す。


「うさぎ…さん……?」


「そうだよ」


 嘘…でしょ?!


「そのうさぎさんにも家族がいるかもだよ?きっと、生まれたて親から虐待されてて、それでも諦めずに生きて、綺麗なうさぎさんに恋して、勇気を出して告白して、でも貧弱だからって付き合えず、他の生き物に怯えながらも特訓して、実親に虐待されなくなるぐらい強くなって、遂に恋したうさぎさんに認められて、結婚して、子供ができて、今幸せの最高潮にいるんだよ!あ、でもうさぎさんは虐待なんてしないか。だったら」


「やっぱり始まったよ…お姉ちゃんの癖。私もできればこんなことはしたくないけど、私たちが生きるためなの!」


 真夜は右手に風の刃を生み出して、驚いて逃げ出そうとしたうさぎさんに飛ばす。

 

「ああっ!!」


 うさぎさんは私たちと同じ方向を向いた瞬間、頭が体から流れ落ちた。


 私は気づいた。私に無抵抗の生き物を狩るのは無理だと。




 


真夜が狩ったうさぎさん、戦闘モードだと見た目は変わらないけど音速を超えて動けて、毛が頑丈になって衝撃も吸収する毛質になります。ツノはダイヤモンドを容易く貫けますね。

 耳で周囲100mぐらいの状況が分かるので大体会った時は戦闘モードになってます。

 うさぎにとっては真昼と真夜は警戒すべき対象じゃないと思ったのでそのまま目の前に現れました。




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